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「こんな非日常があっていいのかよ!」No.16

「つっくんー、家から出たくないよー」


「買い物どーすっかなー」


 外は大ぶりの雨が降っている。

 あのモールの件から一週間たちラノベも進んできたと思ったら梅雨入りしやがった。

 おかげで書く気力どころか何もしたくない、という域までに至っていた。


「なんか出前でも頼むか?」


 こんな雨の中、外になんか出たくない……


「じゃあ、私のバイト先に頼んでみない?」


 たしか蕎麦屋だったよな、ちょうどいいな。


「電話お願いできるか?」


「うんっ!」


 早速未来は電話をかけ始めた。

 さて、邪魔しないように退散しますか。


「あ、つっくーん 何がいい?」


 かっこよく部屋に戻ろうとしてたのに止められた……

 あー、恥ずかしい。


「未来のおすすめで」


「りょーかーい」


 まあ、ちゃんとした店だし未来に頼んでもはずれはないだろう。

 配達までの時間、暇だな。

 しょうがない、締め切りも近いし書き進めるか。



 

 「……くーん つっくーん」


「んあ?」


「あ、やっと起きたー!」


 あれもしかして寝ちゃってた?


「今何時だ?」


「今はねー、四時だよ?」


 結構がっつり寝ちゃってたのか……

 待てよ、蕎麦はどうした!?


「未来はご飯食べたのか?」


「うんっ! お腹いっぱい食べたよー」


 あれ? 俺の分は?


「つっくんのは冷蔵庫に入ってるよー」


「おい待て、蕎麦だったら悲しいくらい伸びてないか?」


 それを食べるのはあんまり……


「電話してるときにやっぱり決められなくてつっくんに聞きに行ったらもう寝ちゃってたからかつ丼にしたよ? ご飯ものだけど良かった?」


「未来はできる嫁だな……」


「え、プロポ」


「違うぞ」


 なんかこのやり取りも慣れてきたな……

 それにしてもありがたい、何気蕎麦屋とかのかつ丼ってダシがおいしかったりするんだよな。


「今食べていいか?」


「もう夕飯だね、ちょっと分けてよ?」


「ああ、いいぞ 気を使ってくれたお礼だ」


 書き進めるはずが爆睡しちゃってたんだよなあ、明日から学校だし徹夜で書こうかな……




 「つっくん! あーんして?」


「急に何言いだすんだ!?」


 考え事してたのに! 心臓止まるかと思ったわ!


「だって、今書いてるのラブコメなんでしょ? だったらこういうシーンとか必要じゃない?」


「ごもっともです、でもいいのか?」


「つっくんならいつでもおーけー!」


 その言葉いただきました! じゃなくてこれってほんとにやっていいやつなの?


「じゃ、じゃあいくぞ あーん」


「あぁーん」


 なんで今変な声出したの!? それとも俺の勘違い!? 


「んー! やっぱおいしー!」


 勘違いルートっぽい、良かった……


「じゃあ次は私の番だね、はいあーん」


「え!? 俺もやるのか!?」


「もちろん! ほら口開けて」


 ええい! ままよ!


「あ、あーん」


 うまい、こっちはあり余りで作った未来の手料理のはずだがめちゃくちゃうまい!


「おいしいでしょー、隠し味に愛を入れてみましたー!」


 ん? 

 俺はここで違和感を覚えた。

 普段未来ってこんなこと言うっけ? いつもは普通に喜ぶくらいなんだが今日はなんというか色っぽい……

 

「なあ未来、誰に入れ知恵された?」


「……佐藤さん」


 あんの耳年増め! あとで小説について教えてもらう代わりに説教してやる。


「未来、佐藤さんの言ったことは忘れろ…… 俺は普段の未来のほうが好きだぞ……」


「やっぱりそれってプロ」


「違う」


 せっかく静かな休日だったのに……

 まあいいか、明日からまたあの恋愛脳ゴリラとかと会うんだからな




まだまだ続きます

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