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辺境の村にて.10

リンダ視点



私は、赤毛のスラッとした美人だ。自分でそう思ってる。口には出さない。イタい奴になってしまうしね。

ティリア程ではないが村の男に誘われることもある。


しかし、村の男と付き合っても退屈なのだ。デートと行ってもお互いの部屋か人気のない場所でちちくりあうことしか出来ない。


村の外にはそれなりの強さがないといけない。魔物が出るから。だから退屈だった。自分はいつか村を出て街の風を切って歩きたいと考えてる。忙しく働きお洒落な男とデートする。


だからドカストがこの村を訪れた時にキュンとしてしまった。冒険者だから服装は長旅で汚れていたがどこかこの村の男たちとは違う男らしさがあった。


ドカストはルックスはそれほどでもないけど男らしさで村の男に比べれば魅力的にうつったのだ。

だから、ドカストの誘いに嬉しく思い物陰でいちゃついていたのだ。





「ん……こっから先はまだ駄目だわ」

胸を触ろうとしたドカストをたしなめる。

私は初な村娘じゃないけど少しづつね。


「なんでだよ。いいだろ?」

「駄目だってば。あなたこの後ゴブリン退治に行くんでしょ?」

「そうだが。それくらいの体力はあるぜ」

「それに外でなんて恥ずかしい」

恥じらう私。生娘でもないんだけれどこう言うのを喜ぶ男もいる。



ドカストはごねていたけどしかし、遅れたりしたら仲間たちが怒るのもまた確かなのか最後には折れた。


「分かった。お楽しみは後な」

「ええ。そうね」

乱れた髪型を整え物陰から出ると子やぎがいたのでビクッとなる。



「どした?」

「ううん。ユニのとこの子やぎよ。ユニはどうしたのかしら?」

覗き見なんて嫌ね。

「……ユニ?あの物静かな子か」

「もう。他の子には手を出さないでよ」

「はは。しねーよ。お前に出会えたからな」

「嬉し」

誰も見てないのを知るとサッと唇を合わせて私はドカストに手を振り離れる。きっとあの人がこの村から連れ出してくれる。そう思いながら家へと帰る。









ミシェル視点



「それにしてもゴブリンてなんでこんな山の中腹にいるんだろうね」

アストリアが山道を登りながら私に尋ねる。ひ弱そうなアストリアが息を切らしてないので私はアストリアを見直す。

この子は昔から危なっかしかったからよく見てないとね。

木登りして降りれなくなったのを幼いながらにも心配したものです。




「まあ、この辺にいるのは山ゴブリンですからね」

「ゴブリンにも様々な種類がいるってことかー」

「なにを今さら。あなた冒険者を目指すなら魔物の知識は必要ですよ?」

「そうだよねー。どんとこい」

「いや、なにをそんな他人事みたいなンメェ~」

ため息つきつつ途中休憩を挟みつつゴブリンの巣へとたどり着いた。




「……うーん。見張りがいるね」

洞窟の両端に一体ずつ山ゴブリンがいる。山ゴブリンはサンドカラーのゴブリン。

平原とか森にいるゴブリンは緑色である。


「よっし行くよ」

止める間もなくアストリアは投げナイフで一体。それに合わせて私が飛び出して飛び蹴りで潰す。


「……ミシェル、ヤバい。私より強い?」

「ふふ。どうでしょうか。いえ、そうではなくてあなたね。無鉄砲すぎですよ」

「えへへ」

「褒めてませんて」

照れるアストリアをたしなめると私は洞窟内の様子を伺うが特に反応はない。




私たちはゴブリンの心臓から魔石を取り出して皮袋にしまう。

皮袋はそんなに優れたものではないが、中には空間が広がって上等なものほどいくつものアイテムをおさめることが出きる。人間は面白い物を作る。


「もう少し慎重に頼みますよ」

「うん。行けると思ったから行動したんだよ」

「はぁ。駄目ですね。こんなことばかり繰り返すなら早く死にますよ?」

「んー、そうだね。気を付けないとね」

ホントに分かってるのか。しかし今はゴブリンたちの様子を気にしないといけない。中から気配はするけどどう行動するか。

いや、このままドカストたちが来るのを待つべきなのである。


しかし、ドカストはリンダとちちくりあっていたから遅くなるかもしれない。しかしそんなことをアストリアに言うのもはばかれる。

アストリアにはなんかそう言うのが似合わないとこの私は考える。




「よし。まだ気づいてないみたいだね」

「私と二人でどうするんですか?」

「私の家は薬屋だよー?いくつものハイポーション持ってて来たし傷薬もあるから怪我しても平気だよ」

ポーションと傷薬の違いは、ポーションが体力の回復で傷薬は怪我したとこへ塗る薬です。念のため。

「ぼこぼこにされるの前提ですか~」

「冗談だって。ホントは星使いのスキルを試そうと思って」

だったらここへ来る前に試せばいいのにと思いつつも人前でやらないで良かったのかもと思う。

星使いは全ての星を操るスキルで世界に一つしかないスキル。


そのスキルの持ち主が亡くなるまでは新たに覚えることが出来ないのだ。

そして嫌なことにその星使いのスキルが現れる時は世界の危機の時であると言われている。


このミシェルは急激な進化で世の断りを理解した。世の中には不思議なことは沢山あるので深くは考えていないが、もう呑気な子やぎではいられないことを悲しく思うのだった。

それと同時に様々な知識を勉強出来ることが嬉しいのだ。私は知識人になります。あ、知識やぎです。



つづく

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