「こんな非日常があっていいのかよ!」No.12
あっという間に二週間がたちいよいよ小説バトルの投票結果の公開日となった。
なんでこんな日まで学校に行かなくちゃなんないんだよ……
「つっくん! 結果どうだっ」
「静かに」
とっさに未来の口に手を当ててよかった……
不思議そうに首を傾けているので小声で教えてやった。
「結果なんて言って雄二に聞かれたらどうするんだ? それと結果がホームページに載るのはあと30分だからな」
口をふさがれたまんまの未来はふんふんと首を縦に振っている。
わかったみたいで良かった……
「なんか呼ばれた気がしたんだが呼んだか?」
「あっちいけ」
「やっぱ俺の扱いひどくないか!?」
そりゃな、恋愛脳は嫌われるだろ。
「まあ、いいとして前に雄二が言っていた小説何とかってやつは投票したのか?」
「小説バトルな、俺は海竜に投票したぜ! やけに俺らと似た感じで親近感があってな!」
まず先生をつけろよ…… あとそこまで読んで気づかないのかよ……
「そうか、やっぱバカだな」
「てめ、ちょっと表出ろや」
「もう授業始まるぞ」
もう予鈴が鳴っている、そこまで考えていたからな。
偶然なんかじゃないからな! ほんとに!
「ちっ! あとで空き教室来い」
絶対行くもんか、と言いたいところだが雄二が呼び出すなんてどうしたんだ?
きっと何かがあるのかもしれないな、仕方ない忘れてなければ行ってやるか。
よし、休み時間だ。
早速サイトを開いてみると。
「やったー!」
なんだ? 俺じゃないぞ?
「つっくんやったね!」
ネタバレかよ……
そう思いサイトを開いてみると
「準大賞じゃねーか!」
普通大賞かと思うだろ!
「なあ未来、二位ってすごいか?」
「うん! すごいよ!」
俺は机に突っ伏した。
はあー、泣きそう。
売れない底辺物書きだったのにな、今や新人大会準大賞なんだもんな。
「未来帰りに好きなもん買ってやる」
「なんでも!?」
「ああ」
この際だ、ちょっとと高くても許してやろう。
あ、雄二のこと忘れかけてた。
「雄二ー、いるかー?」
「ここにいるぞー」
なんで掃除道具入れのロッカーにいるんだよ……
「俺帰っていいか?」
「じゃあその前に助けてくれー、なんか内側から開けらんないからさ」
じゃあなんで入ったんだよ……
「ふうー、外の空気うめー!」
「で、なんだ? 俺を呼び出すって相当なことなんだろ?」
「察しが速くて助かる、実は……」
「なるほど、先輩が浮気してるかもってことなんだな?」
「ああ、昨日見ちゃってよ……」
「兄弟とか親戚とかじゃないのか?」
「先輩は兄弟いないし、たぶん親戚でもない」
そうなるとやっぱり浮気なのか……
雄二とはすごい仲良さそうなんだけどな……
「わかった、その辺のこと調べてみるな」
「頼んだぞ、なるべく俺は普通に接しておくからな」
なんかこういうのかっこいいな、探偵みたいで。
プルルルルルル
お? 編集さんからだ。
「もしもし、海竜です」
「あ、海竜先生! やりましたね! おめでとうございます!」
「ありがとうございます! まさか準大賞なんて取れると思いませんでしたよ!」
「あれ? えっと、サイト見直してみてください」
ん? なんでだ?
そう思いながらもパソコンでサイトを開いてみる。
すると
『先ほど表示が間違っていたので修正しました、申し訳ありません』
と書いてあり、なんと受賞作品の欄には
『大賞 いつもそこにいる 海竜』
嘘だろ……?
「これほんとですか?」
「もちろんです! おめでとうございます!」
まだ理解が追い付かない。
準がつかないだけでこんなにも違うものなのか……?
投稿が遅くなってすみません……
最近家の近くの土手に走りに行くのがマイブームでして……
まあ、そんなことは置いといて紗月君はなんと大賞を取ってしまいました!
これから忙しくなりそうですねぇ、うらやましいです……
そんなこんなで次回をお楽しみに!