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6/16

#6 ねえ~ ねえ~ コロリよぉ~

本日もよろしくお願いいたします!

本日の投稿は、この#6からスタートです! 今日は、#10まで投稿予定です!!

 ~ブクマ・評価・感想・リアクションいただけると、嬉しいです~

どうぞ、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

【前話のあらすじ:F級ダンジョン「ヘイパスの洞窟」の第2層。そこで見つけた隠し部屋の召喚陣を踏むと、そこには、ワン公が待っていた....】

「……グォォォォォォォォ……ッ!!」

空間が、震えていた。

目の前に鎮座するのは、三つの巨大な頭を持つ地獄の番犬、ケルベロス。

その巨体は、僕の今の視点からすれば、もはや「山」だ。

あ、正確に言おう。 山々.....いや、山盛り....かな...?

まあ、どっちでもいい。 とにかく僕は首を痛めそうだ...

足の指一本が、僕の全身よりも大きい。

見上げる角度が急すぎて、首の骨がパキパキ鳴って逝くぅ。


(……ねぇ、待って。君、今どこ見てるの?)

ケルベロスの六つの黄金色の瞳は、せわしなく左右に動き、虚空を睨んでいる。


……おかしい。僕はここにいる。

逃げも隠れもしない、オーロラ色に輝く最高にキュートな猫(自称・神格化不可避)が、鼻先数メートルの位置に立っているというのに。


(……あ、ふーん、そういう感じ....ですかぁ...?? 僕が「ちび」すぎて、視界に入ってないって感じですかぁぁあ!?)


なんという屈辱だろう。

サイズ差がありすぎて、彼にとって僕は「戦うべき相手」ですらなく、視界をチラつく埃か微生物程度にしか認識されていないらしい。


これでも元は身長一七五センチ。 立派なホモ・サピエンスだったんだぞっ!


「おい、こっちを見ろこの三頭犬っ! 網膜の端に僕を焼き付けろぉぉ!! 視力検査からやり直してこいっ!!」

僕は、憤慨しちゃったね。

猫としてのプライドなのか、それとも元人間としての自尊心なのか、そこはよくわかんないけど、とにかく「相手にされない」というのがこれほど腹立たしいとは。

立派なホモサピによる大陰キャ時代を思い出すよ.....

大陸(教室)から大陸(Toilet)へと渡り歩き(ささっと向かい)、未知の宝()を探しに行く....まるで青春時代(生シュン時代)のような.....


「って...!そんなのどうでもいいわぁぁぁあ!!」

僕はビシッと地面を蹴り、その巨体の周囲を神速で駆け回る。


ケルベロスは依然として「消えた敵」を探すように首を振り回している。

「てめぇ、舐めやがって!!後悔すんなよぉ、イヌコウ×3!!」


その時、ケルベロスが痺れを切らしたように三つの口を大きく開いた。

中央の首からは濁流のような火炎。 右の首からは大気を凍てつかせる凍気。 左の首からは、何やら禍々しい紫色の毒霧。


「あ、これ、絶対避けられない広範囲MAP兵器のやつだ...そっか...これが負けイベってやつね....」

不思議と怖くはなかった。

これ、僕、死んだら、どうなるんだろう......

氷河の闘技場が、一瞬にして赤と青と紫の混沌に包まれる。

逃げ場はない。闘技場全体が、死の属性魔法によって塗り潰されていく。


(……来る。……けど、あれ?)

僕の固有スキル「万象統御」が、僕の意志とは無関係に、周囲の魔力を激しく撹拌し始めた。

熱波が襲い、同時に寒波が肌を刺す。

本来なら一瞬で蒸発するか、カチコチの氷像になるはずの状況。


「……んんっ? なにこれ、あったかくて冷たくて……最高に『整う』んですけどぉぉ!!」

火炎の「陽」と凍気の「陰」。何より、状態異常の無効化...!!

