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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第6章:記述主義者ともう失敗しない方法論。
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08 構造を評価する

 ひょっとしたら、「構造」という考え方って便利なんじゃない?

 いやいや、それでもだよ?

 人間社会という構造は大きすぎない? 複雑すぎるんじゃない?


 そう思うだろうか?

 実は、かなり単純で大雑把にできています。


 人間社会という構造が複雑に思えるのは、人間社会という構造を見ていないから。

 見ているのは、80億以上ある人間の構造や、数え切れない国家、宗教、人種、思想などなどの構造を逐一大量に見てしまっているから。そんなことをしてしまっていたら、自分の手番が来る前に人生終了(タイムアップ)。それでおしまい、おだぶつだ。


 人間社会の構造は、大きいものがひとつあるだけです。

 しかも、外側の構造であるほど、ルールは少なくなっていきます。

 私や君が抱えている心の方がよっぽど複雑です。ローカルルールやマイルールが非常に多いからです。それに比べたら、人間社会の構造なんてどうってことありません。


 押さえるべきは5つの次元(ディメンション)


 人間(ヒト)存在(モノ)評価(カネ)、時間、空間。


 これだけ。この掛け合わせで人間社会はできています。

 この5つをきちんと押さえておけば、失敗は避けられます。

 逆にどれか1つでも無視してしまえば、それが弱みとなり、いずれ失敗します。


 なんだったら、採点してみてください。5つ、各100点満点でざっくりと。

 ただし、足し算ではなく、掛け算で得点を出すこと。

 最高なら100×100×100×100×100=100億点満点。景気いいぜぇ。

 1個でも0点が混じると、掛け算の結果はもちろんゼロ。人間社会にとっては軽薄で頼りないものになるでしょう。たまにバズることはあると思いますが、長続きできないでしょうね。すぐに頭打ち、限界が来るのが早い。弱みを抱えてるのがバレちゃうからです。


 先のラーメン屋の例で言えば、モノ=化学調味料、カネ=売上、はきちんと押さえていました。

 しかし、それをヒトがどう思うか? 時間が経つとどう移り変わるか? 空間の広がり、ラーメン業界全体のことを考えているか? そういった点が無視されているので、長続きはしません。

 まぁ、所詮予測ですけどね。これを読んだラーメン好きの誰かが、今後のことやラーメン業界のこと、皆のことを想って本気で行動を起こしたら、こんな予測は外れるはずです。欠けたところが無くなりますから。そうなればラーメンは永遠です。やったぜ。


 まとめとして、5つの次元についてそれぞれ振り返ります。


人間(ヒト)=心や行動を見ているか? 特定の思想だけではなく、多様性を踏まえているか?

存在(モノ)=物質、財やサービス。有形無形は問わない。エネルギーや情報も含まれる。

評価(カネ)=主に金銭。ただし最近では、SNSのフォロワー数など、お金以外でも評価を数値化できるようになってきた。金銭でもフォロワー数でも、根底には評価がある。

時間=それまでの経緯は? このままなら今後どうなるか? 繰り返しても問題ないか?

空間=中身を見ているか? 周りを見ているか? 皆でやっても問題ないか?


 後は名付けでしょうか。

 この考え方を多重構造主義と呼ぶことにします。各種思想、多重構造主義それ自体もメタれるメタイデオロギーといった感じでしょうか。ポスト構造主義というには実践寄りに思えますが、はてさて。

 後は……空間的に「皆でやっても問題ないか?」は経済学で合成の誤謬(ごびゅう)と呼ばれるもの。

 時間的に「繰り返しても問題ないか?」は特に名称が見つからないので、反復の誤謬と呼ぶことにしましょうか。


   †

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