5話 イベント開始
ようやくイベントが始まりました!
ステータスの()の中の数字は振り分けたステータスポイントです
自分は今ロータスとともに森の中を歩いていた
この森はアヅイの街を北に進んだところにあるホルタの森という場所だ
「クエストのビッグボアってどこらへんにいるんだ?」
「もう少し進んだ先が生息エリアになってるぞ。ビッグボアは物理防御力が高いから魔法中心でいくぞ、ウィンの魔法って今どんな感じなんだ?」
「明日がイベントだからね、頑張って上げてるよ」
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ウィン Lv20 剣士 Lv20
SP10
生命力 37 +9 (+2)
魔力量 34 +9 (+2)
筋力値 40 +9 (+5)
敏捷値 40 +9 (+5)
知力値 34 +9 (+2)
器用値 34 +9 (+2)
スキル 剣Lv22 片手剣Lv8 刀Lv8 火属性Lv10
水属性Lv15 風属性Lv15 土属性Lv10 光属性Lv14
闇属性Lv14 気配察知Lv16 回避Lv13 受けLv14
【セントラル】道具 モデル鞘 〈ファントム〉二対
・納刀時に刀剣が修復される
・刀や剣の大きさによってサイズが変化
『??????』
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剣のLvが15で上位スキルの片手剣、大剣から片手剣を派生スキルの刀を取得した
魔法は取ってなかった火属性と土属性を新たに取得し、補助スキルの回避と受けを取った
「しかし、魔法を全部取るとはね、大変だぞ?」
「まあ上手くやるさ」
喋りながら歩いていると不意にロータスが止まり
「居たぞ、ビッグボアが三体だ、俺が弓矢で狙うからその後よろしくな。俺も一応魔法準備しとくから」
「わかった、行こう」
ロータスが弓を引き絞る、放った矢は見事額を打ち抜いていて一体が倒された
左の腰にある無銘刀を抜きビッグボア目掛けて走り出す
それに気づいたビッグボアがこちらに向かって突進してくる、それを最小限の動きで横に避け横腹を切り裂く
次にもう一体に近づき上から下に振り下ろし首を断ち切る
「やっぱり援護いらなかったか、ビッグボアの牙はドロップしたか?」
「こっちは一つが牙でもう一つはバラ肉だ」
「こっちは………っと牙だ!後三つだな」
「じゃあ次行くか」
今やってるクエストはDランククエストでこれをクリアすればCランクになる
ロータス曰く現段階の最高ランクはAランクだそうだ
「うしっ!これで終わりだな!アヅイに戻るか」
「うん。ロータスって普段どこを拠点に狩りとかしてるの?」
「王都だな、第一陣の半分くらいは王都にいるんじゃないか?」
「イベントがあるとはいえ付き合わせて悪いな………」
「気にすんなって!俺もウィンと一緒だと楽しいからさ!やっぱりゲームは楽しまないとだし」
そういって俺が始めてからほとんど手伝ってくれてる蓮に感謝の気持ちを持ちながら今後について考えていた
(イベント終わったらどうしようかな。多分ソロになるだろうし旅でもして見るかな)
そんな事を考えていたらアヅイに着き冒険者ギルドに向かう
「いやー、初めてクエスト受けて準備する時のウィンには呆れてたなあ」
「う、うるさいな、しょうがないだろダメージというダメージ受けてなかったんだから」
初めてクエスト受け準備をしようと言われポーション買いに行く時ポーション?なにそれ?と言ってしまったのだ。
「相変わらずすごいやつだと思ったよ、ゴブリン キングをレベル10にも届いてない奴が市販のロングソードでほぼノーダメージで倒すんだからな。フレンドにそれ言った時そんな訳ないだろって言われてちょうど近くにいたリリーさんが本当だよ、それ。って言ってくれなかったら嘘つき呼ばわりされてたよ」
「なんで人に言ってるんだよ!?」
「まあまあ、明日のイベントで活躍したら一気に注目されるぞ」
「またそうやってプレッシャーをかける」
「まあウィンなら出来るって!あっ、防具の受け取り忘れるなよ!じゃあまた明日イベントは十四時からだから遅れるなよ?」
「分かってるよまた明日な」
クエストの報酬分けてログアウトしていった
防具とは今まで初期装備で戦っていて蓮に作ってもらえ!と言われてリリーさんに連絡したらなんとリリーさん自ら作ってくれることになった
そしてこの後やることとはCランクになったので、ある場所を使えるようになる
その場所は街にある道場でそこで出来るのは勝ち抜き戦だ
