34 中毒と依存症<ドラッグ>8
このままだと本当に救いがなくなってしまうので、対処法も考えてみましょうか。
私たち全員が依存症だと認めざるを得なくなったところで、解決策をば。
まぁ、逃げられないサブスクの話でも超弩級サブスクでなし崩しプランを提案していたので、近しい予想をもうされているかもしれません。
諸々の依存症を、新しい依存症で上書きしてしまおうという方向性は変わりません。
ただ、今回はもっと些細なもので大丈夫。
ところで、万能薬の原料って知ってるかな?
どんな体調不良、病、怪我、痛みにも効いて、他の薬効成分の効き目を高め、しかも主立った副作用がない。また、それ単体でも効果がある。
人間が行動や思想にまで依存する以上、依存性が皆無とは言えない。それでも、カフェインやアルコールにみられるほどの薬物依存性はない。
答えは偽薬。
行動と思想、思いやりで作られた、薬ならざる薬のことだ。
医薬品の効果を正しく調べるために、偽薬との比較をしたのが始まり。
偽薬に薬効がないよう、偽薬の素材を厳選した。
それでも結果にズレがでる? 投薬する医者が偽薬だって知ってちゃ意味ない。二重盲検法を考え出した。
そして、今では、患者が偽薬だと知っていても、偽薬には効果があることが分かっている。『余裕』から生まれた、なけなしの優しさは確かに有効な成分たり得る。
でも、他者からの思いやりを期待してしまえば、また他者に依存してしまう。
政府などの組織に期待してしまえば、いずれ行き過ぎた対応が君を追い詰めるだろう。
そうなる前に、私は私自身を、君は君自身を思いやり、労うべきなんだろう。
君自身ほど、君に寄り添える人はいない。
君自身ほど、君を大切にできる人もいない。
ただ心の赴くままに、在りたい自分でいられるように。
ときに自分に厳しくなりたいときだってあるだろう。
でも、自分をしっかり労らなきゃいけないときもあるだろう。
それを世界で最も早く、適確に判断できるのは、君自身をおいて他にない。
ここまで、様々な依存症について考えてきました。
なんということはない、自分への優しさ。
それが依存症に惑わされず生きていくコツなんだと思います。
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