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フルカワ先生の,よくわかる(?)歴史講座  作者: Phoenix
第二次世界大戦
1/2

ヨーロッパ戦線

登場人物:

フルカワ先生:歴史の教師.以下「先生」

ミユキ:女子生徒.

ヒロシ:男子生徒.




先生:「今日は『第二次世界大戦』をテーマに講義していきます.二人ともよろしく.」


ミユキ:「はーい.」


ヒロシ:「よろしくお願いします.」


先生:「じゃあ2人に質問.第二次世界大戦は,どことどこの戦いでしょうか?」


ミユキ:「そんなのわかるよー.日本とアメリカでしょ?」


先生:「・・・まあそうなんだけど,日本とアメリカしか戦ってないのかな?」


ヒロシ:「確か,日本とドイツとイタリアがチームになって,アメリカとかイギリスとかと戦ったんじゃなかったでしたっけ?」


先生:「まあ大体正解かな.」


ミユキ:「ヒロシ君かしこーい.よく覚えてたねそんなこと.」


ヒロシ:「あ,ありがとう.でも先生,大体正解ってどういうことですか?」


先生:「それはこれから話す.日本・ドイツ・イタリアのことを『枢軸国(すうじくこく)』,アメリカとかイギリスとかのことを『連合国(れんごうこく)』といったりするんだけど,枢軸国にも連合国にも味方しない『中立国』という立場の国がたくさんいたんだ.ただその中立国は枢軸国と連合国の戦いに巻き込まれて占領されたりして,敵味方が入れ替わったりすることもあるんだけどね.」


ミユキ&ヒロシ:「へえー.」


先生:「さて次の質問,その枢軸国のうち,日本・ドイツ・イタリアはそれぞれどこにあるでしょうか?」


ミユキ:「日本はアジアで,ドイツとイギリスはヨーロッパでしょ?」


先生:「正解.」


ミユキ:「やったー!今度こそ正解した.よかったー.」


先生:「おめでとう.枢軸国はアジアとヨーロッパに分かれていた.つまり,第二次世界大戦はアジアとヨーロッパの2か所で戦っていたことになるんだ.難しい言葉を使うと,日本がいるアジアでの戦いは『太平洋戦線』,ドイツとイタリアがいるヨーロッパでの戦いは『ヨーロッパ戦線』と呼ばれる.第二次世界大戦は太平洋戦線とヨーロッパ戦線に分かれている,といえるんだ.まずここは押さえておいてほしい.」


ミユキ:「太平洋戦線とヨーロッパ戦線ね.わかった.」


先生:「次に戦いの流れについて説明します.超ざっくり説明すると,『初めは枢軸国が優勢だったんだけど,後から連合国に巻き返されて,最終的には負けた』ってことになるんだ.これも覚えておいてほしい.そうすればこれからの説明が少しわかりやすくなるだろうから.」


ヒロシ:「日本も空襲とか原爆とかあって負けたんですよね.」


先生:「そうだね.ご存知の通り.じゃあまずはヨーロッパ戦線のほうから説明していきます.」


先生:「第二次世界大戦が始まったのは1939年の9月1日,ドイツがポーランドに西から侵攻したことから始まったんだ.これを受けてイギリスとフランスはドイツに宣戦布告した.つまりドイツとイギリス・フランスチームによる戦いが始まったってことだ.約2週間後の17日には,ソビエト連邦,略してソ連,今のロシアもドイツの反対側,つまり東からポーランドに攻めてきた.」


ミユキ:「えー,ポーランドかわいそう・・・.」


ヒロシ:「なんでポーランドはドイツとソ連に攻められたんですか?」


先生:「ドイツはその前に第一次世界大戦で負けたから,ベルサイユ条約で賠償金を払わなくてはならなくなったんだ.そのせいでドイツの経済は大混乱に陥った.そこに現れたのが,かの悪名高きアドルフ・ヒトラーだ.彼は一党独裁によってドイツの支配者となったのち,生存権の拡大という名目でポーランドを攻めるよう命令を下したんだ.

