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4. vsクソ女


 もしかしたら、ココが拉致られた可能性がある。

 でも誰に?

 俺は街を、がむしゃらに走る。

 15分が経過するが、街が広いからか、手掛かりひとつ無い。


「クソ、どうすれば……」


 すると、急に視界に文字が表示される。


【スキル《真実の目》の追跡機能の使用を推奨します】


 追跡機能?

 そんな機能が真実の目にあるのか。

 追跡機能の存在を意識すると、その機能が表示された。

 対象をココにして、追跡を開始。



「ここか――」


 奴隷を売買する店だ。

 こんなところに……なぜ?

 中に入ると奴隷商人と取引をしている、女がいた。

 ココは檻の中で泣いている。


「やっぱお前だったんだな、クズ女」

「な、なんでここがわかったのよ」

「レンさん……来てくれた……」


 そう、ココをいじめていた女だ。

 ココを奴隷商人に売ろうとしていたんだろう。


「いいか、そいつは奴隷じゃない。今すぐ解放してやれ」

「うるさいわね。こんな犯罪者、奴隷にされて当然でしょ?」

「犯罪者?どういうことだ」


彼女は怒った表情で、叫ぶ。


「こいつはね、私の好きな人に告白されやがったの!しかもその人の告白を拒絶したのよ。犯罪よ!」

「ハハ、ただの嫉妬じゃないか」


 というか、このクズ女にそれだけの魅力がなかっただけの話だ。

 怒る理由が、全くもって分からない。


「それに犯罪をしたのは、お前の方だと思うが?」

「何よ、言ってみなさいよ」


 なんだこいつ、自分が何をしたかわかっていないのか。

 子供からやり直すことを推奨したい。


「俺らが借りていた部屋に侵入し、さらには奴隷として亜人を売ろうとした」

「だからなんなのよ。

 ……ふふ、いいわ。あなたと戦ってあげる。もし私に勝ったら、こいつを解放する。でもあなたが負けたら……」


 だが、それが一番手っ取り早いのかもしれない。

 クズ女だろうが、女を殴るのは抵抗があるが、仕方の無いことだ。


「いいぜ、だがその条件だとつまらない」

「なんだって?」

「俺が勝ったら、お前は牢獄行きだ」

「ふふ、私が負けるわけないから、いいわよ」


こいつ、馬鹿だな。

――牢獄にぶち込んでやる

 クズ女は、剣を構える。

とりあえず、どれくらいの実力か、

《真実の目》で覗かせて貰うとしよう。



 レベル:21

 HP:133

 MP:26

 攻撃力:54

 魔力:6

 防御力:30

 素早さ:14



 なるほど、俺よりレベルが高く攻撃力も、まぁまぁある。

 だがスキルが俺より圧倒的に少なかった。


「さぁ、いくわよ!」


 女が走ってきて、俺に剣を振ってくる。

 どうやら、本気で殺しにかかってきているようだ。


 だが俺はそれを簡単に避ける。

 俺は《真実の目》を獲得してから、自分のステータスとスキルをどう上手く使えば良いのかを 学んだ。

 こいつは、自分の能力を使いこなせていない。

 何回も剣を彼女は振るが、俺にはまったく当たらない。


「なんで、なんで当たらないの!」

「遅いんだよ、自分の実力をお前は十分に引き出せていない」


 俺はすごい勢いで睨まれている。

 おいおい、怖いからそんな目でみないでくれよ。

俺は魔法を唱える。


「《ウォータープレス》」


 数々の魔法を打ち続ける。


 気づけば彼女の体から血が少し出ていた。

 こいつはレベルが高い。だけど俺に勝つのは不可能だ。

 彼女が怪我をする前に、提案をしてみることにした。


「もう負けを認めたらどうだ?お前は俺に勝てない、それぐらいはお前の頭脳でもわかるだろ?」

「うるさい!《フレイムスラッシュ》(火炎切り)」

「《フリージングスラッシュ》(氷結斬り)」


 こいつはどうやら、短剣のメリットを忘れているようだ。

 俺はさらに左手にも短剣を持ち、彼女の腹部を刺す。


「グハッ!」


