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初めてのレース
真琴は、馬券を握りしめてレースを観戦した。
賭けた馬たちが3着以内に入ってくれるのを祈るだけだ。
三連複だから順番はどうでもいい、選んだ3頭が3着以内に入ってくれさえすればいい。
しかしながら、真琴の期待に馬たちが答えるはずもなく、レースの結果は、7−4−3であった。
カスリもしない。
真琴は、外れた馬券をカバンにしまった。外れた馬券には何の価値もない。ただの初めてのレースの記念である。
真琴は家に帰ると、ベッドに放物線を描き倒れこんだ。
「あーあ、負けちやった」
真琴は枕に頭を埋めて、呟いた。
『真琴のレース収支;マイナス1000円』