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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第6章:記述主義者ともう失敗しない方法論。
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03 中学校~高校

 中学生の時の失敗談。


 荒れた中学で、暴力や痛みに鈍感になったこと。

 イジメを放置してしまったこと。

 イジメから助けようとしてくれた先生に共感できなかったこと。

 イジメられていたことに、気づくことさえできていなかったこと。

 おそらくは、私も誰かをイジメてしまっていたこと。


 イジメにあったと思っている人が居なければ、イジメはないと本当に言えるのだろうか? そう言ってしまって良いのだろうか? 何か、大切なことを忘れてやしないだろうか?


   †


 中学校3年生の時の失敗談。


 両目の近視が進んでいたこと。

 球技大会で、バレーボールが顔面左目に直撃したこと。

 左目は遠視と乱視を患うようになったこと。


 両眼視ができなくなり、距離感が掴めなくなったこと。

 矯正眼鏡をすぐに買わなかったこと。

 目を大事にしなかったこと。


   †


 高校1年生の時の失敗談。


 授業中にガムを噛んだこと。

 眠気を防ぐためと言っても理解が得られなかったこと。

 進学校というルールを優先し、先生を軽んじたこと。

 先生から親へ伝わり、大喧嘩になったこと。


 大人を信用しなくなったこと。


 ついでに付け加えると、私は徐脈(心臓の鼓動が遅い体質)持ちである。自分で気づいたのは30才になってからで、健康診断でも認められた。

 眠気を覚えやすい体質で、幼い時分は基本的に心拍数が高いから目立たなかった、高校生ぐらい身体が成熟してようやく症状を覚えやすくなっていたのだろう。


   †


 高校1年生の時の失敗談。ふたつめ。


 記憶力が一気に悪くなっていたこと。

 古文の語幹や活用をまともに覚えられなかったこと。

 英単語もろくに覚えられなくなっていたこと。

 得意な数学の公式さえ、ひとつも覚えていなかったこと。


 視力悪化の放置、認知機能に支障を来していたこと。

 眼鏡をようやく買ったこと。


 記憶力を回復させようと考えなかったこと。

 理解力だけで補おうと考えてしまったこと。

 理解力だけで補えてしまったこと。

 テスト順位は1位もざらで、体調を崩して13位を1回取ったこと以外は1桁をキープし続けた。高校レベルであればなんとか騙しきれたこと。


   †


 高校3年生の時の失敗談。


 数学の成績は突き抜けていたこと。

 数学のテストは別に難しくなかった、と言っておけば数学の先生が発奮するのに気づいてしまったこと。

 理系クラスの平均点が30点台のテストで満点なら偏差値90を超えられること。

 テスト中に必要な公式は、全て自力で思いつき直して導出していたこと。

 まともに使った公式は、子供の頃に知った三平方の定理ぐらいだったこと。


 日本数学コンクールで入賞したこと。

 喜んでみせていたけれど、劣等感を覚えたこと。

 未解決問題2題にはまるで手が出なかったこと。

 解決済み問題1題に完全解答できる程度でしかなかったこと。

 表彰も拍手も、晒し者にされているとしか思えなかったこと。


 数学のために、こだわりを捨てたこと。

 常識も人間性も評価も倫理さえも無駄だと、捨ててしまったこと。


 ひとりの人間として、数学に向き合わなかったこと。

 空っぽの自分が、そこにいたこと。


   †

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