2/51
二十歳
真琴は昨日、二十歳の誕生日を迎えた。
連続的な時間軸の中では、昨日と今日は、何も変わらない。世界は何も変わらないし、真琴自身にも何の変化もない。しかし、人間が定めた法律の上では時間は非連続である。真琴は法律的には、今日から大人なのだ。
大人になってできることは多々ある。
特にアルコールは大学生活を楽しく過ごすための必需品である。未成年であることを理由にアルコールを避けて来た真琴は、今日からアルコールとうまく付き合っていかなければならない。大人として一つ面倒なことが増えた。
しかしながら、真琴がアルコールよりも気になっていることは他にある。
それは、賭け事だ。
賭け事と一口に言っても、世の中には多くの賭け事がある。馬から船、そして、数字を選ぶだけのもの、または、選択もなくただ運に任せるものまである。
真琴が気になっているのは、馬である。
馬のレースには、統計学的な解析手法が入り込む余地が多分にあるからだ。