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夢の続きと彼女の始まり

はい、最近忙しくて死にそうな八重花さんです。

いや、遅れたのはほんとに申し訳ないんですが最近リアルが忙しすぎてすみません。

今後もこう言うことがあるかと思いますが何卒よろしくお願いします。

〜〜サリエンテ視点〜〜


夢を見ていた。とても、とても遠い夢。

別にその思い出に何かがあったわけじゃなかった。

むしろどこの家庭でもあるようなごく普通の生活の中の何気のない会話だった。


そこには私が今ではいなくなってしまった父の膝に乗せられていた。


「なぁ、サリエンテ」

「なぁに?お父さん?」


私がそう言うと父はとても穏やかな顔をしていたような気がする。そしてそこに母の存在はない。


母は体が弱かったらしく私を産んだ後そのまま息を引き取ったらしい。そのため父は私を1人で育てるために冒険者として働いていた。


父は普通の人より強かったから本来ならBランクになれるくらいの人材だった。しかし、私が居たためあまり家を空けられずCランクで止まっていた。


「サリエンテは大きくなったら何になりたいんだい?」

「うーん…わかんない!」


私が元気よくそう返すと父は「それもそうか」といいながら苦笑をしながら幼い私の頭を撫でていた。

きっとそれが嬉しかったのだろう。幼い私は満面の笑みを浮かべながら頭をコテンと振りながら鼻歌を歌っている。

その光景は正しく幸せな家族そのものの光景と言えるような美しいものだった。


「そうか。…なぁ、サリエンテ」

「なぁ〜にお父さん?」

「剣だけは握らないでくれよ」


そう言った時のお父さんの顔はどこまでも真剣でどこか怯えたようだったことを私は今でも覚えている。


「お父さんはどこにも行かないよね?」

「あぁ、もちろん。ずっと一緒だよ」


お父さんはそう言って笑顔で私の頭を髪がくしゃくしゃになるくらい撫でてくれた。そして…












そしてそれから1週間後、お父さんは行方不明になった。


「お、おどうざぁん。なんで…なん、でぇ。やく…ぞくした、のに。ずっとい、一緒だっで!」


その時の私は悲しくて、ひたすら悲しくて泣いた。だけど、後から考えるとおかしなことに気がついた。

お父さんは私がいるせいでランクが上がらず近場のCランクまでのクエストしか受けれないはずだ。

そしてその頃Bランク以上のモンスターなんて近場で確認すらされていなかった。


そして、そもそもお父さんはクエストなんて受けてなかった。

だから私は冒険者になると決めた。少しでもお父さんがいなくなった理由を知りたくて。


「お父さん…絶対私が見つけ出して見せるから!」


そうだ、私はこの時そう決意をして剣を握ったのだった。


そこで目が覚めた。知らない天井だった。私では到底泊まることのできないであろう高級宿であるということはすぐに理解できた。


「私はなんでここに…あ!私あの人と手合わせしてそれで、気絶したんだ」


自分がどうして倒れていたのかを思いだし自然と「ここがあの人の泊まっている宿なんだなぁ〜」と思いながら少しぼ〜としていると不意にドアが開いて特徴的な仮面をつけたあの人が現れる。


「おやまぁ随分もよく寝ていたけどいい夢は見られたかい?」

「いい夢…ではなかったですね」

「そりゃ失礼したね」


そう言ってケタケタと笑う。私はこの人が苦手だ。

別にそれは訓練が厳しいからとかそういうわけではなくよくわらない人だから。

今だって笑っているように聞こえるがどこか嘘くさい。まるで何か別の感情を隠しているようなそんな感じがするのだ。


「あぁ、君の宿なんて知らないから適当にここに放り込んだがお金の心配はしなくていいよ。はなから君がそんなにお金がないことなんて分かりきっていたからね」


そういうと師匠は身を翻しドアの外へと少し歩くとこちらに顔だけを向けた。


「ほら行くよ?まさかあの程度で今日動けないとでも言うつもりかい?」


嘲笑をするかのようにそう言われる。それはわかりやすいほどの挑発。私をやる気にするための


「当たり前じゃん!」


そう言って私は自分にかかっていた布団跳ね飛ばし立ち上がった。そんな私を見て師匠はまたまたけらけらと笑うと少し顔から下の方を見た。


「君にそういう趣味があるか知らないが来るにしても準備してからきてくれよ」


そう言ってドアの外へ出た師匠を見送った後に自分の現状を見た。そこには何も纏わず生まれた姿で佇む私の姿があった。


「きゃぁぁぁぁーーーーーーー!」


そのあとその部屋が防音出なければ宿中に響くであろう甲高い悲鳴が上がったのはたぶん、言うまでもないだろう。

そのあと着替えた私はむくれながら食事の席についていた。理由は言うまでもなく先ほどの県が理由だ。

そもそもとして寝ているときに服を脱いでしまう癖のある私が悪いと言うことは分かっているが女子の部屋に勝手に入ってくる方もどうかと思う。


「何をむくれているんだい?別に見られたからと言って減るものというわけでもなかろう。」

「そう言うもんじゃないだよ!貴方の見られたせいで私の乙女心はおおいに傷つけられたんだよ!」

「そうかい、とりあえず冒険者になるんだったら乙女心なんて捨てておけ。そんなものなんの役にも立たん。」


どうやら師匠にはそう言った感情がないようだ。もう何を言っても無駄だと言うことを察した私は少し急ぎ目に食事を終わらせた。

食事が終わると私は昨日と同じ訓練場へと連れてこられた。


「それじゃあ。今から私流の修行を始めようか」


そう言った師匠の手には私訓練ようの木刀ではなく、一本の真剣が握られていた。

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