それらが僕の周囲で万象統御によって中和され、純粋な魔力エネルギーへと変換されていく。

例えるなら、サウナと水風呂の交互浴。 地獄の業火が背中を温め、極寒の吐息が熱を冷ます。

血管が拡張し、魔力が全身を駆け巡る。


「あぁぁ……地獄の交互浴、たまんない……。地獄の番犬さん、温度調節バッチリ。君、もしかして一流の熱波師なの? 猫生が捗るわぁぁ……!!」

僕のMPゲージが、爆速で回復していく。

それどころか、溢れ出した魔力が僕のオーロラ色の毛並みをさらに輝かせ、二本の尻尾が興奮のあまり、ピンと立ってしまった。


「ふぅ……。最高のサービスだったよ。チップの代わりに、僕の新技をお披露目~~」

僕は、二本の尻尾をピタリと重ねた。

新しく手に入れた「双尾裂空デュアルテイル・エアカッター」。

なんとなく、その使い方はわかっている気がする。

「ヘイ!ダブル!!お待ちどおさまぁぁ!!!」


僕は、重ねた尻尾を、左右にパッと分かつように振るった。

コンパスが半円を描くような、滑らかな一閃。


――シュンッ。

音は、後からついてきた。

どうやら、尻尾の振りも、敏捷150らしい。

「双尾の一振り」。

それは、大気そのものを物理的に断ち切る速度。

スキルによる隠蔽でも、魔法的な不可視化でもなく、 ただひたすらに、物理法則の限界を超えた「速さ」のみが、視認不能な真空の刃を形成する。


パシュッ、という乾いた音が闘技場に二度響く。

「……グアッ……!?」

ケルベロスの巨体が、がくりと崩れた。

何が起きたか分からぬまま、巨体を支えていた頑強な前足の腱が、不可視の刃によって正確に断たれたようだった。


ドスン、という地響きと共に、巨大な前足が僕の目の前に叩きつけられる。

それはまさに、巨大な「お手」の姿勢。

「はい、よくできました! お手、100点満点!!」

僕は、偶然(?)差し出された巨大な肉球の上に、ひらりと着地した。


どうだ、この圧倒的な「ちび」の力!!

小×大=超ではなくぅ、小×大⇒小なのだぁぁ!!!


ケルベロスの六つの瞳が、ようやく僕を捉えた。

そこにあるのは、獲物を見る捕食者の目ではなく、未知の恐怖に直面した生物の震えだった。


「クゥーン……」

地獄の番犬が、情けない声を漏らして三つの頭を地面に擦りつける。

「格付けcheck」は終わった。

犬も歩けば棒に当たる。そう、猫は当たらないのだぁぁぁ!!


かくして、猫(仮)vs犬(真)の、ちび(今は)vsでか(元々)の、1(ヘッド)vs3(ヘッズ)の、究極の決戦は、1匹のちび猫の「一方的なお手」を以て、幕を閉じた。


ケルベロスの巨体が、ゆっくりと光の粒子に変わっていく。

第2層の隠しボス(暫定)が、完全に消滅しようとしていた。

そして、その後に残ったのは、禍々しい紫色に発光する巨大な「魔石」だった。

僕の喉が物欲しそうに、「ニャウ〜」と鳴っている。


「おぉ……。これ、絶対高いやつだ....」

そうそう、猫に小判、豚に真珠、陰キャに口説(くどき)

「猫に小判」以外はどれも真実だろう...? え?僕だけ...? んな...アホな...。。。

ちなみに、「猫に小判」って言うけど、人間(未来予想夢Ⅱ)の僕にとって、価値はわかるし、なんなら欲しいからねっ!!

「飼い主するなら、金をくれ....」。。。チュールはいらん....


僕は魔石を前にして、ごくりと喉を鳴らした。

これを食べれば、新しいスキルが手に入る。強くなれる。

そういうことだろぉ?? Neah(ニェァァァ)!!


さて、強くなれば、人間に戻れるのだろうか....? 強くなって、神獣とかになれば、人間になれちゃったりして....!!

僕は魔石を口にした。

カリカリカリッ....


あ.......ちょ....えぇぇぇ??


(いや……落ち着こう。この魔石はケルベロス仕様だ.... つまり犬だ..... ってことは....やっぱり、これを食べたら、僕の頭も三つに増えちゃう感じですかぁぁ!? 『三頭猫ケルベにゃん』とか、そんなキャラ被りな進化はやめてぇぇぇ!! せっかくのダンディー(猫)が台無しになるぅぅ!!)


僕は必死に、神様に祈った。

三つ首だけは勘弁して。五本指が欲しいの。スマホが触りたいの。


ピロン!!

『――個体名:フロストフレアキャット。特殊スキル:【影移動シャドウ・ステップ】を習得しました』


(……よかったぁぁぁ!! 見た目は猫のままだぁぁ!! 万歳! 万歳!猫猫歳....??)

いや、目的を忘れるな、僕..…!!

喜んだら、そこで人生終了だよ.....!!


とまあ、早速、スキルを見てみよう。

影移動。自分の影から、周囲の影へと瞬時に転移するスキル。

つまり、今の僕の敏捷と組み合わせたら、文字通り「消える」ことができる。


なんか嬉しくなっちゃって、闘技場で一人、自分の尻尾を追いかけてくるくる回っちゃったね。


勝利の余韻に浸る時間は、僕(陰キャ)のトークほどしかなかった....

