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家での惨劇

翌朝、日の出と共に目が醒めたので、森に行き木の実を集めに行く。

北側の森は我が家から直ぐの場所でちょっと行けば胡桃やどんぐり、栗がある。それに薬草も生えている。

職業の錬金術師を授けられた時に錬金術師に必要なスキルは全てもらっていた。

鑑定、調合、粉砕、分離、合成、成形。

こんなにスキルがあった。

びっくりした。薬草を見分けられる鑑定は凄い助かる。


夕方になる迄、木の実と薬草そしてマジックマッシュが群生して生えていた。まだ誰も取らないのか不思議だったが、鑑定で、確認してマナポーションの原料となっていたから大丈夫。それをアイテムボックスに仕舞って、帰宅しようと家に近付くと、衛兵2人と父ブラニウスが家の入口に立っていてトーマスさんが頭から血を流して倒れていた。衛兵が、


「騎士爵様、これはどういった事で。」


「うるさい!お前達は黙って、この死体を処理すれば良いんだ。」


「そう言われましても、我らの主は国王陛下です。貴方様は上司に過ぎない。

王直轄地で殺人事件が起こったなら我々には報告義務があります。この切り傷ではどう報告しようとも、殺人事件で立件しませんと。」


「おいっ!こっち来てくれ!」


「どうした!」


「妊婦が死んでる。」


「何!騎士爵様、どう云う事ですか?

この女性との関係は?」


「この女は私の家の使用人で妾だ。」


「それを何故、殺害に?子供も一緒に……子供も駄目でしょうね。この胎児は貴方の子供では。我が国の子供殺しは重罪ですよ。」


「この女はそこの死体の男と不倫をしていたんだ。」


「その証拠は在りますか?」


「同じこの部屋に居たのが証拠じゃないか!」


「この男をご存知ですか?」


「知っておる。家の元庭師だ。そっちの女とも面識は在るんだ。」


「それは、出産を前にお見舞いに来ていただけではないですか?」


「いや、手を取り合って見つめておった。」


「それは、不倫の証拠に成りませんよ。

で、この女性を騎士爵様の籍に入れておられますか?」


「平民を騎士爵とはいえ籍を入れる訳無いだろう。」


「そうなると不倫にも成りません。」


「この女の息子を騎士爵家の籍に入れている。」


「それは認知で籍を入れてますか?」


「いや、養子として入れている。」


「それでは益々、不倫とは言えません。」


「騎士爵様、貴方を殺人の容疑者として拘束します。我々と一緒に来てください。」


「何故だ。こ奴らは騎士爵の私に不敬を働いたんだ。殺して当然だろ。ふざけるな、手を離せ。貴様ら只で済むと思うなよ。」


そうして、誰もいなくなった隙に中に入ると、入口でトーマスさんが、ベットではお腹と首を切られて亡くなっている母さんが横たわっていた。


膝から崩れ落ち、口を押さえて慟哭が漏れないように哭いた。


「ゥ゙〜〜〜ゥ゙〜〜〜。」


暫く泣いていたが、お金を回収しなくてはと思い立ち母さんの亡骸に手を会わせて創造神に冥福をお祈りした。それを終わらせて厨房に行き床の板を外して壺ごと、アイテムボックスに仕舞った。

そして、他は何も持ち出さず、北の森に向かった。

そして、我が家が見える木に登り太い枝の生え際に座り声を出さず泣きながら、家の様子を見ていた。

木に登って直ぐに、屋敷から「ギャーギャー騒ぐ正妻が衛兵4名と家に向かって来た。

家に入り5人は家に入り2人を運び出していた。正妻は


「無礼討ちです。不敬罪での無礼討ちなのですよ。屋敷で起こったことに何故、貴方がたが介入するのです。不敬ではありませんか!」


「御婦人、ここは王直轄領です。

貴方のご主人は領主ではありません。

この屋敷も代官屋敷で貴方がた持ち物ではないのです。

ここの持ち主は畏れ多くも国王陛下です。

そんな場所の敷地で殺人を犯せばそれこそご主人が不敬罪に問われかねない事案なんですよ。あまり騒がれると、国王陛下の機嫌を損なわれて極刑もありますからね。

自重をお願い致します。

我々はこれで失礼します。 それと彼女の息子さんに危害を加えるとその時点で加えた人物には死刑が待っていますから報復など考えない様に。」


「……。」


そして衛兵達は死体を引き取って去って行った。


俺は、もうこの家に縛られる事は無くなったが、母と兄弟を亡くした。

転生して2日で天涯孤独の身の上になってしまった。10歳で…。どれだけハードモードの人生なんだ。チートな能力を持っていても不幸続きでは遣る瀬無くなって来る。


どうせなので、辺境の大きな街に向かいダンジョンで修行する事に決めた。

その為には路銀を作られねば、

我が家のお金は幾らあるかと壺を取り出して中を除くと銅貨と銀貨そこそこ入っている。

母さんが何かと貯めてくれて居たようだ。

近くの街に行って職業授与を教会で受けて、装備を整えよう。


そう決めて木から降りて、森の奥へと歩き出した。



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