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VRMMOの剣聖  作者: オレンジジュース
2章 動き始める大陸図
15/19

15話 パーティー結成

二日ぶりの投稿です。

 セイという街に向かって歩き続けて早二時間、うっすら奥に富士山のようなものが見えてきた。


「おっ、富士山が見えてきた」

「正確には、ゴールドサンシャインって言うんだぞ」

「毎回思うけど、運営のネームセンスって謎だよね」

「富がゴールド、山がさんでsunでサンシャインだとさ。まあ、名前の通り金になるモンスターが出るんだけどな」

「どんなのが出るの?金ピカなゴーレムとか?」


 笑いながら冗談で聞いてみると、


「おっ!よく知ってるな!ゴールデンゴーレムっていうやつで、倒したら金鉱石が手に入る」

「ま、まじであってるのかよ……金鉱石ってことは、なん個も集めないと量にはならないね」

「でも、ゲーム補正っていうのもあって10個も集めれば、金のインゴット一個にはなる。それで、500,000リフぐらいだな」

「それ凄くないか?」

「でも、ゴーレムってだけあって硬いから一体に結構時間かかるんだよな」


 確かにゴーレムと言えば、高防御力に高HPだよな。ん?まてよ、自分ならペースよく出来るか?


「なぁロータス、『背水の陣』ならペースよく出来るんじゃない?」

「あー、確かにな。お前なら出来るかもな」

「お前ならって?」

「防御力無視ダメージっていうのはたまにだけどいるにはいるんだよ。けど、ダメージっていうのは相手の防御力にこちらの攻撃力が上回っていれば、差し引いた分だけダメージが入る、と思っていいはずだ。防御力無視して、ダメージを与えるけど防御力が無くなったわけじゃない。つまりーー」

「剣とかだと、刃が通らないってことね」

「そうゆうこと。まあ、石でも鉄でも金でも斬れれば効果は倍増だろうな」


 なるほど。ハンマーとか杖とか、打撃系のダメージなら効果は高いけど、斬撃系だと効果は低いと。しかも、防御力無視ダメージって、斬撃系に出やすいんだよな、確か。


「まあ、流石に斬れるか分からないな、やってみなきゃ」

「おお、そこで斬れないって断言しない時点で流石だわ」

「武器が良かったら斬れるたりするでしょ」

「まあな、おっ!見えたぞ、あれがセイだ!」


 そう言ってロータスが指をさすが、まだ見えない。きっと【セントラル】の能力だろう。

 自分の目にも見えてきた。セイの街は自分の今いる丘からみると、正方形の形をしており、外側は石壁で、内側は綺麗に区分けされていた。


「セイになにか用事はあるの?」

「食料の補給ぐらいじゃないか?ああ、後ここまでの道のりで倒してきたモンスターの素材を売却してもいいな」


 道中はロータスと喋りながらきたが、実はその半分ほどは戦闘をしながらだった。特に強いモンスターは出なかった為、ロータスが喋りながら弓で倒し、近くに来たら自分が剣で切る。そんな風にして歩いて来た。


「じゃあ、食料買ってくるから、素材の売却は頼むよ」


 そう言って、アイテムボックスからアイテムを取り出し手渡しで渡していく。


「一気に送れたら楽なのに」

「まあ、今後も多分無いだろうな、『よりリアルに』なるんだろうしな」


 愚痴を言いながら街に入る。街には、プレイヤーの姿がちらほら見える。今のところ最前線の街だしな、そう思いながら食材を選んでいく。アイテムボックスには今のところ時間経過は無い。これから、もしアイテムボックスが廃止になったら凄く不便だよな、などと今後の不安を考えながら、魚などの生もの、果物や肉、野菜、米、パンなど色々なものを買う。前回買った時より安かった為、つい多めに買ってしまった。


 用もないので散歩していると、ロータスからメッセージが届き、冒険者ギルドに来て欲しいと来た。

 散歩をやめ、冒険者ギルドに向かって歩く。

 ギルドに着くとロータスが受付の女の人と喋っていた。その女の人は、ロータスに向ける視線がなにやら熱いものだった。

 そして、ロータスに向ける視線は他にもあり、プレイヤー、ローピー問わず、羨望と嫉妬の男からの視線が届いていた。

 冒険者ギルドの受付嬢というのは、皆んなが綺麗な顔で揃っている。なので、こまめに通う人もいるらしい。

 ロータスが周りの男性達からの視線で困り出したので、そろそろ話しかける


「ロータス、来たぞ。何かあったの?」

「お、遅いぞ!まぁ、それより、パーティー名どうする?」


 このゲームにはパーティーは二つある。

 一つ目は臨時パーティーだ。フィールドなので組むのがこれで、基本、パーティ組まないか?というのはこちらを指す。これは、共闘ペナルティーを避ける意味で組むことが多い。