前に行った時は一人前になってから来な!と言われて追い出された
この勝ち抜き戦は魔法は無しで素手や木刀などで戦い十級から始まり十段まであるとされている
未だに十段まで到達した人はいないらしい
十級を勝つと初心者ポーションという風に景品がある区切りの一級に勝つとランダムでレアアイテムが貰えるらしい。そして段位になってから難易度が急激に上がるらしい
対人戦の練習も兼ねてやって見ることにしたのだ
「其方もこの試練の道場に訓練に来たのだな。よかろう。まずは十級のものからだ。なにを使う?」
「木刀でお願いします」
「それでは………始めっ!」
問題なく勝ち進み次はいよいよ一級だ
「次は一級だ、準備は良いか?」
「はい、大丈夫ですお願いします」
出て来た相手は大柄で190センチはあろうかという大きさだ
こちらは178センチなので10センチ近くも差がある
「それでは………始めっ!」
木刀を両手で持ち無駄な力を抜き自然体な形で相手の動きを待ち、見る
相手が大きな声を出しながら木刀を振り下ろす
こちらも下から上に向かい振り上げる。このままぶつかったらまず間違いなく振り負けるだろう、しかしぶつかった瞬間に左手の手首を捻り木刀の向きを変え相手の上段を受け流す
これは祖父から教わった基本の技であり柳というらしい
決して力に逆らわずそのまま受け流すそしてそのまま攻撃に移るという技だ
受け流した後に手首に当て木刀を落とさせる。武器を無くした相手は格闘戦をしようと構える。しかし、動こうと瞬間に突きの姿勢にする。すると自分からぶつかりに行くように木刀の先端が相手の喉にぶつかる
「そこまでっ!!勝者ウィン!」
互いに一礼をして景品を受け取りに行く
「おめでとうございます!次は一段ですがどうなさいますか?」
「今日はここまで、次来た場合はどこからスタートになるのでしょうか?」
「ウィン様は一級をクリアされましたので一段からで大丈夫です。」
「わかりました、ありがとうございました」
そう言い道場を立ち去る、そうして手に入れたアイテムを見る
【アイテム】神木の腕輪 レア度6 品質B 魔力量増加
アクセサリー 神木から作られた腕輪で魔力量を増やす効果がある
これは中々いいアイテムかな?今見て見ると魔力量が+10されていた。これは大きいな、ステータスアップのものは初めて見た
何回も道場で一級クリアしたらアイテム貰えないかな?
そんな事を考えながらログアウトした。
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イベント当日ロータスと待ち合わせした場所にいる
すると、ロータスがこちらに向かって歩いて来た
「待たせたな、調子はどうだ?」
「いい感じだね、昨日良いものも手に入れたし」
「防具似合ってるじゃん」
「防具っていうか服だけどね………性能はいいけど」
「リリーさんの事だから似合うって理由でこれにしたんだろうな」
と、笑いながらこちらを見てくる
今来ているのは和服の袴だ
【防具】戦闘用袴 レア度6 品質B+ 防御力+6
上質な布を丁寧に作り上げた袴 その防御力は市販のレザー系防具のものより高い
普段から着慣れてるから良いものの先程から他のプレイヤーから視線を感じる
「まあ似合ってるからいいじゃん!まあ他の人たちから見たら軽い気持ちで参加してると思われても仕方ないかもな、でも布でその防御力は現段階だと破格だぞ?高かったんじゃないか?」
「それがこれから持ってくる素材に期待してるって事で原価近くの値段にしてくれたんだよ。それでも大半のお金が消えたけどね」
「あの人随分お前に入れ込んでるな。なんかあったのか?」
「うーん。剣技と刀で型をやったくらいかな?」
「それだろ………ウィンの剣や刀捌きは自分が思ってる以上に凄いからな?綺麗というか美しさを感じるというか」
「わかったって!!なんか聴いてて恥ずかしくなった………ところでちょくちょくリアルエルフって聞こえるけどなに?」
「………うしっ!そろそろイベントだな!気合い入れるか!」
「露骨に話を変えたね、あっ!もしかして掲示板でたまに乗ってる二つ名ってやつ?弓がめちゃくちゃ上手くて風属性使ってイケメンでイメージ通りのエルフに似てるからリアルエルフ?」
「なんでお前はそこまで当てれるんだよ!前回のイベントでちょっと矢を当てすぎてな掲示板に動画載せられたりして、ついた二つ名がそれだよ………他の人のやつはまだ二つ名っぽいのに俺のはなんでこんなやつなんだよ!」
「お、おお、結構心に響いてらっしゃる。で、でもほら!さっきから女子がチラチラ見たりカッコいいって言ってるよ?」
