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VRMMOの剣聖  作者: オレンジジュース
1章 戦争イベント
7/19

7話 イベント2日目

日刊ランキング16位に入りました!

皆さまありがとうございます!

引き続き毎日投稿出来るように頑張ります

 眼が覚めると朝日がちょうど上っているころで、習慣となっている素振りに取り組んだ


「そう言えばゲームの中でするのは初めてだな」

「なーにが初めてだって?」

「朝の素振りだよ」

「なんだ、気付いてたのか」


 そう言って少し残念そうにしてるのはロータスだ


「そういえば昨日で作戦は決まったのか?」

「ああ、大体はな」

「大体って?」

「報告があってな、昨日俺たちが居た杉の木あるだろ?そこから東に進むと不自然な広場があるんだよ。そこをどうするか決まってないな」

「不自然な広場ってそんなに大事なことなのか?魔法の撃ち合いでそうなったとかじゃなくて?」

「前回のイベントでも似たような場所があってその時は大量のモンスターが出て大変だったんだよ……」

「へぇー、モンスターぐらいなら何とかなりそうだけどな」


 すると、ロータスは待ってましたという顔して此方の両肩に手を載せイケメンスマイルで悪魔的な事をいった


「だよな!じゃあそこウィンに任せるわ!ちゃんとあと5人つけてやるから安心しろって!いやー引き受けてくれて助かったわー」

「お、おい……」

「じゃあ俺は戻るわ!あっ!もしかしたらガルムの奴らも来るかもしれないから気をつけてなぁー!」


 そう言い残し拠点の中に入っていった




 ♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎


「今日の作戦は昨日と比べて真面目だからよく聞いてね!まず、先行部隊が真ん中の杉の木まだ行きそこを仮拠点化する。そこを本隊が補給地点として徐々に占領範囲を広げてく。相手の方が人数多いから取り返されても文句なし!目的は敵の分散だからね。そして後方部隊が本隊に合流して各自敵を撃破。勢い余っちゃって旗、盗ってきていいからね?

 最後に、ウィン君!ロータス君から聞いてると思うけどよろしくね!メンバーは拠点防衛組から好きな人選んで良いから、それじゃあ今日にでも旗、ぶんどって勝つわよー!」

『オォー!!』

「なんだか自分だけ説明雑じゃ無いか?」

「まあまあリリーさんだからしゃーねぇさ」


 話しかけて来たのは昨日会ったサスケさんだった

 そのサスケさんから思わぬ提案を受ける


「俺今日ちょっと()()使って防衛組に入ったんだけど、どーよ?」

「そんな堂々とコテ使ったとか言います?まあ、でも素直に助かるのでお願いしますね」

「素直でよろしい!後の4人決まってるのか?」

「いえそれが全く見当もつかないくて……」

「じゃあ普段俺が組んでるパーティーメンバー4人に入って貰うか?」

「パーティーって5人なんですか?」

「いや?いつもは6人だぞ?」

「……よくそんな都合よく防衛組になって、しかも4人だけいましたね?」

「ああ、こんな偶然ってあるんだな」

「もしかして昨日襲って来たのも関係あったりします?」

「まっさかー!そんなことあるわけねぇじゃねーか!」

「まあ、良いですけど。じゃあ今日はよろしくお願いしますね」

「おう!任せろ!」


 そう自信満々にいうサスケさんを見てなんだか少し気が楽になった気がした。思ってたよりプレッシャーとか掛かっていたんだろうか?そんなことを考えていたらサスケさんが4人を紹介すると言ったのでついて行く。着いてった先に居たのは忍者の格好をした4人組……そこにサスケさんが入り5人組がいた。


