「雄二 男を見せる!」
「でもなあ、一人で行けって言われても初対面なわけだしな……」
紗月が用事があるからと一人で三年の教室に向かっているんだが、緊張するな……
「失礼します、舞先輩はいらっしゃいますか?」
「いるよー、ちょっと待ってねー」
と三年生の先輩に廊下で待たされる。
なんだこれ、心臓の鼓動がすげえ早え。 痛いくらいだ。
「は、初めまして! 雄二くんであってる?」
来た、俺の天使様。 このトテトテとした歩き方とダボダボの制服がまたかわいい!
俺はロリコンじゃないからな、可愛らしいものが好きなんだ。
「はい! あってます! これから少し話しませんか?」
「よ、喜んで!」
うん、かわいい。 最高だ。
俺たちは空き教室ではなく学校の近くのカフェに行くことにした。
空き教室は紗月がいる可能性があるからな、あいつ以外にモテるし。 もしかして用事ってまさか……
いや、違うか、もしそうなら明日ぶん殴ってやる。
「ね、ねえ。 雄二くんってサッカー部なんだよね!」
「そうですよー、俺はフォワードやってます!」
そうだぞ、俺は紗月と違ってバリバリの運動部だ! せっかく学校に来てるのに運動しないとか人間やめてるぞあいつ。
「前の大会行ったんだけどね! 雄二くんすごくかっこよかったよ!」
「見ててくれたんですか!?」
もちろん知っている、観客席の中で必死に応援してくれていた。 そのせいで惚れたんだからな。
キモイとか言うなよ、本気で応援してくれたのに惹かれたんだから。
「うんっ! すごい一生懸命で輝いてた!」
嬉しすぎるぞ。
「先輩こそ吹奏楽部の演奏凄い良かったですよ!」
「えっ、見てたの? 恥ずかしい……」
なんだこのかわいい生き物……
そろそろ本題に入るか。
「突然なんですが先輩は今彼氏とかいますか?」
「い、いないよ!」
よし、玉砕覚悟で行くか。
「俺は先輩のことが好きなん」
「ちょっとまって!」
これは…… 終わったやつか……
「そこから先は私に言わせて!」
「えっ!」
どういうことだ? そこから先?
「私は一目見た時から雄二くんが好きでした! もしよければ付き合ってください!」
おいおい嘘だろ、まさか紗月の言っていた自信を持てってそういうことだったのか!
「俺なんかでよければぜひ!」
「これから末永くよろしくねっ! 雄二くんっ!」
「こちらこそよろしくです!」
やったぞ! 人生初彼女だ! こんな嬉しい日は初めてだ!
「あの…… お客様……」
「「す、すみませんっ!」」
先輩とお別れしてから買い物でもしようとスーパーに行くと紗月と未来が仲良さそうにカートを押していた。
なんだ? 一緒にスーパーで買い物なんて、同居でもしてるのか?
まあいいや! 俺だって二、三年後には同居くらいしてやる! とにかく最高の気分だ!
今は邪魔しちゃ悪いし、明日紗月に報告しなくちゃな!
ついに雄二と先輩がくっつきましたね!
これが書けて良かったです!
さて、今日だけで六話も書いてしまうとは思ってもませんでした!
次からは本編に戻りますがちょこちょこ出てくる雄二たちもよろしくお願いします!




