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家族の食卓【後編】〜大学卒業して1人暮らしを始めた娘を思う母親と父親の気持ちが切なすぎる!

『家族の食卓』後編へようこそ。


前編では 娘の視点 から、父親との思い出や、家具がつなぐ 家族の絆 を描きました。

後編では 父の視点 から、娘が旅立つときの心境や、 食卓が持つ意味 を語ります。


親は子どもの幸せを願いながらも、旅立ちの日が近づくと寂しさを覚えるもの。

しかし、食卓のように、 家族のつながりはずっと続いていく――

そんなメッセージを感じ取っていただけたら嬉しいです。


また、本作は ボイスドラマ化 され、Spotify、Amazon、Appleなどで配信中。

服部家具センター 『インテリアドリーム』公式サイト でも視聴可能ですので、

ぜひ、音声でも 父と娘の想い を味わってくださいね。


それでは、後編をお楽しみください。

登場人物

・主人公(24歳)・・・名古屋市内で1人暮らしのOL。実家の父母とはなかなか会えない

・主人公の父(51歳)・・・地元の建設会社を経営。妻とは半分かけおちで結ばれている

・主人公の母(53歳)・・・夫の仕事を手伝いながら民謡も教える唄者


【Story〜「家族の食卓」後編/父の思い】


妻:「あら、手紙。届いてたのね」


夫:娘から届いた手紙を、興味なさそうな顔をして手にとり、妻が台所へ立った。

それはいつものこと。

涙もろい性格の妻だから、きっと目を潤ませて文字を追っているに違いない。

じっと佇む妻の後ろ姿を見ながら、

食卓に腰掛けて、私は6年前のあの日を思い出していた。


夫:「なあ、本当に見送りに行かないのか?」


妻:「ええ。だって、私たち2人でいっちゃ二対一で可哀想じゃない」


夫:「なんだそれ、喧嘩しにくんじゃないんだぞ」


妻:「あなたが1人で行って都会の厳しさをちゃんと伝えてきてくださいな」


夫:「そうか・・・」


妻:「いま私、あの娘の顔を見たら、行ってらっしゃいがうまく言えないもの」


夫:娘が地元を離れて旅立つ日。

いつかはそのときがくるってわかっていたものの、

いざその日が来ると、どうにも逃げ出したくなるのが父親の弱さなのか。

心細い思いで留守を守る妻を横目に、勇気を出して娘を空港へ送った。

ところが・・・


妻:「え!?そのままついてっちゃったの!?」


夫:「そうなんだ、部屋は決めてあるのに、家具はなんにもないって言うもんだから」


妻:「やだ、家具はいらないからって言ってたのよ、あの娘」


夫:「それが、1DKの部屋に収納はなんにもないそうなんだ」


妻:「あなたの会社で、作ってあげればよかったのに」


夫:「そんなことはできないよ」


妻:「そうねえ、じゃあせっかくだから、ゆっくりしてらっしゃいな。

あの娘には、大学でハメはずさないように、って言っといてね。

一応、箱入り娘なんだから(笑)」


夫:朝の切ない表情から少しだけ明るくなった声振こわぶりに安心して、

私は娘と家具屋に向かった。

インテリアスタジオ・・・?

あゝ、こういう言い方もあるんだな。

明るく広い店内にディスプレイされた、

ダイニング、リビング、ベッドルーム・・・

娘と2人、適度な距離をとって家具を選んでいく。

そういえば、25年前妻と一緒になるときは、あわてて家具を揃えたっけ。


妻:「・・・あなた」


夫:「え・・・あ、ああ、すまない。少しぼうっとして・・・」


妻:「あの娘の手紙、読んだの?」


夫:「あ、いや、あとから読むから」


妻:「なにを考えていらしたの?」


夫:「うん、25年前に君と家具選びをしたときのことさ」


妻:「まあ。あの頃はほんと、若かったわよね」


夫:「お義父さんに反対されて、なかば駆け落ち気味だったし。

慌てて選んだもんなあ」


妻:「でも、あなた食卓にはすごくこだわって」


夫:「ああ、たとえ家を出て離れていても、

家族が集まる場所だけは絶対に必要だから」


妻:「娘の部屋にもね」


夫:家具ひとつ、食卓ひとつで、生活に彩りが生まれ、家族はつながっていく。

幸せを紡ぐ糸のように、インテリアはこうして物語を結んでいくのだろう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この物語を通じて、 家族の食卓が持つ特別な意味 を感じていただけたでしょうか?

たとえ離れて暮らしていても、食卓の思い出があれば、心はいつでもつながっている。

家具が持つ温もりとは、そこに宿る 人の想い なのかもしれません。


本作は アニメ『Interior Dream』 と連動し、ボイスドラマ化 もされています。

Spotify、Amazon、AppleのPodcastや、服部家具センター公式サイトで配信中!

ぜひ、音声版でも 食卓に込められた家族の愛 を感じてみてください。


次回もまた、家具がつなぐ 心温まる物語 をお届けします。

それでは、またお会いしましょう。

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