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ここはどこ?

はじめまして

気まぐれに書き始めたもので不備が多いと思います

生温かい目で読んでくれると嬉しいな

(確か初めてのデートに向かってたはずだよなあ…)


 俺は開けた空間で途方に暮れていた。

 駅から人通りの多い歩道を歩いて待ち合わせ場所に向かっている途中、突然前方から車のヘッドライトのような強烈な光を当てられ目がくらんだ。しばらく佇んで視力が戻ったら周りの景色が一変していたのだ。

 何で駅前通りが殺風景になってんだ?

 その開かれた空間は、足元が乱雑な石畳の広場だった。

 周囲に建物はなく、どうやら丘の上の草原の一角みたいだが詳しいことは歩いてみないとね。

 とりあえず周りを見渡して分かったことはここにいるのが俺一人ではないということだ。

 俺以外に4人ほど人らしき存在がいた。

 ざっと見てみると

 一人はちょんまげを結ったお侍さん。洒落た着流しを着て腰には二振りの刀を下げている。風貌は若いころの里見浩太朗さんに似てるかなあ。品があるがどことなく剣呑な雰囲気がある。

 一人はカーキ色っぽいロングコートを羽織った長身で体格のいい男の人。短髪で顔の左半分が金属のような感じになってる。無表情で微動だにしない。

 一人は何とシレーヌさんだ。あれ?知らないかな妖鳥シレーヌさんですよ、デビルマンと死闘を繰り広げた女性デーモンですってこれ、伏せ字の方がいいのかな?頭部が猛禽のような白く大きな翼になっていて額から細い羽根が2本生えてます。肩がむき出しになった丈の短いワンピースを着ており、ひざ下がこれも猛禽のような足になっていて鋭い鉤爪が怖い。シレーヌさんと違ってむき出しの肩や上腕、太ももはふわふわした羽毛でおおわれている。触ってみたいなあ。顔はうりざね型の美人さん。切れ長の目で凛としている。

 つい見惚れていると俺の視線に気づいたのかシレーヌさんが振り向いた。

 (やべっ。初対面の女性に失礼だったかな。怒らせちゃったかなあ)

 と汗をかいていたら、シレーヌさんは大人の微笑を返してきた。

 (大人の女性は余裕があるなあ)

 俺はへらへらと鼻の下を伸ばして軽く会釈した。

 さて残り一人は…

 仮面ラ〇ダー?

 その頭部はスズメバチをディフォルメして仮面ライダーのヘルメットにしたような感じだった。目は大きな複眼で口は実物のような鋭い顎でなくちょっと牙の伸びた口っぽい。後頭部がなびいた鬣のような感じでカッコいいな。ちなみに色はオレンジがかった落ち着いた黄色。襟を立てたダブルのライダースジャケットのような上着になめし皮のようなパンツをはいている。マフラーかロングフカーフ似合いそうだがあいにく着用していないので、もし仲良くなれたらつけてほしいなあなんて思ってしまう。

 (それにしても…)

 改めて周りを見渡してみる。

 (非現実的だなあ…突然知らない場所にいるなんて。これってラノベでやたらあふれてる異世界召喚ってやつなのか?)

 まさかそんなことが現実に起こるなんてありえないと思いながら、そうなら自分が強化されてたりゲームのようなコマンドウィンドウが開くかなと思い集中してみるがウィンドウなど一向に現れず、跳んだり腕を回したり石畳を叩いてみても特に自分の体に変わった様子はないし、石畳も自分が知ってる感触そのままだった。

 ん?何か変な空気を感じて周りを見ると、4人の視線が突き刺さっていた。

 (やべ、人がいたんだっけ)

 どうやら急に変な動きを始めた俺を訝しんだらしい。

「い、いやさあ、突然変なとこに飛ばされたみたいで、体がちゃんと動くか心配だったし、ここが実在してるのかちょっとたしかめたくなってさ」

 苦しい言い訳かなあと思ったけど、納得してくれたのか4人が各々体を動かし始めた。

「それにしてもここはどこなのでござろうな」

 お侍さんが俺たちを見ながらそう声をかけてきた。

 おお、渋い声だ。千葉真一さんに酷似している。里見浩太朗さんの顔で千葉真一さんの声。時代劇好きの俺にはたまらないね。

「うむ。俺の世界にこのような場所は存在しない」

 半面金属さんが答えた。ちょっと機械の合成音っぽい若々しい声だ。

「全員の姿が違うってことは自分たちが住んでいる世界とは違うってことかしら」

 ああシレーヌさんは声も美しい。透き通ったちょっと高めで聞きほれてしまう。もしかしたら魅了(チャーム)の効果があるのかもしれない。機会があったら訊いてみようかな。

「夢かはたまた妖怪の仕業ではござらんだろうな」

「違う世界など聞いたこともない」

「子供に聞かせる物語にそういうのがあるけど、現実ではないわね」

 俺の世界だってそんなの空想の産物であって、実際に異世界があるなんて実証されてはいない。

「そうなのか?私の世界では異世界との接触に成功しているが?」

 何ですと!

 仮面ラ〇ダーさんの言葉に驚いて振り向くと、他の3人も彼に驚きの視線を向けていた。

「と言っても異世界に移動することは実現していない。あくまで交信と小物の交換ぐらいだな」

 仮面ラ〇ダーさんは大したことではないといった感じだが、ラノベでその手の話に触れてる俺でさえビックリなのだから、3人には荒唐無稽で理解できないだろう。

「ふむ。異世界の存在はやはり非常識なものなのか。まあ我々の世界でもまだ疑念を持たれてるくらいだからな。君はあまり驚いてないようだが、君の世界では認知されてるのか?」

 仮面ラ〇ダーさんが俺を見てきた。と思う。複眼だとどこ見てるか分からないなあ。

「い、いえ。俺の世界でも異世界の存在なんて信じられていませんよ」

「ほう、その割には落ち着いてるように見えるがのう」

 お侍さんが顎をさすりながら視線を向けてくる。

「存在は確認されてないけど、俺の世界でも別世界が存在するラノベ…じゃない空想物語がいっぱいありますから」

「そうか。じゃあ少なからず異世界と接触してるのは私の世界だけということか」

 声のトーンが何となく寂しそうだがホントのとこは分からないか。

「う~ん…全員分からない場所でむやみに動くのも危険かしら」

「だからといっていつまでもここにいるわけにもいくまい」

 ゆっくりと周りを眺めるシレーヌさんにジッとしたまま半面金属さんが答える。

「とりあえず人がいそうなとこを探して…」

 と言いかけて仮面ラ〇ダーさんが一点を凝視する。

 何かあったのかなと思っていると三人も仮面ラ〇ダーさんと同じ方向を向いて一点を真顔で見つめている。

 俺もその方向に視線を向けるけど何も見えない。遠くに森が広がってるのが見えるくらいだ。

 4人は何かを発見して警戒モードに入ったみたいだけど、俺だけ何も分からない。

 やめて~俺だけ置いてかないで~

 


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