7. レベル上げ
武器を買った俺たちは、早速魔物と戦ってみることにした。
戦う魔物はスライムだ。
武器の性能を確かめるには、スライム相手が1番いい。
それにココは魔物と戦ったことがない。
レベルをある程度あげるのにもちょうどいいだろう。
ココの能力を《真実の目》で確かめることにした。
レベル:1
HP:18
MP:0
攻撃:12
魔力:9
防御力:2
素早さ:21
スキル:無し
完全に見た目通りで、可愛い女の子と言った感じのステータスだ。
とりあえず、スライムに攻撃させてみよう。
「ココ、そこにいるのはスライムだ。短剣で斬ってみろ」
「わかりました、やってみます!」
昨日より、少し明るい気がする。
やはり俺に慣れてきたのだろうか?
「えい!」
重いであろう短剣を、一生懸命振る。
だが、中々魔物には当たらない。
つい最近までの俺と同じだ。
「あ、当たらないです……スライムってこんな攻撃が当たらないものなのですね」
「大丈夫だ、初めは誰だってそんなもんだ」
すると、スライムがココに攻撃した。
「ココ、危ない!」
――だが、ココにダメージは入らない。
武器屋のおっさんが選んだ服のおかげだろう。
【HP:18/18】
「あれ、攻撃されたのに痛くないです」
「ハハ、服買っておいてよかったな」
ほっとした。
この子は俺が何があっても守り抜かなければ。俺がしっかりしてないとな。
ということで、ちょっとしたアドバイスをしてみることにした。
「今ココは剣を見ているから、瞬きせずに敵を見て剣を振ってみてくれ、もしかしたらそっちの方が当たりやすいかもしれない」
「はい!やってみます」
すると、あっさりココの剣がスライムに合ったった。
「やったやったー!」
笑顔でココは飛び跳ねる。
心から喜んでいるようだ。
その姿を見ているだけで、俺が癒される。
「やったな、ココ」
「はい!レン様のおかげです」
俺のおかげ……か。
そう言って貰えて、嬉しかった。
俺はココの頭の上に、手を乗せて撫でてやる。
「わ、あわわわわ」
「なんだ?そんな変な声だして」
「初めて頭を撫でられたので……」
顔を赤らめて、尻尾をくねくねさせている。
嫌がってる……訳では無いようだ。
ココの耳に手が当たるが、すごい気持ちの良い触り心地だ。
「さてと、もう一体倒してみろ。次でレベルが上がるはずだ」
「はい!」
すると、短剣になれたのか。
ふたつの剣を使い、近くによってくるスライムをどんどん倒していってしまった。
【ココのレベルが3に上がりました】
【ココがスキル《4連続斬り》を獲得しました】
どうやら、仲間になったやつの情報も、真実の目は教えてくれるようだ。
さすが万能スキル。
「すごいな!もう短剣になれたんだ」
「はい!」
また尻尾が、くねくねし始める。
俺を下から見つめたあと、目を逸らした。
どうしたのだろう?
「撫でて……ください」
どうやら撫でてもらうことが、癖になってしまったらしい。
まぁ、それで喜びならやってやろう。
「えへへ」
「よし、次は俺が杖を試してみるか」
「楽しみです!」
ニコっと笑うココ。
魔法は通常魔法と、特殊魔法の2つに分類される。
通常魔法は、火、水、氷、風、草、光、闇その他諸々といった属性の魔法。
特殊魔法は、重力や聖などといった属性の魔法だ。
たくさんはまだ使えないが、
旅の途中に獲得した魔法スキルを、
スライムに向かって詠唱する。
「《ウィンドガン》」
見えにくいが、風が速いスピードで、スライムに飛んでいき、見事命中してスライムが吹っ飛ぶ。
「す、すごい」
ココがポカーンとしてしまった。
「ハハ、大丈夫さ、お前もすぐ俺と同じ強さになる」
「ココ頑張りますっ」
そんな会話をしていると、紫色の水晶なような物を体につけた、
いかにも凶暴そうなデカイネズミがココに襲ってきた。
「気をつけろ!ココ」
「はい!」
魔物の攻撃を避け、勢いでそのネズミに短剣を刺した。
だが、体にまとった紫の水晶のせいで、攻撃が入らない。
ココは、攻撃と防御を繰り返している。
やがて、攻撃をもろにくらってしまった。
「きゃっ!」
【HP:19/31】
「ココ!大丈夫か!」
「はい、まだ大丈夫です!」
HP的に大丈夫じゃ無さそうなのだが。
俺は試しに水の魔法を唱えてみる。
「《ウォーターボール》(水球)」
だが、その魔法はネズミに全然通らない。
魔法はどうやら効かないらしい。
すると、あることに気づいた、顔には水晶が着いていないのだ。
「ココ、顔を狙うんだ!」
「か、顔ですか?!」
「あぁ、欲を言えば目の付近だ!」
少し、怖がっている様子だ。
手が震えている。
だが、これから旅に出る上で必要なことだ。
「行きます!えいいい!」
すると魔物は倒れ、経験値が表示され、レベルがあがる。
【レベルが25に上がりました】
【ココのレベルが14に上がりました】
あれは経験値が多い魔物だったらしい。
初日から、ココのレベルが14になるなんて思っていなかった、嬉しい。
「やったな!ココ」
「はい、でも……怖かったです」
ココは俯いた。
「俺がついてる、大丈夫だ」
また、頭を撫でてやった。
そうして、今日はキャンプをすることになった。
俺はそこらで狩った魔物の肉を焼いて、ココに渡す。
「冷めないうちに食べろ」
「ありがとうございます、いただきます!」
それにしても、美味しそうに食べる。
ご飯を食べられない経験をしたことがあるココにとって、肉はご馳走なのだろう。
すると、いきなりココは心配そうな表情で、こんなことを言い出した。
「レン様って、たまに悲しい目をしていませんか?」
「そうか?」
妹との記憶がチラつく。
ココは勘づいていたのか。
だが、あまり心配させたくないので、誤魔化す。
「元々、そういう顔なんだよ」
「……ココ、レン様が心配なんです。良ければ話していていただけないでしょうか?」
どうやら、俺がずっと黙っていたから、逆に心配にさせてしまったようだ。
悪いことをしたなと思う。
俺は、あったことを全てココに話した。
気づけば、涙を流していた。
「やはり辛かったんですね、大丈夫です。ココがレン様の傍にいてあげます」
すると、ココが俺に抱きついて、頭を撫でてくれる。
「辛いことがあったら、いつでも言ってください。またこうやってギュッてしてあげますから。こうやってしてると、落ち着きますよね」
泣いて、泣いて、泣きじゃくった……。
「面白い!」
「期待できそう!」
「やるやんこいつ」
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