261 「お金がない」を笑い飛ばす82
「さて、今現在、オオカミ小麦に関する2割5分の権利、特許状は少年が所有しています。……ああ、最初の3年、もう残り2年になりますが――その間は5割ですね。伯爵さま、こちらを睨まないでくださいませ」
口約束であろうとも貴族に二言はないとばかりに、目線だけで訂正を求めた伯爵さん。
「さて、その特許状を原資として、オオカミ商会を設立します。当然ながら、オオカミ商会は少年の所有物となるわけです。オオカミ商会はオオカミ小麦をとりあつかう商会であり、オオカミ小麦にかかわるすべて、保管・輸送・取引・貸付などを行います」
つまり、オオカミ商会がオオカミ小麦の元締めになると。
「また、それに加えてオオカミ少年の身の安全も確保します。すくなくとも、彼が個人的に特許状を所有するのは不用心極まりない。この状況を終わらせましょう。特許状は商会の所有であり、商会が権利を持っている。商会の所有者である少年の身は、商会で守るかたちになります」
少年と特許状のあいだに、商会をはさむ。今のところ、これはただの言い換えに過ぎない。けれど商会が大きくなって従業員が増えていけば、商会のみんなで少年を守ることになる。その下準備だ。
「ただ、問題があります。この商会ですが、特許状以外の原資がありません」
「……そうなるわね。小銀貨の一枚すらもない商会なんて聞いたことないわ……」
村にいたときは、税を小麦で納めていました。お金もないではないのですが、行商人と取引するために村長さんが管理していました。あくまで村の代表者としてお金を持っていただけで、お金は村の共有物というあつかいです。ふたりはお金を見たことはあっても、手にしたことがありませんでした。
「さて、ものは相談です。この商会の権利を、いくらか私たちファーレンハイト家に売りませんか?」
伯爵さんは不快そうに――特許状を渡して事をおおきくしたのはこちらなのだから、伯爵家でフォローすべきだろうとか考えていました。善良にすぎます。
しかし、こればかりは執事さんが譲りませんでした。お前、家を潰す気かと。
「家宝である特許状を提供したこともそうですが、君たち自身、村も含めて――1年間の安全を保証しただけで、こちらはすでに最大限の譲歩をしたものと考えてもらいたい」
「分かった。そりゃあ、もっともだな。……で、具体的には?」
「分析採点JOYSOUND」(Android版)にて。
まずは、ヨルシカさんの「詩書きとコーヒー」♭4にチャレンジ。音域はmid1B~hiD。
96.042点。力強い高音を出す意識をしつつ。毎日なんか崩れていく。
昨日に続いて、tuki.さんのファーストアルバム「15」から。基本1オクターブ下げ。
「シーソー」97.158点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowG#~mid2D)
「サクラキミワタシ」97.753点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowG~mid2D)
「[サビカラ]サクラキミワタシ」99.954点。キー±0。1オクターブ下げ。(mid1B~mid2C)
なぜかサビカラで点が伸びた。欠けたのはロングトーンのみ。ラストに大袈裟なビブラートをしてテクニック点を補いはしたが……。
「ひゅるりぱっぱ」99.774点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowG#~mid2C#)
「地獄恋文」99.762点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowG~mid2C)
「[サビカラ]地獄恋文」99.518点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowG~mid2C)
「孤独の鯨」100.000点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowD~mid2C)
初めて聴いたときは、強い印象を持っていませんでしたが、歌ってみると良さが沁みる曲。じわる。
サビの詩的な形容は歌詞を見ながら聞いたほうが良かったかな……ちょっと後悔。
「一輪花」99.898点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowF~mid2D)
「愛の賞味期限」98.389点。キー±0。1オクターブ下げ。(lowF#~mid2D)
これでtuki.さんのアルバム「15」は全曲やりましたね。
あと、舞っていたので。寒い。マジ寒い……。
レミオロメンさんの「粉雪」100.000点。キー±0。オクターブそのまま。(mid1B~hiA)
なんちゃって粉雪。ダメカラオケ調声炸裂してます……サビをファルセットで出してどうするんだという。力強い高音の出しかたを模索中。
99点超えは81~87曲目まで。
100点は27~28曲目。
履歴の虹色メダル362個、金色メダル15個。銀以下なし。