ソ連の場合,当時ドイツと『独ソ不可侵条約』を結んでいた.ドイツとソ連をお互い攻撃しないようにしましょうというお約束だ.そしてそのお約束には,『お互いの利益を損ねない範囲なら,何をやっても許してあげましょう』という秘密の約束も入っていたんだ.だからソ連もポーランドを攻めてきたんだ.」


ミユキ:「ポーランドがますますかわいそうになってきた・・・.」


先生:「ポーランドは結局ドイツとソ連によって分割占領されるんだけどね.その後,ソ連はフィンランドとバルト三国にも攻めてきた.とくに,ソ連はフィンランドを攻めたがために,当時の国際連盟から追放されたんだ.」


ミユキ:「ソ連も結構ひどいことやってんじゃん!え,でもバルト三国ってなに?」


先生:「さて,何でしょう?」


ミユキ:「え・・・ここでクイズ?全然わかんない.」


先生:「ヒロシくんはわかりますか?」


ヒロシ:「えーと,エストニア,ラトビア,リトアニアでしたっけ?」


先生:「正解です.」


ミユキ:「わー,やっぱヒロシくん頭いいわー.私なんてそんな名前全然知らなかったもん.」


先生:「これを機に覚えてね.さて,ドイツはこの後ノルウェー,デンマーク,ベルギー,オランダ,ルクセンブルク,そしてフランスにも攻め入り,あっという間に占領してしまった.周りの国を一気に平らげてしまったんだ.」


ミユキ:「ドイツってすごく強かったんだね.怖いわー.」


先生:「特にフランスが敗色濃厚になったときには,イタリアもドイツの勢いに便乗する形で,参戦したんだ.開戦の翌年1940年6月のことだ.」


ヒロシ:「イタリアって,確かムッソリーニって人がいませんでしたっけ?」


先生:「よく知ってるね.本名はベニート・ムッソリーニ.当時のイタリアの支配者だ.彼はドイツのヒトラーと同じく一党独裁によって絶大な権力を持っていた.言ってみればヒトラーのイタリアバージョンだな.イタリアは1940年9月27日,自分と似た者同士のドイツと,そして当時日中戦争の最中だった日本と同盟を結んだんだ.これを日独伊三国同盟という.ただ・・・.」


ミユキ:「ただ・・・?」


先生:「イタリアはドイツほどはそんなに強くなかったんだ.事前の準備が足りないまま,エジプトやギリシャを攻めようとしたんだけど,イギリス海軍の夜間爆撃やギリシャの抵抗にあって,失敗に終わったんだ.むしろ逆にイギリスから攻められる羽目になった.ドイツの足を引っ張る形でね.」


ミユキ:「何それ,ださっ!」


先生:「実はドイツも,フランスを落とした後から勢いが少し弱まっていたんだ.フランス陥落後,ドイツは海峡の向こうにあるイギリスに上陸する為に,爆撃機を飛ばしてイギリス国内を爆撃した.しかしイギリス空軍との激しい空中戦に遭い,大きな損害を被った.結局,ドイツはイギリスへの上陸を中止し,今度はソ連に狙いを定めたんだ.」


ヒロシ:「イギリスも頑張ったんですね.よかったですね.ドイツに落とされなくて.」


先生:「そうだね.イギリスはドイツの爆撃機を待ち伏せしてイギリス空軍を出したらしいからね.ちなみに,オランダ,ベルギーなど,ドイツに占領された国の政府もイギリスに亡命していたらしいよ.そういう人たちからしても,助かったって感じだろうね.」


ミユキ&ヒロシ:「へぇー.」


先生:「さて,さっきも言ったように,イギリスへの上陸に失敗したドイツは,今度はソ連に狙いを定めます.そして,ドイツからソ連までの間にあるユーゴスラビア,ギリシャ,ハンガリー,ルーマニアなどの国々を次々と飲み込んでいきます.また,ソ連に攻めこまれたフィンランドやバルト三国もドイツに加担していきます.」


ミユキ:「ソ連に復讐してやろうってことね.でも,さっきのヒロシ君の質問に対して先生が答えてたけど,『どくそなんとか・・・』って約束はどうなったの?ドイツとソ連は戦わないんじゃなかったの?」


先生:「独ソ不可侵条約ね.あれはドイツが一方的に破ったんだ.もともとドイツとソ連はそんなに仲良いわけじゃなかったし.」


ミユキ:「そんなにあっさり約束破れるの!?ひどくない?」


先生:「まあ,歴史上で見ても,国のお偉いさんが何かの口実で条約や約束を破るなんてのはよくある話だったからね.今に始まったことじゃない.」


ミユキ:「へぇー,政治家って結構えげつないことするのね・・・.」


先生:「そうはいえるかもね.さて,話を戻そう.ドイツは今までたくさんの国を占領して,仲間につけてきました.そのおかげでドイツはヨーロッパの中で巨大な勢力をもって,1941年6月にソ連との戦いを始めました.そのソ連に対してもドイツは連戦連勝.10月中頃にはついにソ連の首都モスクワまであと一歩というところまで迫ってきました.ソ連は大ピンチです.」


