ピエロは奇行に走る
今回はかなり短めです。次回からは1万文字…嘘です。五千文字を目処に書いていきます。戦闘の場合はもっと長くなる可能性もありますがその場合はできる限り分けて書こうと思っています。
誤字の報告があったため直しました。
私は目の前にいる兵士を1人、また1人と切り伏せていく。いつから人を切り始めたのかいつからそのことを生きがいにするようになったは分からない……だけど。
これだけは言える。これだけは私の中で唯一確かであり今ある最もある感情だ。どんな形であったとしても私の行いで人を嗤わせる。そんな狂った私こと『イャーソー・ローコ・エパリャーソ』の始まりを教えよう。
あれは確か2年半前、私は田舎に住んでいた。そこにはたくさんの幸せがあった。幼馴染の女の子「カナリア」。本来平民に名前以外名乗ることは認めてられていないが私は特別だ。
私とカナリアは仲良しだった。お互いがお互いを好きあっていたし、そんな毎日が続く、そうあの時はそんな下らないことを思っていた。
「ねぇエリクはどんな称号が貰えると思う?」
「俺か?俺わな~…。カナリアを守れる称号がいいな。」
そういい彼はにこやかに笑う。すると、その言葉を聞いた女の子は顔を真っ赤にして俯かせる。
「そ、そういう不意打ちは卑怯だよ…」
「ん?俺なんか変な事言ったか?」
「もう、知らない!」
そう言って恥ずかしくなったカナリアは走って教会へと行ってしまう。
「お、おい。一緒に行くんじゃないのかよ!」
そう言って少年も先程の少女の後を追う。この国では15歳から成人で15歳になると教会で称号の「鑑定」が行われる。しかしながら物事と言うのは必ず例外が存在する。
その例外とは剣聖、聖女、賢者などだ。彼ら、彼女らは代替わり(前任者の死亡)の際に受け継げられる(別に血縁とかは関係ない)。
「お主の称号は…どう、け、し?」
だけど世界というのは非情だ。道化師、それが私こと少年の称号だった。その時私は酷く落ち込んだ。同時に一瞬カナリアもあまり良くない称号だったらと考えてしまった…。
だからこれはそんな醜い私への罰だったのだろう。だってカナリアの称号は…
「お主の称号は、剣聖じゃ。」
そうこの時から歯車は軋み出した。私の世界が崩れだした。私という一人の人間か崩れ始めた。
その後は皆様が考える通りカナリアは勇者とともに魔王を倒す旅へ向かった。勇者は想像通りのイケメンではあったが女たらしでもあった。しかしながら一つだけ違うことがあった。それは、
「私リヒトと歩むことにしたから。」
私はそう言われた。別に分かっていた。手紙がだんだんとリヒト大好きに変わっていたことなんて読んでいれば誰でも分かることだ。だというのに私の心は…
「それは良かったじゃないか。これで君は幸せに暮らせるね。話はそれだけかい?なら私は失礼しようかな。」
そう言って私は平然とその場を後にした。だって仕方ないじゃないか。私の心は…何も、感じなかったんだから。
そして私は村を出た。その時かららしい。私が、笑顔以外浮かべなくなったのは…。そして私は今まで暮らして「ラクシオン聖王国」から離れ、「テレシオン帝国」へと渡った。
それからは私は道化師として毎日を過ごしていた。そして17歳の今でも道化師として過ごしている。道化師の朝は早い。私は称号のおかげで中身を用意する必要はないがバレると面倒なので用意しているように振る舞う他なかった。
そして今日も準備の真似事をしようとベットからはい上がり部屋の外へと出ると何やら騒がしかった。よく状況が分からず近くにいた人に聞いてみた。
「あの、何かあったんですか?」
「お前さん知らないのかい?何でも帝国がラクシオン聖王国に戦争を仕掛けるらしいよ。それで今軍人を募ってるって話だよ。」
「ラクシオン聖王国…ですか。教えてくれてありがとうございます。」
「ところで君はこの件どうおも、あれ?さっきまでそこにいたのに…」
話を聞いた私は早速軍へと向かった。軍に来てみたがやはりあまり募集人数は集まっていなかった。まぁそれもそのはずだ。魔王は一年前に勇者に討ち取られた。そしてラクシオン聖王国はその勇者とそのパーティー、つまり剣聖、聖女、賢者を抱えている。そんな化け物共と戦おうというのだ。皆嫌に決まっている。
それに帝国の軍は全員が全員エリート揃いだ。そんな中何の試験もなく入れるわけもなく、
「あの~?軍人を募集していると聞いて来たのですが?」
「分かりました。名前と年齢、称号を教えて下さい。」
「イャーソー・ローコ・エパリャーソ17歳、道化師です。」
「道化師ですか?それにその名前…」
「偽名じゃないですよ?確かに昔の名前とは違いますがちゃんと許可をとって改名していますから。なんなら確認してもらっても大丈夫ですよ?」
私がそういうと恐らく軍人の受付さん?的な人が訝しげな視線を向けながらも書類を書いてくれた。私はそれを受け取ると異様なことにすでに採用の印が押されていた。
「?なんで既に採用なんですか?本来は何らかの実技試験とかあるはずじゃないんですか?」
「貴方のせいで大切な軍人を一人失うわけにはいきませんからね。」
「そんな言い方しないでくださいよ。それじゃまるで私が殺戮魔みたいじゃないですか。」
そう言って私はケラケラと笑う。だがそうすると目の前の軍人さんはますます不機嫌になる。私としては笑って欲しいのになかなか上手くいかないものですね~。
「そんなことより将軍殿がお呼びなので早く行ってください。」
「道化師としてはあまり納得いかないこともあるけど仕方ないかぁ~。」
そして私は歩み始める。後ろを振り返らず前に進むわけでもなく立ち止まったままだったピエロがついに嗤いながら崩壊の歌を奏でる。
受付嬢サイド
将軍が言っていたようにあのピエロを名乗る男は再び軍に来た。彼の容姿は普通だ。黒の髪に黒い目、服装に関しては少し妙だけど。黒の礼装に黒いマントに変な杖を持っている。彼は2年前にここに来た―――――――――――
王族を襲った盗賊団の死体を引きずりながら
主人公案外狂ってる。後分からないと思いますが主人公はふたつの自己紹介を実はしてます?まぁ間違ってる可能性もありますが…
まぁこれからも書いていきますので楽しんでもらえたらなって思います♪