第五話
「というわけでデーモンを呼び出してみよう。」
大事だ。何しろ唯一使える魔法だ、気になるに決まっている。
「そうですね!私も主様の属性、気になります!」
可愛い。なでなで。
「デーモン、出てきてくれ。」
「お呼びでしょうか、ご主人様。」
おぉ、凄いまともな人が出てきた。
黒いタキシードのような服を着ていて何を考えているのか分からないような目。老人の姿だったがとても様になっている。少し意外だ。
「お話は伺っております。ご主人様は執事のようなものが欲しいと仰っていたそうなのでこの様な姿になっています。申し遅れましたが私はデーモンのハイルと申します。以後お見知りおきを。」
「へぇ、よろしくね。ところで聞きたいことがあるんだけど…」
「属性の事ですよね、存じております。」
えっ…この人もエスパーなの?うそん。
「私はエスパーなどではありませんよ?ご主人様の従魔は今同じところに集まっております。そして各々あなたを見ていますよ。召喚される事が待ちきれない者、ご主人様を見定めている者、様々です。ですが安心して下さい少なくとも皆今の所は好印象のようですね。もちろん私も含めてです。」
もうここまで来るとプライバシー?何それ?美味しいの?の領域である。
「ちなみにデーモンを動かすためには何をさせるのにも必ず対価が必要です。私に不可能な事はほとんどありません。つまり今こうしていることにも対価は発生している訳です。これは期待料でのサービスです。今後も余程の事ではない限り対価は要求しません。まぁそんな事要求しようものなら皆あなたを見限りますがね。精々私を楽しませて下さい。期待してますよ。」
最後にハイルは不敵に笑う。
怖いけど、かっこいいなこの人は。
「さて、属性の話に戻りましょう。まぁご主人様の属性は大体わかりますがね。確信するために一度触らせて下さい。」
そう言って翔の胸に触る。
「魔力というものは血と同じ様に体中を巡っていると考えられています。そしてその魔力が集まってくる場所も血と同じく心臓と考えられています。………やはりご主人様、あなたの属性ばですね…」
「………」
「無属性、そして使える魔法は結界魔法1つのみですね。稀に見る属性です。主属性4つのうちどれにも属さない属性、無属性。ご主人が使う事のできる結界魔法他には空間魔法や時間魔法、身近なものでいうと生活魔法の中にも無属性の魔法はあったりします。亅
「……………なぁ、ハイル。お前達がいたら簡単に国滅びるよな?」
「? まぁそうですね。Sランク1体でもいればすぐにとはいきませんが滅びるでしょうね。」
「………」
俺は気づいてしまったよ。
結界魔法っていうのはおそらく防御の為の結界を応用ひて貼ったりとか、そんな感じだよな。けど俺の魔力はとてつもなく少ないらしい。貼れる結界もおそらく自分1人、しかも応用なんて効かないだろう。そして俺の従魔達は国を相手にできるほど強いと言う。と言うことは…
俺の魔法完全にゴミ箱行きじゃねぇか。
本日2回目
泣いた。
筆者も家に欲しい…