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第20話:半分エルフLVアップ!

本日は一話投稿となります。

 冒険者ギルドを後にしたオレ達は、すぐさま馬上の人となった。

 帝都の門を(くぐ)ると一路、ラバル湿原へと向かって、まるで競争するかのように馬を走らせる。


 そして昼を少し過ぎる頃には、ラバル湿原の入り口とも言える、開拓事務局の出張所が見えて来た。


 門前には、今しがた到着したばかりだろう雇われたばかりの人夫や、依頼で訪れたであろう冒険者風の身形(みなり)をした人々が馬車の荷台から降りて来ている風景すら、遠目に確認出来る。


 どうやら予定通りに、追い付けたようだ。


 学院を卒業したてのオレ達だが、今まさに冒険者としての初舞台を迎えようとしている。

 オレの現在のステータスは、以下の通り。



『名称:カインズ』

『種族:ハーフエルフ』

『年齢:15歳』

『職業:冒険者(Gランク)』

『LV1』


《能力》

生命力:531

魔力:7829

筋力:353

体力:581

知力:1892

敏捷:622

器用:718

精神:935

統率:160


《スキル》


【ジョブスキル】


「レンジャー:43」

「ソーサラー:45」

「シャーマン:51」

「ファイター:36」

「プリースト:29」

「スナイパー:18」

「セージ:48」

「マーチャント:5」

「アルケミスト:13」


【武器スキル】


「弓術:41」

「槍術:48」

「投擲:17」

「剣術:36」

「盾術:25」

「長柄武器:28」

「体術(総合):27」

「短剣術:21」

「弩弓術:20」

「斧術:19」

「刺突剣:18」

「槌術:17」

「鞭術:16」


【戦闘スキル】


「騎射:22」

「狙撃(弩弓):16」

「精神集中:25」

「聴覚探知:17」

「複合戦技:19」

「複合魔法:23」


【魔法スキル】


「魔力感知:63」

「魔力操作:68」

「魔力回復速度上昇:58」

「魔力消費減少:52」

「高速詠唱:63」

「詠唱短縮:61」

「並列詠唱:15」

「火魔法:40」

「水魔法:43」

「土魔法:41」

「風魔法:45」

「闇魔法:38」

「生活魔法:52」

「神聖魔法:36」

「召喚魔法:29」

「精霊魔法:61」

《精霊王の寵愛》


【汎用スキル】


「料理:19」

「歌唱:16」

「舞踊:11」

「演奏:13」

「礼法:33」

「物品鑑定:19」

「商談:8」

「算術:43」

「罠作成:31」

「野草知識:39」

「史学知識:54」

「古代文字解読:38」

「錬金術:16」

「薬学知識:28」

「地理知識:20」

「地質学:29」

「採掘技術:17」

「航海知識:18」

「測量技術:16」

「地図作製:17」

「建築学:21」

「自然医学:19」

「牧畜学:13」

「農学:20」

「魔物知識:38」

「軍学知識:37」

「神学知識:43」

「人体構造学:28」

「武具構造学:29」

「騎乗技術:25」

「御者技術:19」

「水泳:16」

登攀(とはん)技術:16」


《加護》


【産土神】【太陽神】【知識神】【武術神】【愛情神】【創意神】


《固有スキル》


『自己洞観の魔鏡』


『解析者:96』

〈※解析者:派生スキル〉

「自習自得の極意」

「師事効果増加:極大」

「心身成長補正:極大」

「読得の極意」

「観察会得の極意」

「カメラアイ」

「完全なる記憶力」

「種族限界突破:大」

「文章理解力補正:極大」

「講話理解力補正:極大」

「向上心補正:極大」

「向上心反映:極大」

「戦技瞬得の極意」

「学術早成:極大」


※未解放派生スキル:五種(解放条件未達)



 もちろん、この三年間に学院の授業で得たスキル、図書館での読書で得たスキルも多いのだが、父やナシュトさん達に師事して得られたものは、特に得難い力だと言える。


 だが、やはり何と言っても特筆すべきなのは『解析者』と『自己洞観の魔鏡』の効果だろうか。


 まず『解析者』だが、それ自体が成長するスキルなのが大きい。

 スキルレベルが上昇すると、本来のスキル効果である、他スキルの習得簡易化、スキルレベル向上の短期化、さらに能力値上昇への補正効果も比例して大きなものになる上、補完的に派生スキルが得られて、ますますスキル習得や能力上昇に拍車が掛かる。

 何かしらの鍛練や学習をすればするほど『解析者』のレベルが上がり、他のスキルレベルや能力が上がりやすくなるのだ。

 どこかで慢心して努力をやめたり、サボり過ぎると大したことないスキルだったかもしれないが、オレは努力をする事については、何故か苦にしなかった。

 この十二年間、むしろ鍛練が楽しみですらあったのだ。

 何をやっても中途半端だった前世の反動なのか、はたまたカインズという幼くして亡くなった少年の魂とでも言える何かが、ひたすらにオレを突き動かしているかのようでもある。


 今や壊れ性能過ぎてチート能力まっしぐらの『解析者』と、その派生スキルの数々は、未だに成長と増加を続けている。


 無理矢理、一文に纏めると……スキル習得のための自己鍛練および師事の効果が倍増し、説明や手本になる動作、文章の意味を瞬く間に理解、自分のものにするうえ、一度見たものは瞬時に記憶し決して忘れない。

