第6話
八年前の二十XX年四月三十日は何の日だと問われれば、日本国民は口を揃えて答える。
『ブラックサンデー』、と。
『ブラックサンデー』は、日本各地で同時に多数のテロが起こった日。
日本ではテロは起こらないという、それまでの安全神話を跡形もなく破壊した、忌むべき日。
特筆するべきは、思想が全く異なる十以上のテログループが同時にテロを起こした、世界でも類を見ない同時多発テロだったこと。負傷約二千名、死者四百七十一名、行方不明者百二十一名。日本史の中で最悪のテロ被害である。
当時の日本政府は手口も、思想も、要求も、全く異なるテログループ達に対処出来なかった。テロリスト達に日本が支配されるのではと、日本国内外で懸念された。
しかし、その日の内に全てのテロは解決する。
日本を救ったのは、警察でも自衛隊でもない。
後に参機関と呼ばれる、三つの民間組織。
武力をもって、テロリストを殲滅する『パニッシャー』。
交渉や要人護衛に特化した『ガーディアン』。
情報収集、情報戦を得意とする『ウォッチャー』。
この三つの組織が突如現れ、彼らの活躍により日本は救われたのだ。
しかし、『ブラックサンデー』は単なる序章に過ぎなかった。
以降、世界各地でテロが急増。『ブラックサンデー』に触発され、テロリスト達が行動を起こし始めたのだ。もちろん、各国も黙ってはいない。活発化するテロリストに対抗するため、警察組織や軍の装備を強化した。
日本も例外ではない。ウォッチャーと連携し、対テロ用のシステムを次々と国内に構築。それらを使用し多くのテロ事件を未然に防き、市民の命を守ってきた。
だが、テロとの戦いは終わりが見えない。
今この瞬間も、世界各地でテロが起きている。
これは若きウォッチャー、天野旭が己の信念、正義を貫き、テロリストと戦う物語である。




