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幼馴染に押し倒されて同居することになりました  作者: 『月猫』
青春の夏!(ただの日常編)
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「こんな青春な夏が来ていいのかよ!」No.3

「ひまだよー」


 ソファーに溶けている未来が訴えてくる。

 そういえば今日は……


「夕方から出かけるぞ」


「え、いいの!?」


「涼みがてら小旅行だ」


 俺がこんなことを言うのには理由がある、が今は未来には伝えないでおこう。


「じゃあ、おしゃれしていかなきゃねー! ちょっと杏ちゃんのとこ行ってくるー!」


 杏樹の家で何をするかは知らんが早めに帰ってきてほしいい。


「じゃあ、三時には帰って来いよー」


「あいあいさー!」


 さて、俺も準備するか。

 夕方から行こうと思っているのは江の島だ、この時期は確かあれがやっているはずだからな。

 俺も甚平でも着ていこうかな。




 「ただいまー!」


「おう、おかえ」


 玄関に立っている未来は浴衣を着ていた。

 

「一体杏樹のところで何をしていたんだ……?」


「杏ちゃんに浴衣借りちゃった」


 杏樹って着付けもできるのか……

 あいつほんとに何でもできるんだな……


「ちゃんと感謝しとけよ、浴衣着てるだけでもらえるサービスもあるんだから」


「え、どこ行く気なの?」


「江の島だな」


「えー! 先に言ってよー!」


「まあ、涼みに行くくらいだから」


 本当の理由はちゃんとしたタイミングで言おう。

 まあ、それが目的だしな。


「じゃあ、暗くなる前に出発しよっか!」


「ああ、そうだな」


 まだ三時過ぎだが向こうに着けばちょうどいいだろう。




 一時間ほど電車に乗り、日が沈まないうちに江の島に着いた。


「うー」


「言わせないぞ、駅前なんだから静かにしろー」


「はーい」


 いつもの海コールを言う前に止めれてよかった……

 ここで叫ばれるのも困る。


「ところで江の島に来たけど何をするの?」


「それは日が沈んでからのお楽しみだ」


「気になるなー」


「まあ、我慢しろ」


 きっと未来にとっても嬉しいことだろう、それにおばさんたちにもな。


「そうは言うけどもう日は傾いてきてるよ?」


 思ったより早く日が沈み始めてきていて空はきれいに茜色に染まっていた。

 あんまり時間がないな。


「未来、展望台に行こうか」


「う、うん」


 未来は何でそこに行くのか分からず少し警戒している。


「周り見てみろ、だいたい察しはつくだろ?」


 いよいよもうすぐということもあって俺たち以外にも浴衣や甚平を着ている人が多くいる。

 俺らも着替えてきて正解だったな。


「そうだ、途中で何か食べるもの買って行こう」


 結構ゆっくりする予定だからな。


「じゃあ、お饅頭でも買って行こ!」


「未来が食べたいなら買って行くか」


 俺は近くの和菓子屋に入った。

 最初は饅頭を二つ買うつもりだったが、あることを思い出して俺は饅頭を四つ買った。


「あれ? なんで四つ?」


 疑問に思ったのか未来が聞いてくる。


「まあ、そのうちわかるよ」


 そう、そのうちな。

 俺にとっても未来にとっても大事な日なんだから。


 あ、出会って何周年的なやつじゃないぞ。

 もっと大事にしなきゃいけないことだ。


女の子と夜に出かけたいものですね……

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