「そりゃあ女子にカッコいいって言われたら素直に嬉しいさ、でもな!その数倍男プレイヤーに睨まれたり掲示板でネタにされるんだぞ」
「まあまあ、ほらっ!もう始まるぞ!そういえばどうやって特別マップに移動するんだ?」
《只今よりイベントを開始します。参加される方は転送の文字をタップしてください》
なるほど、これなら何処にいてもイベントに参加できるな
じゃあ転送をタップしよう
タップして目を開けたらそこは広場だった
後ろは険しい崖で前方は丘になっていてその奥に大規模な森や湖が見えた
「今回は高所か守りやすい、いい場所だな」
《ガルム帝国VSトウキョクの対決を始めます。イベント期間は三日ですがリアルでは三時間です。六時間陣営強化の時間です。六時間後にスタートし、相手陣地にある旗を自陣に持って帰り自陣の旗の隣に挿すとそこで終了となります。三日で決着がつかなかった場合は引き分けとなります。それではご健闘をお祈りいたします》
「陣地強化って実際どんなことするの?」
「まあ持ってきたアイテムを使って堀や防壁を作ったり森から木を切って使ったり色々だな」
「そういえばプレイヤーもNPCもいるのにまとまるの?」
「まあ見てろって」
『皆さん聞こえてますか?事前に話し合い、前回もリーダーをやったリリーです。力を合わせてガルムをぶっ倒しましょう!』
『オォー!!』
「リリーさん!?事前の話し合いって!?」
「トウキョクプレイヤー専用の掲示板で話し合ってたのさ、ウィン掲示板使わないから見てないと思って面白そうだから言わなかった」
「面白そうだからって………リリーさんってほんと何者なんだ」
「まあトウキョクのプレイヤーのリーダーで大体あの人が纏めてるな。ちなみに生産職のプレイヤーを普段仕切ってるのもリリーさんだ」
「予想以上の大物だった………」
『まず、生産職の皆さんは早速陣地強化をしましょう。戦闘職の人は六人のチームを組んでください。それが決まり次第作戦を言います』
「六人一組ってどうするのさ?」
「安心しろ、事前にリリーさんに言って俺等は特別二人ペアで良いことになってるから」
「さすがだな」
『えー出来たみたいなので作戦を発表します。作戦は………そのパーティーが動きやすいように動く!以上です!なにかあったらリーダー権限の一斉メールで連絡するので、それでは手が空いた人は陣地強化を手伝う!』
「いいのか?あんな適当な作戦で」
「前回六人のパーティー五組計三十人のレイドを組んでレイドごとに作戦を言ったんだが連携も何もなく危うく負けそうになってな、だから今回はパーティーごと自由にやらせることにしたんだよ。まあパーティー毎に手を組んで動くやつ等がほとんどだから」
「陣地はだれが守るんだ?」
「生産職のプレイヤーとNPCだな。今回プレイヤーが8000人近くいるはずだそれにNPCの800人の計8,800人だな、相手はプレイヤーの数は同じぐらいだがNPCが400人ほど多い筈だ」
「400人って結構大きいな、てかなんでそんな詳しいこと知ってるんだよ」
「そりゃあ今回の作戦会議に参加したし作戦立案したの俺だし」
「作戦会議に出れて二つ名ついてるロータスって本当は結構すごい?」
「そんな大したことないよ、ほら俺たちも手伝うぞ!」
《六時間経過しました相手への攻撃が可能になりました》
「よし、じゃあ俺たちも準備して行くか!」
「六時間って短いと思ってたけど魔法ってやっぱり凄いな」
目の前にあるのは高さ十メートルはある防壁だ。厚さは五メートルはあるだろう、それが二枚ある
壁際には堀が掘られていて上に弓兵が待機していて、そこには生産職自慢のバリスタが配備されてる
後方の崖は万が一にでも攻められたら困るため100人程度配備してあり何かあればすぐ連絡できるようになってある
他にも色々工夫や罠があったりと中々な仕上がりになっている
「バリスタって持ってきたやつかぁ」
「今各国で技術がすごい勢いで進歩してるんだぞ、プレイヤーが伝えたり自分たちで作ったりと最近の話題は黒色火薬だな、硫黄が全然足りないみたいだけどな」
「火薬って………もう銃火器類が普及するかもしれないのか」
「でもここはゲームの世界でしかも魔法という未知のものがあり【セントラル】といったものまであるからな。しかもレベルを上げてプレイヤースキルがあればギリギリ拳銃の弾を躱せるみたいだぞ?」
「ゲームとリアルの融合か………この世界は楽しいな」
「もっと楽しむために勝たなくちゃな!よし行くぞ!」
そういって二人で森の中に入って行った