「紹介するな。左から服部半蔵、風魔小太郎、ダンゾウ、三太夫だ。もう1人が長門だ。パーティー名は〈伊賀忍軍〉だ!いずれはギルドを立てようとおもっている」

「ウィンといいます。今日はよろしくお願いします」

「おぉー!貴殿がウィン殿か!拙者は服部半蔵と申す。気軽に半蔵とでも呼んで欲しいでござる」

「半蔵さんは今回なぜ協力してくれるのですか?」

「なーに、サスケ殿がウィン殿を気に入ったと申していたからでござるよ」

「サスケさんは人望が厚いんですね」

「元々〈伊賀忍軍〉を作り、拙者達に声をかけてくださったのがサスケ殿でごさるからな」

「おーい!そろそろ行くぞ!」


 少し照れてる様子のサスケさんを走って追いかける




 ♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎


「ふぅー。昨日より会うモンスターの数が違うな。ガルムの連中も増えてるし」

「そういえば、前回のイベント時に大量のモンスターが出たって聞いたんですかそれって何のためです?」

「ロータスのやつ大事な所言ってなかったのか。何箇所か不自然な場所があってなそこに出てくるモンスターには貢献度ポイントが高めでそこでより多くのポイントを稼いだ国がそこを保有する事が出来て、そこに何かしらのアイテムが出現するんだよ。3日間のイベントだから前回は初日で全て出現したはずなんだが、今回は2日目の今もモンスターが出てないからな……何があるか分からないから気をつけろよ?」

「わかりました。アイテムってどんなのなんです?」

「場所の広さとモンスターの質や量によってまちまちだな。ちょっとした所だと、ポーション詰め合わせとかで、前で一番凄かった所は攻城戦用の移動櫓とかだったな」

「移動櫓って……それでどうなったんです?」

「それは相手がゲットしたんだがヤバかったよ。築いた防壁と同じ高さから攻撃されて、しかもそれを使って防壁の上に登ってきたりしてな」

「よく、引き分けになりましたね?」

「何とか移動櫓を壊して、みんなで防衛だったよ。っとそろそろ着くぞ」


 行く途中にこちらに来るモンスター達を倒しつつ目的の場所についた

 そこは森の中にポツンと広がっている広場で草木が一本も生えてない

 すると、


「サスケ殿、小太郎殿が向こう側にプレイヤーの姿を確認したと報告があったでござる」

「詳しい人数が分かれば得意の奇襲攻撃が出来るんだがな……」

「自分が囮として真っ正面から近づくので、その隙に皆さんが背後に向かい挟撃、と言うのはどうでしょう?」

「しかし、それじゃあお前さんの負担が大きいぞ?大丈夫なのか?」

「ええ。いざとなったら逃げるので大丈夫ですよ」


 笑いながらそう返すと、


「じゃあそれで行こう!30秒後に決行だ!」


 そう言ってサスケさん達は森に紛れていった。

 さて、ああは言ったものの一番大事なのは最初だ。遠距離攻撃をどう躱すか、そこでアイテムボックスに入っていた物を思い出した。

 そろそろ時間かな?そう思い広場にゆっくりと歩み出す。

 すると、案の定魔法や矢がこちらに向かって飛んで来た。そこで、アイテムボックスからを()()を取り出す。これは朝、素振りをしている時に見つけたもので邪魔だったのでしまっていたものだ。7メートルは越すであろう大木に身を潜める。ちなみにアイテムボックスには入られるサイズと重量が決まっている。多分先ほど話に出てきた移動櫓が精一杯だろう。

 10秒後ぐらいに止み、次に悲鳴が聞こえてくる。大木は燃え盛っているので水属性魔法のレインという魔法を使い雨を降らし火を消す。

 これは放置していたら煙で援軍が来るかもしれないと思っての行動だ。

 すると、5人の人影が見えてきた。


「終わったぞ」

「早かったですね。怪我とかは大丈夫でしたか?」

「ポーション使ったから大丈夫だ。っと、ウィン、本番が来たぞ!」


 見てみると広場の中心に魔法陣がキラキラと光っており、そこからモンスター達が続々と出てきた。

 しばらく倒し続けるとサスケさんが、


「妙だな……モンスターが少ないな。ここは激しくなると思ったんだが……」


 そんな所に少人数でやったのかと、心の中でロータスに毒づいていると、今までとは比べ物にならないほどの大きさの魔法陣が現れた


「な、何だこの大きさは!?小太郎!拠点に戻り応援を呼んでこい!何かあったらメッセージで連絡する!」

「了解!」


 そして、中から現れたのは……


 ドラゴンベビー ???

