新一とカオスと競馬場(8)
確率論0班メンバーの秋山真琴、弘中新一と菊池嘉織好の3人はいつものように競馬場に来ている。
「今回は確か、秋山さんが1.6倍のオッズ以外では当たらないというジンクスを検証するんだっけ?」
カオスが言う。
「そうそう。じゃあさ、200円ずつ5頭の馬にかけるってのはどう? これなら、半分の確率で当たるじゃん」
「それいいね、さすがに50%を外したら、さすがに何かありそうだしね」
「だよね。それで行こうぜ」
新一は頷いた。
「おい、あんたら、何を勝手に決めているんだ? お金を出すのは誰だと思っているんだ?」
盛り上がる二人の後ろから真琴が言う。
「もちろん、秋山さんが出すんですよ。秋山さんのジンクスの検証ですもん、僕らがやっても検証にならないじゃないですか」と、カオス。
「私が言いたいのは、私がお金を出すのに、なんであんたたちが勝手に話を進めているのかを聞いているんだ」
「でも、この方法以外に何かいい方法あります?」
と、カオスは真琴に目をやる。
「いや、ない」
数秒考えた後、真琴は頷いた。
そして、真琴は、1.2倍、1.5倍、1.7倍、2.4倍、2.9倍の5頭を200円ずつ買う羽目になった。