 もう一つのパーティーはチームとして続けていくパーティー、チームパーティーだ。こちらを組むと、経験値やアイテムが等分されるという効果がある。

 他にもギルド、というものもあるがこれはチームパーティーが大きくなったものと考えていい。

 チームパーティーとギルドは冒険者ギルドでしか、組むことができない。

 それに、パーティーやギルドを組む時には、パーティー名と、ギルド名が必要になる。

 今回はそのパーティー名をどうするかだ。


「うーん、特に思いつかないな。何か良いのあるか?」

「そうだなー、〈皇叢〉でいいんじゃないか?」

「そうだね、それにしよう」


 皇叢というのは、祖父の道場の名前だ。昔、朝廷を守る人が作った道場らしい。調べても出てこない為、真偽は不明だ。


 チームパーティー登録も終わり、ゴールドサンシャインに向かう。目標の神木を得る為、フィールドボスを倒すからなのだが……


「あのさ、フィールドボスって強いんだろ?二人で大丈夫なの?最前線だし……」

「大丈夫だ、安心しろ。流石に二人では行かねえよ。助っ人を読んであるから」


 助っ人?その疑問はすぐに晴れた。


「久しぶりだな、二人とも」

「初めまして、ミオといいます」


 現れたのは、イベントで貢献度ランキング一位のサスケさんと、ミオと名乗った、顔立ちが整った女性だった。


「おう!よく来てくれたな、ありがとな」

「ウィンの為だから、わざわざ来てやったよ」

「連絡が来た時はびっくりしましたよ」


 一人だけ会話についていけない。


「……ロータス、どういうことか説明してくれるよね?」

「分かったからそんな怖い笑みを浮かべるな。サスケさんは知ってる通りで、こっちがミオさん。俺とよく臨時パーティー組んでくれてた一人で、ヒーラーだ」

「初めまして、ウィンといいます。今回は私事なのにすいません」

「ふふっ、ロータスさんが言ってた通りですね。私は当然ウィンさんのこと知っていましたよ?なにせ、第二陣で唯一ランキングにトップテンに入り、ドラゴンを大陸で唯一ソロで倒した人ですし。一度会ってみたかったです!」

「い、いやぁ、なんか恥ずかしいですね。サスケさんは〈伊賀忍軍〉の方は大丈夫なんですか?」

「ちゃんと、お前さんのこと手伝うって言ったら、頑張って来てください!って言われたからよ」

「わざわざありがとうございます」

「まあ、ロータスが適当に呼びかければ、レイドぐらい簡単に集まるだろうな。まあ、その内の7割くらいは女性になるだろうけどな」


 サスケさんがそう言って笑っている。ロータスの人徳なのか、顔なのか、分からないがロータスは凄いということを改めて認識した。


「じゃあ早速行こうか!」


 そう言って、サスケさんと、ミオさんと臨時パーティーを組む。

 四人でモンスターを倒しながら会話をする。いや、会話をしながらついでで、モンスターを倒すと言ったほうがいいかもしれない。

 ロータスの弓とミオさんの魔法で大部分が消え、サスケさんと自分で残りを倒す。

 単純な作業のようになってしまっている。

 会話はというと、ミオさんの話などだ。


「へぇー、ミオさんって大学生なんですか」

「あら、そんな老けて見えた?」

「いえっ!逆に全然高校生って言われても信じれますよ」

「ふふっ、ありがとう、ウィンさんは優しいですね。顔もカッコいいし、性格も良い、おモテになるのでしょう」

「いえ、そんな。ロータスの方がよっぽどですよ。イケメンで、勉強、運動ができて面倒見がいい。こいつよりモテる人なんて見たことないですよ」

「ウィンだって、モテてるじゃないか。知ってるんだぞ、夏休み中もまた新しい子に告白されてたろ」

「な、なんで知ってるんだよそんな事!」

「ふっふっふ、俺には情報をくれる人がいるのさ」

「誰だよ!教えろよ!」

「バレたら面白くないだろう、自力で見つけるんだな」

「はっはっは、若いなぁ」

「サスケさんだって、そんなにおじさんじゃないでしょ」

「ロータス、30を超えたら人はおっさんになるんだぜ?」

「何カッコつけてるんですか、てか本当に30歳超えてるんですか?」

「今年で33歳になるな」

「サスケさんは将来ダンディーなおじさまになりそうですね」

「あ、すげー分かる」


 そんな会話をしながらゴールドサンシャインに向かって歩き続ける。

パーティー名など、思いっきり適当に考えて付けてます。

なぜなら、考えていなかったから!

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