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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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34 中毒と依存症<ドラッグ>8

 このままだと本当に救いがなくなってしまうので、対処法も考えてみましょうか。

 私たち全員が依存症だと認めざるを得なくなったところで、解決策をば。


 まぁ、逃げられないサブスクの話でも超()級サブスクでなし崩しプランを提案していたので、近しい予想をもうされているかもしれません。

 諸々の依存症を、新しい依存症で上書きしてしまおうという方向性は変わりません。

 ただ、今回はもっと些細なもので大丈夫。


 ところで、万能薬の原料って知ってるかな?

 どんな体調不良、病、怪我、痛みにも効いて、他の薬効成分の効き目を高め、しかも主立った副作用がない。また、それ単体でも効果がある。

 人間が行動や思想にまで依存する以上、依存性が皆無とは言えない。それでも、カフェインやアルコールにみられるほどの薬物依存性はない。


 答えは偽薬(プラセボ)

 行動と思想、思いやりで作られた、薬ならざる薬のことだ。


 医薬品の効果を正しく調べるために、偽薬(プラセボ)との比較をしたのが始まり。

 偽薬(プラセボ)に薬効がないよう、偽薬(プラセボ)の素材を厳選した。

 それでも結果にズレがでる? 投薬する医者が偽薬(プラセボ)だって知ってちゃ意味ない。二重盲検法を考え出した。

 そして、今では、患者が偽薬(プラセボ)だと知っていても、偽薬(プラセボ)には効果があることが分かっている。『余裕(スラック)』から生まれた、なけなしの優しさは確かに有効な成分たり得る。


 でも、他者(ダレカ)からの思いやりを期待してしまえば、また他者(ダレカ)に依存してしまう。

 政府などの組織に期待してしまえば、いずれ行き過ぎた対応が君を追い詰めるだろう。

 そうなる前に、私は私自身を、君は君自身を思いやり、(ねぎら)うべきなんだろう。

 君自身ほど、君に寄り添える人はいない。

 君自身ほど、君を大切にできる人もいない。

 ただ心の赴くままに、()りたい自分でいられるように。

 ときに自分に厳しくなりたいときだってあるだろう。

 でも、自分をしっかり(いたわ)らなきゃいけないときもあるだろう。

 それを世界で最も早く、適確に判断できるのは、君自身をおいて他にない。


 ここまで、様々な依存症について考えてきました。

 なんということはない、自分への優しさ。

 それが依存症に惑わされず生きていくコツなんだと思います。


   †

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