新一とカオスと競馬場(5)
秋山真琴は、馬券を握りしめてレースを観戦した。
真琴が賭けたナリタブラリアーンが1着に入ってくれるのを祈るだけだ。
レースは大きく荒れることもなく、1番人気のナリタブラリアーンが1着に入った。ナリタブラリアーンは真琴の期待にしっかり答えたのだ。
「わぁー、来たー。ナリタブラリアーーンが来たー」
真琴は大喜びで飛び跳ねる。
真琴のふくよかな胸がぽよぽよと振るえる。
新一とカオスはそれを凝視する。
「ちなみに、秋山さん、いくら当たったんですか?」
新一が聞く。
「1.6倍だから、1600円だよ」
真琴は笑顔である。
「あれ、それまた黄金比ですよ」
新一が茶化す。前回初めて当たった時も、1.6倍のオッズだったのだ。
「これは、もう。黄金比の女じゃないですか?」
カオスがさらに茶化す。
「そういえば、秋山さん、当たったんで。約束のあれやってくださいよ」
カオスは、真琴にむけて拍手をする。
「え、ああ、コホン。コホン」
真琴は軽く咳払いをする。
「私の計算は完璧よ、外れるわけがない。馬はサイコロを振らないのよ。そうよ私は、黄金比の女」
真琴は、右手で黒縁メガネをクイッとあげる。少しアレンジも加えてある。
「おぉー。かっこいいです、秋山さん」
新一とカオスは、二人で拍手をする。