30/51
確率論ゼミ1班
次の週の確率論の少人数ゼミ。
0班はついに真琴一人になった。新一もカオスも来なくなっていた。
一人で輪読はできないため、他の班と合併することになった。
真琴は1班に吸収合併された。0班は無くなった。一部の数学者が考える0は自然数という説が、棄却されたような気がする。
元々1班には3人残っていた。真琴を加えて、1班は4人の大所帯になった。
「じゃあ、これからよろしく。秋山さんも大変だね」
1班のメンバーの一人の神保哲二である。このクラスでは珍しい爽やか系の男子である。もちろんあだ名は、苗字からとって、ゴッドと呼ばれている。神のような天才かと言われると、そうではない。
「こちらこそ。よろしく。まぁ、途中でいなくなることはよくある話だし。大丈夫よ」
真琴は小さく笑顔を浮かべた。
0班の方が少し先に進んでいたため、真琴は同じところを繰り返し読むこととなった。新一とカオスとは割とおしゃべりしていたはずであったが。他の班の方が進んでいなかったとは。新一とカオスは意外と優秀だったのかもしれない。




