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幼馴染に押し倒されて同居することになりました  作者: 『月猫』
青春の夏!(ただの日常編)
49/84

「こんな青春な夏が来ていいのかよ!」No.1

 すっかり梅雨も終わり、なんなら台風1号がお天気ニュースで流れ始める季節になった。

 

「つっくーん、暑いよー」


 なのにどうして梅雨が明けたタイミングでクーラーが壊れるんだ!?

 いくらなんでも急すぎるだろ!


「つっくーん? 今日の気温32度だってー」


 まだ7月の中盤だぞ……

 修理の電話をしてもどの会社も休みばっかで嫌になる。

 だいたいなんでこの時期を休みにするんだ!? 買い替えろってか!?


「つっくーん、さっきから独り言がすごいよー」


「え? 全部声に出てたか?」


「それはもう大きな声でしたよー」


「暑さのせいだな」


 もうそういうしかないだろ。


「なあ未来、どこかに涼みにいかないかー?」


「外出るのは嫌だけどクーラーがある場所なら行くー」


「じゃあ行くか」


 さすがに家で蒸し焼きになるのも嫌だしとりあえずモールの家電売り場にでも行くか。




 「うはー! 涼しいー!」


 うん、天国かな?

 モールに入ってすぐも涼しかったのだが家電売り場に入るや否やクーラーたちが出迎えてくれた。


「つっくん! もう安いのでいいから買って行こう!」


「落ち着け未来! ちゃんと値段を見たのか!?」


「げ! こんだけのお金あったら一か月食べていけるよ……」


 どうしたものか、毎日ここに来るわけにもいかないし……

 かといって買うほどのお金も持ってないしな、やっぱり母さんたちに連絡してお金を送ってもらおうかな。


「つっくん、私決めたよ」


 キリッとした表情で未来が言う。


「ど、どうしたんだ?」


「私買うよ! このクーラー!」


 未来が指さしたのは今年発売したばっかりの自動で人に風を送ってくれる高性能のやつだった。

 暑さで頭がやられたのか!? 


「生活費から出すのは無理でも私個人が出す分にはいいでしょ?」


 未来自身のお金ってことは前の家の頃からの貯金とバイト代だけだろ!?

 そんなかわいそうなことは男として見過ごせない……


「ちょっと待て未来! さすがに全部出してもらうのは男として許せない! 俺も半分出す!」


 こんな時のためにお年玉は毎年貯金してるんでな!


「つっくん…… いいの?」


「もちろんだ! 俺も黙って蒸し焼きにされるのは御免だからな!」





 「8畳用設置費込みで12万円になります」


「い、一括で……」


 これで何か月食っていけるか……

 さようなら俺のお年玉……


「学生さんなのに一括なんて凄いわね……」


 ショートカットの明るそうな店員さんが話しかけてきた。


「あはは…… 正直ギリギリです……」


「あ、そうだ! ちょっと待っててね!」


 ん? なんだ?

 急に裏の扉に行っちゃったけどどうしたんだろう。




「お待たせしました! 今お宅にクーラーってありますか?」


「は、はい 壊れてますがあります」


「なら下取りで2万円引きにさせていただきます!」


 なんだって!? 2万円も引いてくれるのか!?


「あ、ありがとうございます!」


「いえいえー」


 なんて優しい店員さんなんだろう、たぶん下取りなんてチラシとかがないとやってくれないサービスなのに……


「つっくん、長かったけどどうだった?」


「なんとな! 2万円引きになったぞ!」


 俺は興奮気味に未来に伝えた。


「に、2万円!? すごいね!」


「だろ? 優しい店員さんに出会えて良かったよ」


 これでやっと快適に今年の夏を乗り越えることができるな。

 

「開隆さーん、こちら設置の時に必要になる書類ですので紛失のないようお願いしますね」


「はい! わざわざありがとうございます」


 さて、工事の日はっと


「一週間後じゃねえかあああああああああ」


 まだまだ暑い日は続きそうです……

 

夏 いいですねぇ

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