 彼女は倒れ込む。


「強い……一体何レベなんだ……」


 いや、お前より俺のレベルは低いぞ。

 心の中で俺はそう呟いた。


【経験値が350上昇】

【レベルが20に上がりました】

【スキルが強化されました】


 結構経験値が入ったな。

 スキルが強化、

 つまり今までよりもスキルの威力が強くなったということか。


「さてと、お前は牢獄行きだ。奴隷商人、悪いがこの子は返して貰うぞ」

「……そういう訳には行きませんね」

「何?」


 あっさり返してくれるものかと思っていたが、

 どうやらそういう訳には、いかないようだ。


「この亜人は特別です。簡単に手放すわけには行きません」

「ココのどこが特別なんだ?」

「単純ですよ、あなたでも分かります。彼女はめちゃくちゃ可愛い!数万年に1度に現れるかどうかぐらいの逸材です」


そう言いながら、そいつは両手を広げながら背中を反らす。


 うん。めちゃくちゃわかる。

 確かにココは可愛い。

 だが可哀想だとかいう気持ちは、湧かないのだろうか?


「ココを解放する気はないんだな」

「えぇ、一欠片もありませんよ」


 ニヤニヤと笑っている。

 じつに気味が悪い。

 試しに《真実の目》を使い、ステータスを覗いた。



 レベル:48

 HP:393

 MP:522

 攻撃:14

 魔力:133

 防御力:21

 素早さ:4

 スキル:闇魔法Aランクまで。



 闇魔法をAランクまで使えるのか?

 なぜそこまで強いやつが奴隷商人なんかやっているのだろうか?

 しかもレベルもかなり高い。

 戦ったとしても、こいつを倒せるわけがない。俺がもし死んだら、ココが本当に奴隷になってしまう。


 ――ならば、どうするべきか?


「もしや、わたくしと戦うとでも言うつもりですかね?」

「いんや違う、交渉しよう」

「ほほう?」

「何をお前にやれば、ココを返してくれるんだ?」


 ココは助けるためなら、

 俺はなんだってやる。

 それぐらい、覚悟をしていた。


「じゃあ、この店のお得意様になってください」

「え、なんだと。それだけでいいのか?」


 てっきりもっと難しいことを要求されるのかと思っていた。

 少し驚いた。


「ここは奴隷を売っているところではありますが、売っているのはそれだけでは無いです」


 周りを見渡すと、よく分からないような道具が結構置いてあった。

中には普通の剣なんかも置いてある。


「あなたにとって、悪い話じゃないと思いますが。どうです?」

「わかった、いいだろう」

「交渉成立ですね、ふっふっふっふ」


 相変わらず、気味の悪い笑い方だ。

 すると約束通り、ココが入っている檻の鍵を外してくれた。

 開いた瞬間走ってきて、泣きながら俺にギュッと抱きついてきた。


「ココ怖かった。もうココこんな思いしなくない」

「ハハ、お前やっぱ一人称ココなんだな」

「恥ずかしいです……」


 ココを取り返すことが出来て、本当に良かった。

 俺はほっとしながら、頭を撫でてやる。


「お前、これからどうするんだ?」

「わからないです。もうどうすればいいかわからないよ……」


この国にはいたくない、だからといって、この国の外には魔物がいるから出られないっていったところか。



「……なぁ、俺と旅をしよう」

「え」


 妹の顔が蘇る。

今ココを放って置いてしまったら、俺が後悔してしまう気がする。

 もう後悔なんてしなくない。

 同じ過ちを、繰り返したくない。

 ――だから。 


「俺と旅をして色んな物を見て、たくさん笑って、泣いて。辛いこともあると思うけど、それを一緒に乗り越えて。強くなろう」


 それを聞いて彼女は、

 泣きながら。しかし笑顔で

 こう言うのであった。


「はい、喜んで」

「面白い!」


「期待できそう!」


「やるやんこいつ」


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