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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第5章:記述主義者と自殺の論理。
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05 自己嫌悪

 さてと。もうそろそろ歴代最長クラスの短編になってない? と思うんですが。巻いていきましょうか。

 3つめ。『自分が嫌になって』自殺するパターン。

 恥の多い生涯を送ってしまったりするやつだね。そして身を投げる。


 足りないのは自己肯定感で、きっとそこまで自己嫌悪ができるということは、自分のことをよくよく見つめた上でのことだと思います。

 原因は根深いものでしょう。また、双極性障害(躁鬱(そううつ)病)などであれば、専門機関で治療を受けるべきです。本当にふわっとしたことしか書けません。ごめんなさい。

 というのは、その状態に至った経緯は、人それぞれ過ぎるからです。地道に個別対応していくしかない、一般解がない事例。

 なんで、下手なこと言えません。実を言えば、ちょっと考えたんですよ、いっそ恋愛でもした方が自己肯定感得られるんじゃないかとか。ただ、考え進めていった結果、心中しかねないことに気づいたんで、これもおすすめできません。


 なので、ひねくれた方法を考えます。

 根本的な解決は、プロに任せます。1対1で向き合わないと解決なんてできません。

 なので、その根本的な解決が間に合うように、時間稼ぎだけ考えます。

 ロクでもないです。自己嫌悪を抱えさせたまま、身を投げるまでの、地獄のような猶予を引き延ばすことだけ考えます。書いてて自己嫌悪で死にたくなりますねこれ。


 苦痛でも無力感でもなく、自己嫌悪で自殺を考える。

 それって本当は、自殺したいんじゃないですよね?

 死にたい、なんてカケラも思ってない。言葉選びを間違えている。

 自己嫌悪し尽くした先にある、純粋な願い。

 消えたい、って思っているはずです。


 私のことは忘れてよ。

 なんなら最初から居なかったことにしてよ。


 そんな哀しい想いは、決して叶うことはありません。

 現代日本において、そんな都合の良い、究極の自殺はできません。

 戸籍が、防犯カメラが、目撃者が、遺体が、知人や友人や家族が、SNSが、自己嫌悪の根源を無遠慮に暴き立て、その年の自殺者カウントをひとつ増やします。

 自己嫌悪しているなら、むしろ自殺は悪手。嫌悪している自分が注目され、あまつさえ記録に残されてしまうからです。

 だからむしろプライバシーに配慮のある、公的機関や医療機関に頼る方が目立たず気楽に居られますよ。


 ――という論法で、時間稼ぎに徹します。


   †

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