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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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40 ゲーム×射幸心の煽動<ギャンブル>

 さてさて、続いて射幸心の煽動(ギャンブル)について考えていこう。

 ガチャだね。特に、限定ガチャが期間限定で限定スキルを持った限定キャラが限定ボイス&限定コスチュームで限定特盛りヒャッハーなんだぜ。

 ――というのを、手を替え品を替え、いつもやってる。

 そうやって射幸心をガンガン煽ってくるわけだ。

 利点といえば、一応、すごく高い天井が限定されていることぐらい。あと、注意書き(※いずれ復刻する可能性があります)に従って、半年ぐらいするとちょこちょこと復刻されはじめる。限定復刻だね。もう意味分からないけど意外と初期限定キャラに費用対効果(コストパフォーマンス)に優れたのが居たりして、復刻しないのもそれはそれで格差になって文句が出る。何言ってるか分からねーと思うが(以下略)。

 人は限定に弱い。そして、限定ガチャともなればなおさら弱い。

 限定(ほし)に目を奪われて報酬の必要性(やみ)に意識が向かない。それだけならともかく、報酬の必要性(ほし)に目が眩んで分の悪い博打(やみ)を見落とすまである。星空のバイアスが二重に掛かってるとか鬼畜かよ。気付いたらクレカ請求額がやべーことになってるやつだろ。

 さらに言えば、初回限定の引き直しガチャという時間を融かす類のガチャもある。ゲームを始めたばかりの時、チュートリアルで引く最初の無料ガチャ結果が悪かった場合、ゲームを再インストールし直して引き直すというもの。

 運営側もそうされることが分かっていて、再インストール不要でプロローグ的ストーリーを見なくてもその場で引き直せるガチャになっている場合も増えている。気の利いた対応だと思うだろう?

 でも、1回当たりの時間×試行回数を計算すれば、引き直しガチャに掛かる時間はあまり変わるまい。引き直しが簡単になればなるほど、やり直す回数が増えるだけだ。結果に贅沢を言うようになる。


 そうして、埋没費用(サンクコスト)がひたひたと積み上がっていく。いっそ、初回から破滅するほどの要求をしてくれれば、容赦なく蹴り飛ばせるというのに。対価は無形の時間であったり、ジュースを買える程度の金銭であったりする。まぁそれぐらいならと思ったら運の尽き。ずぶずぶと沼にハマっていく。


 不思議なもので、ガチャというのは本質的に割に合わない。

 運営がわざわざガチャを実装しているからだ。胴元(ハウス)の存在が割の合わなさを逆説的に証明している。物作りに(たずさ)わる人間として、趣味的クリエイターの端くれとしては疑問に思うところだ。

 少なくとも、製造の現場であったなら、不良品率が1%あれば話にならない。機械の調整ひとつとっても、万が一でさえ(ぬる)いのが実情だ。万が一を積み重ねてしまえば、不良品の山ができあがる。そんな悪夢をよく分かっている。

 しかし、ガチャと来たら、98%ほどは不良品である。当たりは精々2%だ。これがかえって魅力的だというのだからよく分からない。


 例えば、この小説は短編……と思いきや、長編化した。

 長編化以降、ノリと勢いで連日更新が続いているわけだが、これを1日1回限定の無料ガチャと捉えてみたらどうだろう?

 これを筆者(わたし)の立場からみると、おもしろい(当たり)を増やし、つまらない(外れ)を減らすのが目標になる。

 また、当たり外れを決める権利が君にあるのもポイントになるだろうか?

 人の口に戸は立てられぬというけれど、この小説(ばしょ)はなるべく自由で開放的にありたいと思っている。私は君以外(ダレカ)に配慮せず書くべきと思ったことを書くし、君の「そっ閉じ」も別に構わない。それで君が『余裕(スラック)』を得たのなら、それはそれで願ったり叶ったりというやつだ。拉致監禁からのデスゲームの主催は趣味じゃないからね。


 ガチャが有害である理由をここから考えてみる。

 まず、運営が機械的に発展こそしても、人間的には成長しにくくなること。そもそもガチャは人間の認知的な弱みを突いてしまっている。そこに熟達したところで、運営とプレーヤーの価値観はズレていくばかりだろう。元々ガチャがゲームの本質となるようデザインされているのでなければ、ガチャに軒下(のきした)を貸して母屋(おもや)を取られる形になる。

 次に、当たり外れを運営側がルールとして定めてしまっている点。大抵の場合、外れと呼ばれるものは、これまでに入手したキャラやアイテムとダブっている。一応は、これらの外れも強化値や強化アイテムに化けたりする。ただ、ゲームバランス維持のための強化上限や、そもそものガチャの外れ率の高さから、サービスが継続するほどに外れが無価値になっていく。

 定められた当たり以外を当たりとみなす? このような状況では、プレイヤーが自発的にそんな行動を取るとは思えない。

 そう考えてみると、ハック&スラッシュ、ハクスラ系ゲームは良くできていますね。本質的な運要素を試行回数で押し潰すゲーム。妥協ラインはプレイヤーが決定できる点も嬉しいところ。まぁ、これも時間を対価にしたガチャではあるのですが。

 おすすめゲームコーナーその5。

「モンスターカンパニー」

 パン@ブルークリエイター制作の無料ガチャゲーム。Android版。


 というわけで、ハクスラだけじゃない、ガチャが本質のゲームを紹介。

 ゲーム内で手に入るガチャチケットで、いくらでもガチャが引ける。

 放置でもチケットが増えるので、むしろいくら引いても終わらないまである。


 恐ろしいことに、たとえ金が掛かっていなくても、ガチャって本質的に楽しいんだな、というのが分かるゲームですね。

 何言ってるか分からない、そう思った方は是非どうぞ。


 大手メーカーのゲームも好きですが、個人開発のも大好きです。特にインディーズでは、固定費を抑える工夫ができているところが強い印象。

 モンスターカンパニーは典型例ですかね。維持費ほぼ掛かってないからサービス終了させる意味がない、だそうな。これはつよい(確信)

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