ピエロと少女
皆様……本当にすみませんでした‼︎‼︎‼︎‼︎
いや〜私自身ここまで遅くなるとは予想外でした。
シンガポール行ったり、マレーシア行ったり、知り合いのネット小説の手伝いをしていたらいつの間にか三ヶ月以上経っていました。
これからは毎週日曜日に投稿することにする予定なのでどうぞご容赦ください!
あれから何分が経っただろうか。少なくとも5分が経った頃に少年は顔を上げ私の瞳を真っ直ぐと見据える。そしてフニャリと顔を緩めて再び恥ずかしそうに笑う。
一瞬この子は本当は女の子何じゃないか?という真面目に思ってしまうが、すぐにそんな思考を追いやり頭を優しく撫でる。
髪はふんわりと柔らかくまるで女の子の髪の毛に触れているかのように錯覚してしまうくらいだ。
「そういえばお姉さん?」
「ん?なんだね?少年。」
「さっきから気になっていたんですが―――――――――――
僕、女ですよ?」
その瞬間私の中の時間が止まった。それとともに罪悪感と気まずさが心の底から沸き上がり、思わず目を逸らしてしまった。
「あはは。気にしなくても大丈夫ですよ♪もう、慣れましたから…」
そう言ってはいるが、気を使ってるのが丸分かりで余計にこちらの罪悪感が高まる。それが演技ならいいのだが、その表情はどこまでも自然体でありそのような要素が一切ない。
もしこれで演技なのだとしたら立派な暗殺者になることも可能だろう。まぁあくまでそうだった場合の話だが。
私の失言から数分がたっだろうかそんな頃、本来の目的を思い出した私は未だに虚ろな目をしている受付嬢の目の前で1度手を叩く。
すると先程からどんな声を聞こうと無反応だったはずの受付嬢の瞳に生気が宿りまるで寝起きかのように今にも閉じそうな状態で周りを見渡す。
そして最後に私たちの方に顔を向けると先程まで眠そうだったのが嘘のように見開かれ、覚醒した頭で現状を理解したのか今度はすごい速度で周りを見渡しここがどこか完全に理解すると顔を真っ赤にして両手で顔を覆ってしまう。
それとほぼ同じ頃先程まで物音1つしなかった冒険者ギルドは先程の光景では想像も出来ないような賑やかさを取り戻していた。
「お~い。え~り~か~さ~ん?パーティー申請したいのですが?」
「あっは、はい!分かりまひた。こ、こちらにパーティーを結成するリーダーの名前、職業そしてランクをお書き下さい。そしてこちらにも同様にパーティーに加入する人の名前に職業そしてランクをお書き下さい。その後にパーティー名をご記入してい、頂けばパーティー申請か、完了です。(よ、よかったぁ~。一応噛みながらも言うことが出来た。)」
受付嬢は何度も噛みながらも説明を無事終えると思わず安堵の息を吐き、小声ではあるがそう言葉を漏らした。
聞こえてはいたが別に悪口でも何んでもなかったため、何事も無かったかのように振る舞いながらスラスラと記入欄を埋めていく。
そして書き終わり、彼もどれくらい書いたのか確認しようと隣を見てみるとそこには驚愕の表情で固まっている。
そして少年ではなく少女は周りが見えていないのか、「おーい」と呼びかけても、顔の目の前で手を振っても反応が返ってこなかった。
このままじゃいつまでもパーティー申請が終わらないから少年の肩を揺すろうと一瞬思ったが、その驚いた表情が可愛らしく久しく忘れていた幸福感のようなものが溢れてくる。
私が彼女を泣かせるのに、私が彼女を壊すのに私が彼女を呪いをかれるのにそんな資格はないと自覚しながらも思わず考えてしまう。願ってしまう。
私はそんな愚かな自分の考えを誤魔化すように指で顔についている仮面に触れながら無理やり誰にも、彼女にさえ見えない仮面の下で微笑む。
「ほらほら~少年じゃなかった。少女よ、そんなにぼ~としていないで書きたまえ。それではいつ経っても私とパーティーを組めじゃないか。」
私がそう言いながらパーティー申請用の紙を『コンッコンッ』と叩くと彼女は弾かれたように顔を勢いよく上げてこちらに詰め寄ってくる。
「あ、あの!め、メリザさんって物凄く有名な冒険者なんです...か?」
少女がいきなり詰め寄ってくるから何事かと思っていると少女は最初の方は興奮しているのかかなり大きな声で言っていたが、最後の方になると冷静になって恥ずかしくなったのか超えがしぼんでいた。
そんな少女に苦笑を浮かべつつ彼女の両肩に手を置き座るように促すと先程の勢いはどこにいったのか、酷く恥ずかしそうに頬を赤くしながら席に据わった。
「そうだね~。私が有名人かどうか、君はそれが聞きたいんだよね?」
「えっと、その……はい…」
興奮していたためか彼女は落ち着きがなく返事も先程のことが尾を引き、恥ずかしそうに手で顔を覆い指の隙間から目を覗かせながら返事をする。
「そうだね~?じゃあ聞くけど君の言う凄い人ってなにかな?」
「えっ?」
いつまでもここにいる訳にもいかないので手でパーティー申請用紙を書くことを促しながらそう問うと彼女は素っ頓狂な声を上げる。
「私はね、自分がすごい人なんて思ってないんだよ。私より凄い人なんて現実とても多くて中にはそんな才能を腐らせている子さえいると思ってる。だから私は一度そんな子を冒険者に誘ったんだけどなんて言われたと思う?」
「からかわれていると思って怒ったんじゃないですか?」
私はこの予想を聞きクスリと笑う。確かに今考えるとそう言われてもしょうがないと思った。
「いや?そんなことはなかったよ?彼は私の言葉を信じてくれた。」
「じゃあなんて言ったんですか?」
「『そんな力よりたった一人の大切な人を救える力が欲しかった』って言っていたよ。まぁ冒険者になることで叶えられないならきっと不治の病か、はたまた呪いの類なんだろうね。」
私が気楽に、ケラケラとしながらそう言う。聞き方に寄れば馬鹿にしているように感じられるかもしれない言動で私がそう言うと彼女の目に変化が訪れた。
その目は軽蔑の目だ。きっとこの子は純粋に人助けをしたくて冒険者になったのだろう。きっとその不屈の精神があったからこそ、嘲笑されようと、蔑まれようと、罵倒されようと立ち向かい続けられたのだろう。
そして私は彼女の書き終わった書類と私の書類を受付嬢に渡し、登録をするために姿を消したタイミングでこう切り出す。
「君は、なんのためにここに…………………冒険者として立ったんだい?
彼女の心を………………
折るために。
最近思ったけど主人公の最凶要素全然なくね?って思い始ました(~_~;)




