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辺境の村にて.3

私たちがわいわいと話して久々に村を四人で歩いているとそこに見慣れない人たちを見かけたよ。



「うわぁ!あれ、冒険者じゃん!」

私にとっては憧れるべき存在。その冒険者たちが村に来ている。胸がドキドキとワクワクで高鳴る。



戦士風の男に魔法使い。教会に遣えるシスター風の女性。ハーレムだ。噂に聞くハーレムパーティーだと隣で呟くティシュをジト目で見つつ私は冒険者たちを見る。うーん。確かに両手に花。でもあの戦士っぽいのが前衛ならバランス悪いなー。魔法使いっぽいのとヒーラーっぽいのが二人だからね。もしかして恋の三角関係だったり!?

そうなると修羅場パーティーになるよ!?



「あ。態度わるっ!」

珍しいからか村の子供たちが集まってはシッシッとハエを追い払うかのように追い払っているからだ。なんか幻滅~!もちろんああいう冒険者ばかりじゃないと思うけどさ。




「彼等は私をここまで送ってくれたの。でもあの男の人に口説かれて困っちゃった」

肩を竦めるティリアを見て流石と思う。ティリアの美人はどこでもモテモテなのだ。流石は憧れの人だと。



「アストリア~?なんか変なこと考えてる?」

「う、ううん。考えてないよ」

ぶんぶんと首を振る。鋭い娘め。

「ティリアはアストリアにとっての憧れだから、綺麗なティリアがモテて嬉しいんだよね?」

「こら、ユニ~!」

からかうようなユニに抱きつく私。ユニからはハーブの良い香りがする。あ、うちの商品だね。

いつも羊に囲まれているからね。匂いが凄いと苦笑してたから消臭になればいいなと調合してみたのだ。


そんな百合百合とした状況にティシュはほくほくとして眺めている。癒されると。


「なに、ティシュの顔!まさか混ざりたいとか?」

「い!?んな訳あるか!ただ、いつものやり取りで平和だなって思ったんだよ」

そこへ冒険者たちがやってくる。なんかにやにやとティリアを眺めているので嫌な気分だ。





「よお。さっきのお嬢さんか」

「あ、どうも。無事に村にたどり着けました。ありがとうございます」

ティリアは、当たり障りなく返事をする。

馴れ馴れしく声をかける戦士風の男はじろじろとこちらも眺めてくる。

それを庇うようにティシュが前に出る。


「なんだよ?男に用はねえ。どうだ?そっちのお嬢さんたち。俺と話さないか?」

「駄目だ。あんたはスケベだろう?」

「うんうん。スケベに違いない。ティリアを眺めて鼻の下伸ばしてるし」

「そうだね。でもアストリアを見て鼻の下伸ばしてるよ」

「ほんと、ユニ!キモッ!」

自分より年下の子供たちの遠慮の無い発言に戦士風の男はぴくぴくと震える。そのまま震えて凍りつけばいいのに。



「ドカスト。振られたね。あんた美女ばかり声かけるんだから」

「当然ね。あなた美女ばかり声かけるんだから」

魔法使いっぽいのとヒーラーっぽいのがドカストがいじられてるのを可笑しそうに眺めて口を挟む。


「同じ台詞をそれぞれ言うな!ちっ!行こうぜ」

「はいはい。この村にはなにもないからね」

「早く戻って次の依頼こなそうぜ」

ぶつぶつと文句を言って宿屋の方へ行ってしまう。

そう思ったら誰か声をかけてる?あれはリンダだ。

大丈夫かな?あの子美人だけど。口説かれたりしないだろうか。いやそれよりも。




「なにさ、あれ!あんなのが冒険者なの!冒険者ってもっとこう、困ってる人たちの依頼を引き受けるんじゃない!?ねぇ、ユニ!」

「う、うん。アストリア、鼻息荒いよ?」

「まあ、冒険者なんてあんなもんだろ?なぁ、ティリア」

「そうなの、ティリア?」

「う、うん。そうかな?そうじゃない人もいるけど、ああいう人もいるよ。稼ぐのが目的の人もいるよ。危険な仕事だからね」

アストリアはまだ旅に出たことないので仕方ない。憧れが汚された気がして腹立たしい。せっかくの晴れた空なのに。心は曇天模様で雷が落ちそうだ。




しばらく行くと教会が見えてきた。世界を作った光の女神を信仰することで回復の術や毒や麻痺を治す奇跡を行う場所であり15才で成人をむかえる子供たちにとってのスキルを得られる場所。


体内に宿るスキルは人によってまちまちだが、数種類覚えられる。

ユニは先日誕生日だったので『動物』のスキルを手に入れて羊やヤギにやたらと好かれてる。

今も村の猫がすりすりしているのだ。

私は自分にそのスキルがあればもふもふ出来るのにと思う。



ティリアは『美女』と『土の知識』17才で二つも覚えてる。あとは行動することによってスキルは進化するみたいだから楽しみだ。


ティシュはまだ先だけど木こりのスキルなんじゃないかと想像する。


自分はなにかな?そんなことを考えるだけでワクワクする私はもうさっきの怒ったことを忘れていた。







そんなある日のこと。村の外れの洞窟に魔物が出たと言うのだ。

村には教会の護りの結界が貼られているのだが、外は違うよ。



雄大な自然の中に魔物が出ては人を襲うよ。

だから旅人は冒険者を雇う。お金の無いものは寄り合いの馬車で移動するかびくびく震えながら、魔物との遭遇を回避出来ることを願わずにはいられないよ。


早速村の集会所に大人たちが集まって話し合うみたい。そこにはあの態度の悪い冒険者たちもいるんだー。



つづく




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