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幼馴染に押し倒されて同居することになりました  作者: 『月猫』
青春の夏!(ただの日常編)
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「こんな青春な夏が来ていいのかよ!」No.9

「ここならきれいに見えそうだね!」


「ああ、でもなんでこうなった」


 俺は今絶体絶命のピンチに陥っている。


 遡ること数十分前。

 俺と蘭ちゃんは丘の上にある神社の境内へと向かっていた。


「ここなら知っている人も多くないしきれいに見られるぞ」


 あれ? 先客がいるみたいだ。

 未来と杏樹みたいな女の人だけどきっと人違いだろう。


「でさー、結局誘ってくれなかったよー」


「りゅーくんひどいわね、今日が花火大会って知らなかったのかな」


 頼む、俺とは違うりゅーくんさんであってくれ。

 

「あ、お姉ちゃん!」


 あ、終わった……

 見つかった……


「蘭にりゅ、りゅーくん!?」


「あ、つっくん」


「よ、よう 奇遇だな」


「ほんとにそうだね」


 うん、未来さん清々しいくらいの笑顔だ。

 お怒りモードだね、さてどうしよう。


「まあ、今は杏ちゃんたちもいるし何も言わないけど帰ったら話があるからね?」


「はい、すみません……」


 今はとりあえず少しでも機嫌を損ねないようにするだけだ。


「蘭にも話あるからね?」


「はーい……」


 杏樹も怒ってるみたいだ……

 蘭ちゃんごめん……

 



 そして今に至るというわけだ。


「まったく…… なんでこうなった……」


「うちの蘭がごめんなさいね」


「謝んなって、だいたい俺が今日のことを調べてなかったのがいけないんだし」


「それもそうね」


 そこ否定してほしいところなんだけど……



 ドォーン


「お、始まったみたいだぞ!」


「うわー、きれい……」


 空一面に花が咲いたかのように花火が打ちあがっている。

 まだ序盤とはいえ複数色のついたものやキャラクターのデザインのものなどとても豪華に感じる。

 ふと未来のほうへ目を向けると


「つっくん、今日のこと許してあげるから手、繋いでいい?」


「ああ、いいぞ」


 俺は迷うことなくそう答えた。

 断ったら何されるかわかったもんじゃないし、なにせ花火に照らされている未来がとてもきれいだと感じたからだ。


「つっくん……」


「未来……」


 俺たちは顔を合わせてゆっくりと距離を近づけていく。

 いい雰囲気だしここで初めてもありかな、と思っていたら頭の隅に嫌な予感がした。

 けれど、目をつぶった未来を見てそんな気も吹っ飛んでいった。

 あと、数センチ……



 パキッ



「「「「あ」」」」


 俺たちはびっくりして音のなった方を見る。

 そこには杏樹と蘭ちゃん、それに恋愛脳ゴリラと先輩がいた。

 ゴリラは動物園に帰りやがれ。


「えーと、邪魔する気はなかったのよ……」


「杏樹……」


「まあ、気にせず続けていいぞ 俺たちは花火見てるからよ」


「おいゴリラ、あとで話あるからな」


 どうせ雄二が主犯なんだろう。

 まったく…… 少しは俺にもいい思いさせてくれよ……


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