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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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52 文化的余裕<スラック>~人間×存在×空間軸

 さて、人間(ヒト)×存在(モノ)×空間軸を考えてみます。

 文化と人間の関わりについて。


 文化的『余裕(スラック)』。

 適度なら、豊かな人間性を育む土壌たり得ます。また、文化を共有することで、ある程度は価値観も共有できる。これは私たちが相互理解を深める上で、とても大切なことです。

 過剰であれば、多様性の尊重が難しくなり、むしろ対立を深めてしまう可能性が増えてきます。また、文化を量産してしまうと、基本的に質は下がります。4つの(おじゃま)キャラの話でもありましたが、手軽で中毒性が高いものが大量に出回るようになる。グレシャムの法則(悪貨は良貨を駆逐する)の新たな類型ですね。対処するコツは距離をおいて、数を減らすこと。真っ向から立ち向かって中毒性のドツボにハマると帰ってくるのが難しくなります。

 不足すると、文化の代わりに政治的イデオロギーが台頭します。特に強権(物理)を振るう独裁的な政権が成立してしまう場合もあり、自分たちで歯止めを掛けるのが難しくなります。第二次大戦期の日本のように、対外戦争で負けて暴走が止まって猛省できるのであれば、まだ幸運なのかもしれません。現代だと米中対立のような、戦火をギリギリ交えない、経済戦争のような危うい関係性がえんえん続く。首を絞める縄が真綿であれば倫理的と言えるのでしょうか? いずれにせよ、苦しいことに変わりはない。

 (こじ)らせると、文化の保存を徹底しすぎてしまう。極端な伝統主義者、あるいは情報蒐集狂(データアディクト)。生きた文化ではなく、標本のような文化を集めてしまう。著作権的な問題を抱えることもあれば、デジタルタトゥーに加担してしまう場合もありうるだろう。適度な距離感を忘れないようにしたいものですね。


 人間(ヒト)×存在(モノ)×空間軸として、文化について考えてみました。

 デジタル化は世界を広げたのか、狭くしたのか。距離感の(はか)り方を難しくしてしまったのかもしれませんね。


   †

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