 さらに、心身ともに成長を早めハーフエルフという種族の限界すらも突破し、絶えず能力が上がり続ける。


 ズルはしていないのだが、なんだかズルくはある。

 未解放の派生スキルが五つも有るのも、とても気になる部分だ。



 そして『自己洞観の魔鏡』だが、これは気付いた時には『自己分析の魔鏡』が固有スキルになって、さらに名前が変わっていたものである。


 性能の変化としては、任意で見たい部分のステータスやスキルだけを、目前に表示出来るようになったことと、意識を集中すれば熟練度の表示とともに、成長のヒントが出てくるようになったことだろうか。


 例えば……


統率:160

※熟練度(59/100)

パーティ統率時(少)

小隊統率時(中)

中隊統率時(大)

軍指揮時(特大)

国家統治時(極大)


 ……という様に、何をすれば、能力が成長するか、スキルレベルが上昇するかが目に見えるようになったのだ。

 この場合、フィリシスやエルフリーデと行動を共にし続けていたことで、パーティの統率をしていたのと同じような効果が得られた結果、熟練度上昇→統率上昇となったようである。


 さらに今まで表示されなかった【〜神の加護】が分かるようになったこと。

 他にもスキルについて、そのスキル自体に、どんな効果が有るのかを知ることが、いつでも出来るようになったことなども大きい。


 最近は攻略本を見ながら、ひたすら育成シミュレーションゲームを、合理的にプレイしている錯覚に陥る。

 前世では、大好きだったジャンルのゲームだ。

 もっとも、育成される側に回るとは夢にも思わなかったのだが……。



 さて、閑話休題というやつだ。


 オレ達三人は、事務局の職員に馬を預かって貰うと、時間を惜しむように、ラバル湿原北端の開拓が始まっている部分を背にして、南に向けて歩き始めた。

 まずは、シタバ草という下痢止めの薬草の採取が目標になるのだが、これは繁殖力が異常で土地の養分を枯らしてしまう特性が有るため、そこら中がシタバ草だらけだ。

 薬草として扱うには天日で乾燥させる必要が有るため、手にした草刈り鎌で刈り取り、刈り取りが終わった一帯には、事務局に支給された除草剤を撒いていく。

 この除草剤については、数日で自然分解され効果が消えるらしく、安心して使える。

 聞くところによると錬金術の副産物ということなのだとか。

 まだレシピを知らないのだが、むしろこちらを量産する方が、農業の発展につながりそうだ。


 刈り取ったシタバ草は、フィリシスが彼の私物である『貪婪(どんらん)なる背嚢』に、どんどん突っ込んでいく。

 フィリシスが小国同士の国境線をめぐる戦いで大将首を挙げた時に報奨として貰った魔法具だ。

 背嚢の口を通りさえすれば、無限に近い収納量を誇るという。


 そうして、シタバ草を刈っていると、突然にシタバ草が枯れている地帯が見えてきた。

 これは『アシッドモールド』が存在する証拠になる。

 注意深く辺りを見回していると、ワサワサと音をたてながら、こちらに接近する『カビ』の群れが見えた。

 おぞましい光景だが、ぼやぼや見ていると、強酸性の胞子を飛ばして攻撃してくるので、すぐさま火魔法で焼き払う。


 炭化するまで焼き尽くすと、無害化するので注意深く焼き洩らしがないか確認し、それから真っ黒い残骸を集めていく。

 気色悪いモンスターなのだが、炭化した『アシッドモールド』を他の薬草と混ぜて飲むと、虫下しになるらしい。

 これも、嫌そうな顔をしているフィリシスの背嚢に突っ込んでいく。


 こうして南端まで歩いて行くと、そこから元来た道を戻るのではなく、少し範囲をずらして、歩くことにした。


 若干の差なのだが、先ほどまで歩いていた部分より深く、フィリシスが苦労している。


 すると、行きでは遭遇しなかったモンスターが水中から二匹飛び出してきた。

 こいつらは『ジャイアントリーチ』と言って、分かりやすく言えば(ヒル)のバカでかいヤツである。


 一般人が吸い付かれれば、あっという間に失血死しかねないサイズだが、触らせなければ何てこともない。

 そこそこ素早いが、問題にせず避けながら、反撃する。

 今回は飛び付かれそうになったのは、オレとエルフリーデで、それぞれが鎌と反対の手に持った剣で、あっさり適当に真っ二つにした。

 安物だが、新品をさらに研ぎ、切れ味だけは増してある。

 そんなことをしていると剣は駄目になるのも早いのだが、これについては今さらだ。

 この『ジャイアントリーチ』の厄介な部分は表面のヌメヌメとした粘液が曲者で、こいつらを切り続けていると刃物を溶かしてしまう。

 ならば棍棒などで対処すれば良さそうに聞こえるかもしれないが、ヌルヌルブヨブヨとしていて、打撃武器に異常に強いのだ。


 一往復する頃には、シタバ草も三人分集まり、アシッドモールドが八群体と、ジャイアントリーチは九匹も討伐出来ていたので今日は切り上げることにする。


 そしてオレのレベルも、ついに一つ上がっていることがわかった。



 ステータスを確認していたオレは、人生初のレベルアップの驚くべき結果に、これまでに無いほど強い衝撃を受けることになる。


お読み頂き誠にありがとうございます。


ついに主人公がレベル2です。



ご意見、ご感想、読みにくい点など有りましたら、ご遠慮なくお寄せ下さい。


明日も、最低一話以上投稿致します。

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