5. 王様から呼び出し
俺とココは、女を牢獄へぶち込むため、お城の前まで来た。
近くで見ると、めちゃくちゃデカイな。
いつかココと一緒にこんなところに住んでもいいかもな。
そう思いながら俺がココを見ていた。
「ど、どうされましたか?」
「ハハ、何でもない」
「じ、ジロジロみないでください」
ココの顔が赤く染るので、笑ってしまう。
この子はどうやら照れやすいようだ。
――その未来を作るためには、まずは俺の復讐からだ。
俺の住んでいた国、アルゲニルの王は一番低い身分を国から追放したことにより、妹のような結末になってしまった人がいることを、知らない。
まぁそれはさておき、気絶しているクソ女を引きづりながら、兵士に尋ねる。
「すいません、このクソ女が犯罪を行ったので、捕らえたんですけど……」
「本当ですか、ご協力感謝します!事実確認を致しますので、お城の内部へお入りください」
「わかりました」
兵士が、クソ女をお姫様抱っこをする。
お城のデカい扉が開き、俺たちは中へ入る。
赤いカーペットが敷いてあり、まさにお城って感じの内装だ。
「お城に入るの初めてなので、緊張します」
「あぁ、俺もだ。中々入れる機会ってないからな」
すると石版を持っている女の人がやってきて、俺に向かってお辞儀をした。
なんとなく、ギルドのステータス確認用の石版と似ている。
「ようこそ、おいでくださいました。身分の確認を行うため、この石版の上に手を乗せてください」
まさか、身分が低いと城に入れないとか、あったりしないよな?
国は違くても身分制度は、どこの国にも存在する。
「亜人は、身分は元々つけられていませんので、そちらの方お願いします」
と言いながら、女の人は俺の方を見てくる。
恐る恐る石版に手を伸ばす。
「どうしたんですか?レンさん」
「え、えっと。すいません」
ココに一番低い身分と知られたくないのか、俺は中々石版に手を乗せることが出来ない。
「えぇい、うざったい!」
思い切って、手を乗せると。
【出身:アルゲニル】
【身分:奴隷】
「え、奴隷?」
「……あぁ、そうだ」
そう、俺の身分は奴隷。
周りが一気にざわつく。
ココは驚き、急にココは抱きついてくる。
「レンさんも辛かったんですね。大丈夫です、私はレンさんの味方です」
小さい顔を俺に服に押し付けて、ギューッと抱きしめてくる。
「いやいや、確かに辛い人生だったのは事実だが、別に俺が誰かに仕えていたわけじゃない。先祖が奴隷だったから、その子供の俺も奴隷って言うことだ」
「そ、そうだったんですね、少し安心しました」
妹のことは黙っておくことにした。
ココはこういう性格だ。
そのことを知ってしまったら、多分かなり心配してくると思う。
「い、いきなり抱きついて、すいません。びっくりしましたよね」
「いや、味方と言って貰えて嬉しかった。ありがとな」
「はい!」
手を後ろにやって、元気に返事をする。
まったく、可愛いやつだ。
先程の兵士が誰かにコソッと何かを言われている。
すると微笑んだ。
「失礼致しました。長旅、お疲れ様でした。王様が貴方をお呼びしていますので、ご案内致します」
「「へ?」」
思わず俺とココで、馬鹿みたいな声をあげてしまった。
この国の王様が俺を呼ぶ理由など無いはずなのだが。
「安心してください、犯罪行為をしたというそこの女の人は僕たちが、事実確認を行っておきます」
他の兵士に、女が連れていかれる。
「さぁ、どうぞこちらへ」
――王がいる部屋までやってきた。
椅子に座っている王は、俺が部屋に入ってきた瞬間、立ち上がった。
「よく来てくれた。長旅ご苦労じゃ」
「あー、ええと」
こういう時、なんて言えばいいんだろう。
俺はソワソワしてしまう。
というかなぜ俺が旅をしていることを知っているのだろうか。
「お主は、アルゲニルの奴隷の身分じゃな?」
「あぁ、合っているが」
すると、ゆっくり椅子に腰を下ろしながら、声色を変えて王は話し始めた。
「聞いているぞ。アルゲニルの王は奴隷という身分の者を、国外追放したらしいな」
呆れたような表情だ。
どうやら、この王はアルゲニルの王をあまりよく思っていないらしい。
俺と同じじゃないか、気が合う。
そう思っていると、淡々と語り始めた。
アルゲニルは大昔に奴隷制度を初めて作った国だったらしく、
その制度を作ってから、アルゲニルのあらゆる技術は有り得ないスピードで発展したようだ。
すると、ずっと黙って話を聞いていたココが不思議そうな顔で、質問をした。
「あの、この国でも奴隷を買ってもいいとなっていましたよね?」
確かにココの言う通り、この国も奴隷を買える。
これはどう言うことだろうか?
王はよくぞ聞いてくれた、というような表情をする。
聞くところによると、この国では
確かに奴隷を買ってもいいことになっているが、それは何らかの理由で子供が産めなかったり。
あくまで家族が欲しいと言った理由がある人のみ、奴隷が買えることとなっているようだ。
そうすれば奴隷も酷い目に合う可能性も低くなる。
「それに、ワシの国では奴隷に関しての法が定められている……どうじゃ、納得したじゃろ?」
「確かに、いい案だと思う。それで、結局俺をここに連れてきた理由はなんだ?」
王様は笑った。
「ソナタに、金をやろう。100万ゴールドだ。お前は冒険者なんじゃろ?その金を使って、思う存分旅をするのじゃ」
俺は目が飛び出そうになった。
「面白い!」
「期待できそう!」
「やるやんこいつ」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいします♪
期待できそうだったら星5つ、つまらなかったら星1つ。評価していただけるともっと頑張れます!
ブックマークもしていただけると、心の底から本当に嬉しいです!!
どうぞよろしくお願いします(^▽^)
Twitter→https://twitter.com/Amamikaze_dayo?s=16