259 「お金がない」を笑い飛ばす80
「おー、すげぇな」
「おおきな屋敷ねー」
「ここが、ファーレンハイト家の屋敷――吾輩たちの本拠地だな!」
「さ、さて。はぐれる前に客人の部屋にご案内いたしましょう!」
はじめて見る屋敷に驚くオオカミ少年と赤ずきんの少女。
伯爵さんは自信満々ですが、執事さんはそうではありませんでした。
ぶっちゃけ今の伯爵家にはあまり金銭的『余裕』がなく……いかんせん手が回りきっていないところがちらほら。
とはいえ、それは屋敷を任された、熟練の執事の目があればこそ。子供たちはまったく気にしていません。そんなことをいちいち気にしているようでは、村では暮らしていけませんからね。
そして、ひとりひとつの客室に案内され、それから湯浴みや着替えを済ませました。
身なりを整えたのち、伯爵さんの執務室へと呼ばれました。
「おお! ふたりとも見違えたな!」
「はは、伯爵さんもな!」
「こら、伯爵さまに失礼でしょ!」
伯爵さんも1年ちかくの村生活で汚れていたようです。ぴかぴかになりました。
「……うん、誰かと思った」
「ちょっと!?」
「だってさ、赤ずきんを外したところを見たことなかったから」
「ふふーん♪ 私もなかなかでしょ?」
「ああ、とってもきれい……」
「な――ッ」
「……な、服だと思うぜ!」
「よけいなのはその口かぁ!?」
あわや取っ組み合いの喧嘩になりそうでしたが、執事さんが咳ばらいをひとつ。
さすがに貴族のお屋敷でこれはないと思ったのか、元・赤ずきんの少女は落ち着きを取り戻しました。なお、愛用の赤ずきんは洗濯の真っ最中です。自我同一性を取り戻せば、おかしな調子もきっと戻ることでしょう。
「分析採点JOYSOUND」(Android版)にて。
まずは、ヨルシカさんの「詩書きとコーヒー」♭4にチャレンジ。音域はmid1B~hiD。
97.793点。今日の高音は昨日ほど出てない感じ。むぅ。
この日は紅白にも出ていたtuki.さんのファーストアルバム「15」の発売日。昨日フラゲしていたので、そこから歌ってみようかなと。
縛りをいれて、オクターブ下げなしで、原曲キーで歌うことにします。つまり高音で死ににいく。
「晩餐歌」95.982点。キー±0。オクターブそのまま。(mid1G#~hiF#)
1オクターブ下げなら100点を出したこともある曲。たっけぇ。
「[サビカラ]晩餐歌」98.404点。キー±0。オクターブそのまま。(mid2E~hiF#)
1回かぎりのサビでいいなら、まだ呼吸は楽。って、ダメだ、高音ならブレス意識も徹底してなきゃ……とここで反省。
サビカラは「命に嫌われている」「猫」で散々苦労していたので長らく敬遠していましたが、今なら案外なんとかなる……?
「月面着陸計画」97.620点。キー±0。オクターブそのまま。(mid2A~hiC)
今日はマジで荒行だなぁと思い始めた曲。まぁ、なんとか……?
「純恋愛のインゴット」95.673点。キー±0。オクターブそのまま。(mid1F#~hiD#)
「アイモライモ」95.523点。キー±0。オクターブそのまま。(mid1F#~hiD#)
「マルボロ」96.384点。キー±0。オクターブそのまま。(mid1F#~hiE)
ここまではなんとか。
「星街の駅で」94.594点。キー±0。オクターブそのまま。(mid2A#~hiC)
アルバム全曲で虹色メダル狙えないかなーとか思ってましたがここで脱落。
でも、アルバムのなかでは「晩餐歌」と一二を争うぐらい好きな曲。店内放送とかでも晩餐歌は流れるし、聞き慣れている度合いを差し引くと個人的な好みに一番マッチしているかも。
ただ、それでも点が出るとは限らないことをまざまざと思い知らされました。昨日の「スピークイージー」みたいな展開だな……。
というわけで、アルバム6曲目でリタイア。
いかんせんHi音域の出しかたが分かっていないのかな? というのが今日の所感。
アルバムを聴いていても、Hi音域といっても別にファルセットのような声の出しかたをしているようには思えない。
むしろ地声で声を張りながら、ファルセットをすこし混ぜるような……? 腹式呼吸が高音域の肝なのかな? など考えつつ試行錯誤しましたが、そのうち疲れてきて何が何やらになってしまったので、今日はここまでとしました。
明日もtuki.さんの曲に挑戦したい。1オクターブ下げの歌い直しもしようかな。
これで履歴の虹色メダル351個、金色メダル16個。銀以下なし。