第九話
毎週月曜日と木曜日に投稿します。よろしければ読んでみて下さい。
第二日目
今日はポイントを稼ぐ為、畑に向かった。畑仕事は初めてだが、楽しい。体を動かす事がこんなに楽しいだなんて、生きていて良かったと思う。
第三日目
今日は休みだ。何処へ出かけよう。まずこの世界の人と仲良くなりたいなあ。
その事をキョウコさんに言うと、サークルに入れば仲良くなれるらしい。
「そのサークルってどんなのがあるの?」
「例えばそうですね・・・・・・ゲームを楽しむサークルとか、運動を共にするサークルなどがございます」
「ゲームか、俺ゲーム好きなんだ」
「ではジャンル→ゲームで探してみましょう」
とキョウコさんは言うと、ホルスを使って探し始めた。
「150ほどのサークルがございます。どのサークルにいたしますか?」
キョウコさんは、代表者の写真付きの画面を、流してくれている。どれにしよう。あっ、この娘可愛いな。サークル名は『THE GAME PLAYER』か。
「このサークルでいいや」
「ではこのサークルで」
そう言うとキョウコさんは、じっと動かないでいる。『THE GAME PLAYER』にアクセスしているらしい。
「入会OKです。今日二十世紀型住居群に集合となっていますが、参加しますか?」
「うん」
◇
二十世紀型住居群に行くため、リニアモーターカーに乗った。こういうのに乗ると未来って感じがする。乗って1分ほど経つとキョウコさんが、『タワー』と呼ばれる俺の住んでいる塔を指差した。
「あれが俺の住んでいる所か。なんかウンコみてえ」
ちょっと表現が汚いが、まさしくそうなのだから仕方がない。
「おお」
乗って2、3分程で二十世紀型住居群に着いた。二十世紀型住居群というだけあって、俺にとって馴染みのある風景が広がっていた。
「ここからまっすぐ歩いて、突き当たりの公園が集合場所です」
道なりに歩いて行くと公園が見えてきた。二、三人人がいる。例のあの娘もいる。
「ちかkuぶgatがなOxpじゃ」
「オー△Q×□タツクgiuにクタ」
・・・・・・何語?彼らに声をかけられたが全くわからない。
「キョウコさん、この人達何をしゃべっているの?」
「今流行りの言葉ですよ。若者が普通に使っています」
今流行ってるって、日本語じゃないみたいじゃないか。
「では、通訳プログラムを立ち上げてみて下さい」
キョウコさんの言うとおり、ホルスで通訳プログラムを立ち上げた。
「ようこそ、『THE GAME PLAYER』に、私は立森ミナト、よろしく」
お、ちゃんと言葉が分かる様になったぞ。やっぱ可愛いなあこの娘。ミナトちゃんかあ・・・・・・。
「雪村です、よろしく」
彼女が差し伸べた手を、俺は両手で包む様に握手をした。
「今日は何する?ハコゲー、カンゲー?」
仲間の一人が口を開いた。
「?ハコゲー?」
「ハコゲーはTVゲームの事。カンゲーは体感ゲームの事だよ、雪村さん」
そうミナトちゃんに教えてもらった。ふむ、なるほど。
「どっちがいい?雪村さん」
俺?俺はそうだなあ・・・・・・。
「カンゲーで」
体感ゲームかあ・・・・・どんなのだろう。
「じゃカンゲーをするね」
それから俺らは『ガンアクション』というカンゲーをした。街中を歩き銃で敵をやっつけるというゲームだ。これが結構面白かったりする。銃は実際にモデルガンを使用し、弾や敵は架空のものだったりした。
「右のボタンがチャージ、左が撃つ時に使用するものだからね」
ミナトちゃんが銃の扱いについて説明してくれた。
「出てきた敵を撃ち点数を稼ぐ、単純なゲームだけど面白いよ」
「始めるよ」
「ゲーム→ガンアクション→スタートで始めて」
ふむ、ゲーム→ガンアクション→スタートとミナトちゃんの言う通り操作をした。すると『HELLO』と文字が浮かび消え『ガンアクション』と文字がアップに写し出された。
二人一組で行なうゲームだ。俺はミナトちゃんと組んだ。舞台は商店街だ。敵が現れた。構えて撃つ。10ポイント獲得した。それの繰り返しが続く。敵からの攻撃にも気をつけなくてはいけない。もし撃たれたら、ヒーリングのスキルを持つミナトちゃんに、手当てしてもらうか、あらかじめ持っている薬草を使うことになる。手に汗握るなあ。
それから二時間くらいゲームをして遊んだ。正直楽しかったな。またこのサークルに参加しよう。
「また明日ね」
とミナトちゃん。
「また明日って、明日もするの?ゲームを」
「そうほぼ毎日してるよ」
「仕事は?何してるの?」
「仕事をしてなくてもポイントは稼げるよ」
「何で?」
「あのアンドロイドがいない時に話すよ。今度は一人でくれば?」
え?キョウコさんを置いてか?まあいいか。
「うん、じゃまた来週ね」
「じゃ、またね」
ミナトちゃんは微笑んでくれた。