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0班の弘中新一
3人編成となった0班は、3人で確率論の教科書を読み進めていた。
「こないだね、競馬を始めたのよ」
真琴は、教授が見ていないところで、無駄話を始める。
「へぇ、競馬ですか」
と、弘中新一が答えた。
彼は、0班のメンバーの一人であり、クラスのベルトイン男子の一人だ。クラスの中でも清潔な格好をしている部類に入るが、メガネ系男子である。
「一応、確率の勉強のためっていう目的なんだ。将来的には、統計学を使ってお金儲けをしたいからね。そのために少しずつ勉強を始めようと思ってね」
「そうなんですか。で、結果はどうだんたんですか?」
「いや、負けちゃった」
真琴はペロリと舌を出す。
「あら、それは残念でしたね。ちなみに、面白いんですか?」
「まぁまぁかな。今のところ勝ったことがないから面白さはわからないかな」
真琴は首をかしげた。
「そうですか、僕もちょっと興味があるんですよね。今度一緒に連れてってもらえません?」
新一は言う。
「うん、いいわよ。行こうよ」
真琴はそれに頷いた。