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#4 人間失格。猫又合格。

ブックマーク、高評価、ありがとうございます! 

引き続き、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします~

【前話のあらすじ:オークの群れを倒したことで、進化可能レベルであるレベル5まで上がった「僕」。進化先には、「人」はなく、偏った説明と共に、「猫」の進化先のみが示されていた.....】

さてと、神様の趣味がフル装備なのはフル無視するとして....

うーん....「ミニウィンド」で手のひらサイズになって愛玩されるのも、「ブラストミャウ」でトラ柄のおっかない猫になるのも、僕の人生計画にはない。

甘い声を響かせるアイドルになってしまった暁には 、きっと「最大多数の最大猫福」が到来してしまう。

それに、こんなの、運営(神様)が「これ選べよ? こっちの方がグラフィックに予算かけてるからさ」って圧力をかけてきてるようなもんなのだ。


「わかったよ! 選べばいいんだろ、選べば!!」

僕は半ばヤケクソ(いや...なぜか気分は上々です...)で、【フロストフレアキャット】をタップした。


その瞬間、視界が純白の光に包まれた。

体が熱い。細胞の一つ一つが組み替えられ、より高密度のエネルギーへと再構築されていく感覚。

(来る……! 頼む、せめて指だけは! 五本の指だけは返してぇぇぇ!!)


……30分程だろうか、激痛が収まり、発光していた僕の体も仕上がっているようだった。


僕は恐る恐る、自分の体を確認した。

視界に入ったのは、今まで以上にシルキーで、宝石のように輝く毛並み。

淡い青と朱色が、まるで夕暮れ時の空のように美しく混ざり合い、鮮やかなグラデーションを作っている。 そして……。


「……あ、尻尾が二本ある」

パタパタと動く、二股に分かれた尻尾。

一本は氷のように冷たい青、もう一本は燃えるような朱色。

……うん、めちゃくちゃ綺麗だね。 ……うん、めちゃくちゃ格好いいよ。

……うん、これもう猫じゃなくて「猫又」だよね!? 妖怪のたぐいだよね!?


近くにあった水たまりを覗き込む。

そこには、以前の「可愛い猫ちゃん」を卒業し、どこか神秘的で、気高く、美しすぎる「神獣」の幼体のような姿が映っていた。

瞳の色も、右が蒼、左が紅のオッドアイに変わっている。

(……あ、これ……なんか....いいかも.....僕、めちゃくちゃ完成された『猫』になっちゃってる……)


僕は前足をすっと上げて、喋り始める(鳴き始める)。

「えー、皆さん!僕は今、F級ダンジョン「ヘイパスの洞窟」の第2層に来ています。どうやら、僕が一番乗りのようですね!」

「さて、ダンジョンで最初の遭遇イベントといえば、ゴブリンやスライムが定番だと思いますが、なんと私たちはすごいものに出会ってしまいました!! それがこちら! とってもダンディーな猫ちゃんです!」

「って違うんですけどぉぉぉ! ダンディーは嬉しいけどぉ、猫ちゃんはOUTぉ!!ってか、人間に戻れないどころか、余計に猫としての『完成度』が上がってどうすんですかぁぁぁ!! 神様ぁぁぁ!!! 僕をどこへ導こうとしてるんですかぁぁぁ!!!!」

ダンジョンの第2層に、僕の魂の絶叫(ミャーォォォォォン!!)が空虚に響き渡った。


……はぁ、はぁ。 叫び疲れて、僕はその場にへたり込んだ。

二本の尻尾が、僕の意志とは無関係に優雅に揺れている。

気を取り直して、僕は前足で自分の顔を洗った。

この新しい体は、魔力の循環がさらにスムーズになっている。

五本の指は手に入らなかったけど、この肉球のグリップ力はさらに増している気がする。


その時、僕はふと思い出した。 さっき第1層からここへ下りてくるときのことだ。

(……そういえば、第1層のあの場所……)

僕が目を覚ました、あの場所。

僕のすぐ後ろには、この第2層へ続く召喚陣があった。

入り口の鉄の扉から、あの場所までは結構な距離がある。

ユウナちゃんたちは入り口から入ってきた。

そして僕は、下層行きの陣の「真ん前」に、まるで守護者のように配置されていたんだ。


(……おかしくない?)

普通……ダンジョンの第1層って、入り口があって、道中に弱い魔物がいて、一番奥にボスがいて、そのボスを倒してようやく次の階への移動陣が開くもんじゃないの?


入り口から来た人にとって、あの場所は「最奥」だ。 そこにいたのは、僕だ。

そして、僕がそこにいた時、僕の周囲には他の魔物はいなかった。

ユウナちゃんたちが鉄の扉を開けて入ってきた「後」になって、どこからともなくゴブリンたちが湧いてきたんだ。


(……え、これって……もしかして……)

僕がいた場所が、ボスの定位置だったとしたら。 このダンジョンの「本来の第1層のボス」は、一体誰だったんだ?


もし僕があそこにいなかったら、入り口から入ってきた探索者は、ボスもいない空っぽの最奥にたどり着いて、そのまま次の階へ行けたはずだ。

それとも……神様あのジジイは、僕を「第1層の暫定ボス」として配置したのか? でも、人が入ってくると勝手にゴブリンが湧き出すシステム……。


(……このダンジョン、何かがおかしい。ルールが壊れてるのか、あるいは誰かが意図的に書き換えてる気がする)

僕は自分の二本の尻尾を見つめた。

この先、第2層のボス部屋には誰がいるんだろう。

もしそこにも「召喚されたばかりの誰か」が困惑して座っていたら?

あるいは、僕を「ボス」だと思って襲ってくる探索者が次々に現れたら?


「……まあ、考えても仕方ないか。僕には、この最強の『肉球』と、無駄に気合の入った『グラデーション毛並み』があるんだしね」


僕は最後に、新形態での「キメポーズ」を試してみた。

二本の尻尾をハート型に交差させ、オッドアイをキリッと輝かせ、前足をシュッと上げる。

(……うわ。自分で言うのもなんだけど、破壊的な美しさだわ、これ。確実にバズるわ)


僕は自分の姿に(猫として)満足しつつ、さらに深い第2層の深奥へと足を踏み出した。

進化しても中身は変わらない。

最強の猫(元人間)の、受難と無双の旅は、まだ始まったばかりだ。

「いざ、第2層攻略! 待ってろよ、神様!! 次こそは人間に戻せよぉぉ!!」

青と朱の閃光が、迷宮の奥底へと消えていった。

—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

にゃーのスピnド・OFF:「えー、本日の教訓。尻尾が二本になると、感情の表現が二倍になるかと思いきや、左右バラバラに動くから肩が凝ります。猫に肩こりってあるの? あと、自分の姿に自分で見惚れて自撮り(配信)しようとしたら、スマホ持てないことに気づいて猫ティブになりました。指……五本の指をください……ニェァァァ!!」


【お読みいただきありがとうございます!】

次話は、ついに、同格のあいつと.....!! 

~高評価やブックマーク、感想、リアクション等いただけると、執筆の励みになります!~ 

E.Nyawardにゃわーど:「#4、いかがでしたでしょうか? もし面白かったら、下のブックマークボタンを『肉球』で優しく叩いていただけると嬉しいです(人間の方は指で大丈夫です)。皆様の反応が、私の毛並み(肌)をツヤツヤにしてくださると思っています!22時頃に、また毛繕いしてお待ちしています。次回も、よろしくお願い致しにゃす!」


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