目の前に、またしてもあの「黒い召喚陣」が口を開いたのだ。

まるで「お前の用事は済んだ、次へ行け」と命じているかのように。


「え、待って、確かに、MP満タンだけどぉ……。今は、勝利のキメポーズのバリエーション考えてる最中なんだけどぉぉ!!」

抵抗する間もなく、強制的に召喚陣の引力に吸い込まれる。

あの、えげつないG。 内臓が裏返り、三半規管がダンスを踊る、雑なワープ演出。


「うぷっ……もう嫌だ、ワープ禁止法とか作ってよぉぉ!!」

光が弾け、僕の意識は再び混濁した。


   * * *

【ヘイパスの洞窟:第2層隠し部屋】

数分後。 神代正宗率いる、ハンター協会の精鋭部隊が、その場所に到達した。

「……ここか。岩壁を溶かして扉を作るなど、前代未聞だ」

正宗の声は低く、苛立ちを含んでいた。

ネット上では「猫様」の行方を追うハンターたちがヘイパスの洞窟に殺到し、カオス状態となっていたが、この隠し部屋にたどり着けたのは、Sランクである彼の直感と、精鋭たちの解析能力だけだった。


「正宗様、召喚陣の反応があります。……現在、起動中。誰かがこれを使用しました」

「……追うぞ」

正宗たちは、迷わず陣をくぐった。


転送の衝撃を完璧に殺し、武器を構えて着地する。

「…………な、んだ、これは」

A級ハンターの一人、降矢(おりや) (はじめ)が、呆然と声を漏らした。

そこは、氷の薔薇が咲き誇る、幻想的な闘技場だった。

だが、その美しい景色の中央で、「何か」が崩壊していた。

それは、伝説の災厄指定モンスター、ケルベロス。 そのはずだった。

だが、そこにいたのは、全身をズタズタに切り裂かれ、前足を失い、光の粒子となって霧散していく「残骸」だった。


「ケルベロスが……倒されたというのか? この短時間に……我々が到着する、わずか数分の間に」

正宗は、消えゆく魔物の中心へ歩み寄った。 そこには、闘技場の冷たい床に残された、一つの小さな、そして鮮明な「猫型の足跡」。


「……ただの猫ではない。これは、既存のランク付けでは測れない『特異点』だ...」

正宗の手が、怒りと興奮で微かに震える。

「全ハンターに告げろ。ターゲットはもはや『愛玩対象』ではない。人類の脅威、あるいは人類を超える超越者だ。手段を選ぶな。あの猫を、生かして、あるいは死体でもいい、私の前に連れてこい」


地上の狂騒は、もはや「バズり」の域を超え、一つの「戦争」へと変貌しようとしていた。


   * * *

(……う、うぅ……気持ち悪い……)

一方、ワープの衝撃で地面に突っ伏していた僕は、ようやく顔を上げた。

「……ん、今度はどこ? またお風呂? それとも今度は高級レストランかなにか……?」

「……何、これ」

目の前にそびえ立っていたのは、見たこともない質感の壁だった。

触ってみる。ビクともしない。


「グルゥゥゥ....」

僕のお腹の音でないことは確かだった。僕はゆっくりと振り向いた。

—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

にゃーのスピnド・OFF:「えー、本日の気づき。魔石を食べると、頭の中に直接『美味しいです』って信号が来るのは、新手の洗脳ですか? 猫生、捗りすぎて怖いんだけど! 影移動も手に入れたし、これで最強のストーカー(猫)になれるね!……って、喜んでる場合じゃないよ! 振り返った時のあの唸り声、絶対お腹空かせてるよね!?……ニェァァァ!!」


【お読みいただきありがとうございます!】

次話は、ついに、決戦!!

~高評価やブックマーク、感想等いただけるとありがたいです!~ 

E.Nyawardにゃわーど:「「おはようございます! 朝早くからお付き合いいただき、感謝の極みにゃす。

進化した結果、なんだか背筋が伸びた気がします。でも中身は相変わらずの僕ちゃんなので、急に高貴な扱いをされると肉球がムズムズしますね。そろそろ人間の言葉を喋りたい……けど、このままでもいい気がしてきた自分もいて、複雑な人(猫)心です。

今日も一日、皆様に幸あれ! もしよろしければ、出勤・登校前にブックマークを『肉球』でポチッとしていただけると、今日一日のやる気が神速(敏捷150)でチャージされます!……次話も、よろしくお願い致しにゃす!」」

――――――――【他作品も全力執筆中!】

更新をお待ちいただく間に、こちらの作品もご一読いただけると幸いです!

・『自分』と『推し』のために暗躍する無能(偽)な護衛

【無双×悪役令嬢×暗躍×チート×恋愛】 → 悪役令嬢の護衛でありながら、別の「推し令嬢」を救うために裏で無双する暗躍劇です!


・『【武の極致】と【フェンリル】の力を以て、三つの世界で覇者となった俺』

【戦×無双×成長】 →天下を争う軍記モノです!※後々、魔法や異世界系に変わっていきます!


・『生涯、病室だった俺、異世界で自由な体を手に入れたので、天下を獲ることにした』

【戦×無双×成り上がり×領地経営×魔法】 → 成り上がり無双譚です!


・ロード・オブ・ザ・キャット~「人生」取り戻すために、「猫生」極めすぎたら、世界を救ってたって、それ営業妨害ですか.....?~

【無双×成り上がり×成長×魔法×猫×勘違い×コメディ】→「人生」を得るために「猫生」で無双する、勘違い無双譚です!

⇧※本作です。これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!



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