ミユキ:「えー,やばくない?ま,ポーランドとかフィンランドとかに手を出して国際連盟から追い出されたんだから,あたしは同情しないけどね.」


先生:「しかし,ドイツはモスクワを占領することはできませんでした.それどころかソ連に逆転されて150km以上撃退されてしまいます.ボッコボコにやられてしまいました.」


ミユキ:「えー!?なんで!?」


ヒロシ:「イギリスにつづいてソ連にも一泡吹かされたわけですか.」


先生:「そうだね.ドイツがソ連にあと一歩でやられた理由はいろいろあって,まず雨が降って地面が泥まみれになって足取りが悪くなり,スピードが落ちたから.あとはソ連本土の厳しい寒さに耐えられなかったから.あとはソ連のほうでも強力な戦車やロケット砲を用意していて,それで苦戦する羽目になった.まあいろいろな要因が重なって,ドイツ軍の大敗北につながったわけだね.」


ミユキ:「ソ連は自分の土地や天気を味方につけたってことね・・・.さすが雪国.」


先生:「モスクワを逃したドイツは,1942年8月23日,モスクワの南東にあるスターリングラードという都市に侵攻し,これを占領した.理由としてはソ連の物資輸送路を断ち,食料や武器弾薬がソ連軍にいきわたらないようにして,戦力低下を狙ったからだ.」


ミユキ:「スターリングラードってなんか聞いたことない?」


ヒロシ:「なんか映画のタイトルだったような気がする・・・.」


先生:「よく知ってるね.そのスターリングラードの戦いは映画にもなったんだ,なぜならそれは第二次世界大戦の中でも最大規模の戦い,そしてヨーロッパ戦線における大きな転換点(ターニングポイント)になったからだ.ドイツはここでもソ連にフルボッコにされてしまった.なぜなら厳しい寒さの中で戦わざるを得なかったからだ.」


ミユキ:「あちゃー.ドイツってホント寒さに弱いのね・・・.」


先生:「というよりも,極寒の気候と,それに耐えられるソ連の兵士たちとのコンビネーションが優れていたといったほうがいいかな.勝ったソ連が勢いづいていき,負けたドイツは一気に劣勢に立たされた.形成は逆転した.ドイツは占領していた国をどんどんソ連に取られていき,どんどん後ろに下がっていった.イギリスとアメリカもソ連と一緒にドイツたち枢軸国を一気に攻め立てていった.そして,ドイツの仲間だったイタリアが降伏した.1943年9月8日のことだ.」


ミユキ:「あ,イタリア,すっかり存在忘れてた.」


先生:「まあ,イタリアは負けが込んでいて,ずっとドイツの足を引っ張っていた状態だったからね,ソ連・イギリス率いる連合国にイタリアが降伏した1週間後,『イタリア社会共和国』という国が樹立された.しかしこの国は実質ドイツの傀儡政権,つまり操り人形に過ぎなかった.イタリアはドイツに取り込まれてしまったのさ.」


ヒロシ:「よくアニメでありますけど,敵方のボスキャラが,しくじった部下を殺して自分自身の中に吸収してしまう,みたいなシーンありますけど,あれみたいなものなんでしょうか?」


先生:「ちょうどそんな感じかもしれないね.ただドイツがイタリアを取り込んだからといって戦局が変わるわけでもない.1944年6月6日,ドイツの支配下にあったフランスの北西部・ノルマンディー地方に,アメリカ・イギリスをはじめとする連合軍が上陸した.これが有名なノルマンディー上陸作戦だ.上陸以降,連合軍はフランス,オランダ,ベルギーをドイツの支配下から解放し,とうとうドイツ本来の国土にまで押し寄せてきた.1945年4月末,度重なる敗北を受け,大戦の元凶ヒトラーは自殺,1週間後の5月7日,ドイツはついに降伏した.」


ミユキ:「最初はあんなイケイケドンドンだったのに・・・.」


ヒロシ:「おごれるものは久しからず・・・ってことか.」


先生:「以上が第二次世界大戦,ヨーロッパ戦線の歴史です.次は日本が戦った太平洋戦線について勉強していきます.まあ結論を言ってしまえば日本もドイツと似たような道をたどったことになるんだけどね.」


ミユキ:「ああー,今まで聞いてたけどすごく疲れたー.覚えることマジ多すぎー.」


ヒロシ:「僕も正直きついっす・・・.」


ミユキ:「あれー,さすがのヒロシ君でもお手上げー?」


先生:「まあ,今の内容を全部一日で覚えろなんて言わない.僕自身も第二次世界大戦について勉強するのに結構日にちかかったし,今でもまだわからないことも多いんだ.じっくり時間をかけて理解してくれ.じゃ,今日はお疲れ.また今度.」


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