17話 VSザ・サンシャイン(1)
現れたモンスターは眩い光を放つ、ザ・サンシャインだ。
「ボスは初日の出かよ!」
そんなロータスの言葉を聞きながらある事に気づく。
「ねぇ、自分達との距離ってどのくらい離れてる?」
「距離?そりゃあまだまだ……って!?そういうことか!これはヤバイな!」
「ロータスさん、ウィンさんどういう事ですか!?」
「考えてみたらすぐ分かる事だった!まだザ・サンシャインとの距離は離れている。なのにあの大きさだ。つまり、あいつはとてつもなくデカイぞ!」
「なるほどな!でも、こいつらなんとかしないとボスの前にやられるぞ!」
そうだ、周りには10体を超えるゴールデンゴーレムがいる。
しかし、幸運な事にくる方向は一つからだ。
でも、自分には不安があった、それは……
「ロータス!ボスはとりあえず頼むよ!とりあえず一人でこいつらは抑えるから!」
「どうゆう事だよ!お前がいなきゃ火力不足だろ!」
「ここからみてもわかるようなボスは炎を纏ってる。いや、炎そのものかもしれない。もしそれが、魔法の炎ならばいい。でも、自然の炎だったら魔法以外効果がない事になる。だから、先にこいつらをやる!」
「あぁ!もう!分かったよ!ボスが至近距離に来るまでの3分でケリをつけろ!」
「りょうかい!!」
ゴーレムは全部で12体。一体につき10秒ちょっとしかかけられない。つまり、一度のミスも許されない。
十分だ。やれる筈。ボスに備えて『背水の陣』は使えない。もし、魔法の炎だった場合、魔法破壊が無ければ意味がないからだ。
つまり、単純な技術とスキルだけで倒さなければならない。
一体目のゴーレムの首を斬り落とす。そのまま核に突きを放つ。次だ。
二体目、三体目のゴーレムをスキル、一刀両断を使い、身体ごと、核ごと真っ二つに。次。
四体目のゴーレムが、腕を振り上げて攻撃しようとしている。その腕を振り下ろすより早く斬り落とす。そして斜めに斬る。ゴーレムがズレて落ちていく。次。
五、六、七、八体目のゴーレムが、一斉に両腕を使い殴りかかって来る。
「柳!……くっ!」
捌ききれない、一発一発が即死の威力を持っていて、捌き方を間違っていれば、いくら桜でも折れるだろう。
二体までは捌いたが残る二体がいる。
「一の型、流水」
二体の攻撃を受け流す、のでは無く躱す。
一の型、流水は、流れるように動き続け躱し、次に攻撃を行えるようにする。
クールタイムが終わった一刀両断を使い四体まとめて核ごと斬る。残りは、四体。
桜を鞘にしまい、構えを取る。
「居合抜刀術、神威」
ドラゴンベビーの時と違い、ダッシュのスキルを取っているのでスピードが違う。
風のように通り過ぎ、振り返る。四体全てが四つにバラバラになっていた。
これは、まず四体まとめて横に真っ二つにして、一体ずつ核を壊すために縦に斬った。
終わった、が、まだ終わってない。
みんなの方を見る。弓や魔法、クナイでザ・サンシャインを攻撃していた。
そして、ある事に気がついた。
「暑い?」
本来、このゴールドサンシャインのような高い場所は空気が薄く、気温が低い。なのに今は夏のような気温になっている。
「こっちは終わった!大丈夫!?」
「お、3分かかってないじゃないか」
「この暑さはやっぱりあいつが?」
「だろうな、だんだん暑くなってやがる。これでもあと、三分の一の距離はあるんだけどな」
「倒せそうか?」
「遠距離で攻撃しているが、どのくらいダメージを与えてるか分からねえ。なんせ、実体がないんだからな」
「よし、一応やって見るか」
桜を鞘にしまい魔力を纏わせる。魔法破壊というのは魔力を纏わせると発動するスキルだ。
「『飛殲』!」
居合のように抜刀して斬撃を飛ばす。その斬撃がボスに直撃すると、少し動きが鈍くなった。
「効果はあるみたいだな。って事はやつは魔法で出来た炎って事か」
サスケさんが冷静に分析していると、ボスがもう近接攻撃ができるくらいまで来ていた。
「っ!?暑さでHPの最大値が徐々に減ってきてるぞ!HP管理に気をつけろ!」
そう言われて確認して見ると、350あったHPが、5秒毎に1減っていた。
右手に桜、左手にフリズベルンを持ち両方に魔力を纏わせる。
二刀流で攻撃を与え続ける。しかし、そう簡単にはいかない。
「攻撃が来るぞ!気をつけろ!」
ザ・サンシャインからファイアボールが無数に飛んできた。
ロータスは風の魔法で防ぎ、サスケさんはカスリもしないで躱している。ミオさんは水の壁で防いでいる。
普通はここは、みんなのように躱すか防御すべきだろう。だが、自分には魔法破壊がある。ここで攻めなきゃ持っている意味がない!
「ウィンさん危ない!!」
ミオさんの声を聞きながらザ・サンシャインに向かっていく。当然ファイアボールは無数に飛んでくる。それを桜で縦に斬る。次に来るのはフリズベルンで切る。そのまま切り続けボスに向かっていく。
「すごい……」
「魔法破壊はあんな簡単じゃねぇよ……」
「ははっ、さすがウィンだな」
ザ・サンシャインの目の前に着き、スキル一刀両断を発動し、フリズベルンを鞘にしまい、桜を両手で持ち上に構える。
「二の型、断絶」
ザ・サンシャインは文字通り縦に真っ二つとなった。




