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新一とカオスと競馬場（６）

　次のレースは菊池嘉織好（カオス）が賭けたディーポインパクトが走るレースである。

　カオスは、１０００円で単勝を買っていた。

　圧倒的なレース展開で、１番人気のディーポインパクトが１位に入った。ディーポインパクトは圧倒的な人気を誇っていたため、単勝のオッズは１．１倍だった。

「おい。１．１倍って。１００円しか増えないじゃん。当たるのは嬉しいんだけどさ。たったの１００円かよ」

　カオスがぼやく。

「まぁ、外れるよりいいよ。これが、カオスの初めての当たりじゃん。おめでとう」

　新一がカオスの肩をたたく。

「いや、まぁ、そうだけどさ、なんかちょっと素直に喜べないよ。今までいくら使ってきたんだよ」と、カオスはぼやき続ける。

「まぁまぁ、当たってよかったって思おうよ。おめでとう」

　真琴もカオスをなだめる。

「さぁ次は、新一の番だよ。３人全員勝てるといいね」

　真琴は新一に笑いかけた。