 ??? ???


 魔法陣から出てきたのは全長6メートルぐらいの赤銅色の鱗を持つ西洋の竜だった。


「ど、ドラゴンだと!?こんなのまだどこの国でも出現してないぞ!」


 見えてるのはハテナだけだが、前より見えている部分が多い事に気がついた

 思ったより自分は今、冷静でいるらしい。

 すると、ドラゴンベビーは息を大きく吸い込むような動作をした。これはもしかして……


「サスケさん!ブレスが来るかもしれません!」

「かもしれないなっ!みんな避けろぉぉー!!」


 ドラゴンベビーが吸い込むのやめた。鼻から火花が出ている。

 くるっ!

 次の瞬間には目の前が真っ赤に染まっていた


「大丈夫か!?」

「なんとか!擦りましたけど!」


 咄嗟に右に転がった。左肩に擦り、見てみると生命力が残り4分の1にまで減っていた

 アイテムボックスからポーションを取り出し飲み干しながら光属性のヒールの上位互換、ハイヒールを使う

 やっと、全快し改めてドラゴンベビーを見る

 これでベビーなんだから、成長したらどうなるんだ。そんな事を思いつつ前足を狙って剣を振るう。

 傷一つつかず、剣が跳ね返された。


「くそっ!硬いなこいつは!全然刃が通らない!」


 サスケさん達も硬い鱗に四苦八苦している

 魔法の効き目もあまり良くなく、爪での攻撃を受け流しながらサスケさんに言う


「飛び道具とかありますか!?クッ!眼なら通るかもしれません!」

「分かった!みんなクナイを投げろぉ!」


 すると、半蔵さんが投げたクナイが右眼に刺さる。初めて苦しそうにするドラゴンベビー。しかし、それでスイッチが入ったのか半蔵さんに向かい攻撃をする。一撃、二撃、三撃目で遂に半蔵さんは倒れてしまった


「引けっ!立て直すぞ!」


 逃げようとすると今度はこっちにターゲットが来た。


「ウィン!!」

「必ず生きるので先行っててください!」

「援軍を連れて来るからそれまで耐えろ!」


 ドラゴンベビーと立ち向かう。今までのどんなプレイヤーやモンスターよりも威圧感がある。痛くはないとはいえ、立ち向かうには度胸が必要だ。

 片眼を失っているので死角に入りつつ攻撃する。刀を右手、剣を左手に持つ二刀流だ。

 分かったことは斬撃が通るのは腹と翼だけだ。しかし、通ることが分かれば十分。

 何回目かもわからないほどの攻撃をする。相手の翼はもうボロボロで見るからに疲労している。いけるっ!その油断で尻尾からの攻撃をまともに食らってしまった。剣を落としてしまい、ボロボロになった刀を両手で持つ、すると腰についていた2つの鞘から光球が出てきて、右腕のマークの中に吸い込まれて行った

 そして、今まで謎だったハテナの正体を知った。


『背水の陣』

 筋力値以外の任意のステータスを1にする。減少分を筋力値に加算する。最初の一撃のみ防御力無視のダメージを与える。3時間の間ステータス値は1のままで〈ファントム〉の基礎効果は使えなくなる


 これに賭けるしかないと思い、使う


「『背水の陣』!」

(生命力、魔力、知力値、器用値を1に!!)

 身体から緑、赤、黄色、白色の計4色のオーラが発生する。敏捷値は残しておかないとまず当たらない。防御力無視も初撃のみなので、覚悟を決める


(少しのダメージでも受けたら負けか……まさに背水の陣だな)

 そう苦笑しつつ、刀を左の鞘にしまい、構える。


 ーー居合抜刀術だ


 祖父から教えてもらった型の一つだ

 ドラゴンベビーも爪で攻撃して来る


「居合抜刀術ーー神威」


 相手が戻れないタイミングで脚を動かし、すれ違いざまに抜刀する。

 刀を鞘にしまいその数秒後、ドラゴンベビーの首が、大きな音を立てて地面に落下して行った。

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