「こんな非日常があっていいのかよ!」No.14
「ラブコメを教えてくれるって言葉じゃないんですね……」
週末になりいつものモールに佐藤さんと未来とで来ていた。
未来が機嫌悪そうなのはなるべく気にしないようにしよう……
「そりゃあ、実体験に勝てるものはないよ?」
ごもっともなんだが未来とイチャつくにしても佐藤さんがいる前でってことだしな……
うう、恥ずすぎるだろ。
「まあそんな固くならずにいつも通りでねー」
「無茶ですよ……」
「ふんっ」
相変わらず未来もご立腹だし……
「じゃあ、最初はお買い物でもしよっか!」
「もうどうにでもなれ……」
「つっくーん、がんばれー」
「非力な男子はモテないぞー」
なんで俺荷物持ちなの?
てか、なんで佐藤さんまで買い物してるの?
「買い物多すぎませんか……?」
「女の子はそういうもんよ」
「そーだよつっくん! 乙女心を理解しないとラブコメは書けないよ?」
「うっ…… わかったよ……」
絶対取材以外に欲しいもの買ってるだろ……
「よし、ここはもういいかなー」
さらに荷物を増やしてきたがもう終わりなら良かった。
「次は上の階だー!」
「もう休ましてー!」
こうして取材という名のただの買い物があと三時間続いた……
「お疲れさまー、色々と助かったよー」
「そりゃどーも」
「ありゃ、すねちゃったか」
そりゃそうだろ、四時間近く荷物持ちだけだったんだからな。
「もー、つっくん元気出して? ね?」
はあ、なんでこんなかわいいんだよ……
「わかったよ…… それでこの後どうするんです?」
「最後はやっぱりあれしかないでしょ!」
なんかまた佐藤さんが何か企んでる顔してるな……
「下着売り場じゃないですかー!」
「さあ、紗月君! この中から未来ちゃんに似合うと思うものを選びたまえ!」
急にそんなこと言われたってどうすればいいんだよ……
うう、周りからの視線が痛い……
「み、未来 好きなの選んでいいから俺は店の外で待ってるな」
「え…… 別に選んでくれても良かったのに……」
なんで少し乗り気なんだよ!
こっちの身にもなってくれ……
「ほらほら紗月君、選ばないとどんどん居づらくなっていくよ?」
たしかに店員さんもソワソワしてきているな、早くしないと通報されそうなくらいだ……
こうなりゃしょうがない! 秒で選んでやる!
「ちゃんと似合いそうなの選んでね?」
最悪だ…… 適当に選んで逃げるはずだったのに……
「よし、これなんてどうだ?」
しょうがないから恥を忍んでちゃんと選んでやった。
俺が未来に差し出したのは上下白のデザインもシンプルなものだ。
白とかないわーとか思った奴、ぶん殴るぞ。
「じゃあ未来ちゃん、試着してみよっか!」
「え、そんないいですって」
こんな時まで俺に気を使ってくれるなんて……
ありがとう未来。
「いちいち脱ぎ着するのめんどくさいですもん」
あとでお説教だな。
「まあまあそう言わず着てみなってー」
「むー」
そう言いながら二人は試着スペースに入っていった。
あれ? この状況やばくない?
男子高校生が女性用下着の店に一人でいるんだよ?
「あの……」
「は、はい!」
振り返っても誰もいない。
気のせいか?
「ここですここー!」
下を向くとそこにはちっこいのがいた。
正しくは先輩なんだが。
「せ、先輩! どうしたんですかこんな場所で!?」
「紗月君がどうしたのだよ!? なんでこんなところにいるの!?」
「えっと…… 俺は事情がありまして……」
「と、とりあえずお店出よ!」
先輩に手を引かれ俺はやっと店から出ることができた。
先輩と俺は店の近くのマッサージチェアに座ることにした。
無事に二時投稿することができました!
一難去ってまた一難、次はどんな「難」に巻き込まれるのでしょうか?
お楽しみに!




