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破離刃離☆勇者ハリガネⅣ~この世から捨てられた奴等が行き着く地、パルメザンチーズ山脈~  作者: 田宮 謙二


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水面に映った赤黒い炎


...。


......。


.........。


最終回だから来たぞ。


...話?


そんなものは無い。




~祈祷師マカオ~




ハリガネは基地に掘られた穴を通って地下を下りていき、鍾乳洞に存在する湖の前に足を止めた。


「飲水や調合用の湖とはいえ、身体じゃなくて顔洗うだけだからな~。そのためにわざわざ外へ出るのは危険だし...」。


ハリガネはそう呟きながら手で青色の水を両手で掬い上げ、その場で顔を洗い始めた。


(ライダーというノンスタンスのメンバーがあのイエモン先輩と対戦して逃げ切れた。まぁ、話を聞いただけだから本当にイエモン先輩かは断定できないが、部隊の強襲から逃れてきたわけで実力が相当である事は確かだな...。そんな奴がデイや残党と行動を共にしているのは厄介だな...)。


ハリガネは自身の顔を袖で拭いながら湖の周囲を見渡した。


鍾乳洞内はパルス達が設置した白く光る魔法陣が周囲を明るく照らしていた。


(それと、この間オッサンからデイと賊団エミールが接触していたっていう話もあったし、デイがライダーっていうメンバーを含めた戦闘組がエミール側についたという可能性も十分あり得る...。そのエミールもローの証言を聞いてたら強力な組織みたいだし、今回接触したゴクアクボンド...そしてもう一つの有力賊団ヒラメキーナの動きにも警戒しながらこの部隊で活動しなければいけない...。う~ん、部隊の強化は着実に進んでるんだけど、山脈の現状を考えると“アルマンダイト”の討伐はまだ先の事になりそうだなぁ~)。


「はぁ...」。


ハリガネがそう考えつつ溜息をつきながらうなだれていると、後方からゴリラ隊員が姿を現した。


「何で溜息ついてんだ? 」。


ゴリラ隊員はハリガネにそう声をかけながら湖の水を片手で掬い上げ、一気にその水を飲み干した。


「いや、少し気を休めてただけですよ。今日はシアターさんと賊団ゴクアクボンドのアジトでずっと偵察してましたからね」。


ハリガネがその場で背伸びをしながらそう答えると、ゴリラ隊員は神妙な表情を浮かべながら納得した様子で何度か頷いた。


「うむ、今日はよくやった。負傷する事無く無事に帰隊し、有力な情報をしっかりと収集してくれたな。しかし、ゴクアクボンドも”アルマンダイト“の討伐があるとはな...」。


ゴリラ隊員はそう言いながら両腕を組んで湖を眺めていた。


「まぁ、今回接触したゴクアクボンドの方は商人として友好的な関係を築く事ができたんで、そっちは何とかなりそうです」。


「上手くやったつもりでも相手は賊団だ。その事を忘れるなよ? 」。


「ええ、もちろんです」。


ハリガネはゴリラ隊員にそう答えるとその場に座り込み、二人の間にしばらく沈黙が流れた。


「...」。


静寂の中、澄んだ青い湖の水面は緩やかに波打ち、辺りはその水音が静かに響いていた。


「...あの遊び人が言っていたな。デイとエミールの動向が気になるのか? 」。


ゴリラ隊員がそう話を切り出すと、ハリガネは険しい表情を浮かべながら両腕を組んだ。


「そうですね...。手を組んだのか友好関係を結んだのか、その後どういう展開になっていったのか分かりません。山脈にいる賊団や”アルマンダイト”...色々と気になる事はありますが、特にデイとエミールが接触していた事はやはり気になります。もし、双方が手を組んだとなると...厄介ですね」。


「ふむ、ノンスタンスは王国から山脈へ逃亡してエミールのテリトリーに身を隠していた。そして、奴等はエミールのテリトリーだけでなく、ゴクアクボンドのテリトリーにも侵入していた。その後、その双方とも抗争を山脈内で展開した。しかし、既に王国でダメージを受けていたはずのノンスタンスが有力な賊団とまともに戦えるとは...」。


ゴリラ隊員は不意に話す事を止め、ハリガネの方に視線を向けた。


「...」。


ハリガネは黙ったまま水面に映っている自身の顔を睨み付けていた。


「ノンスタンスのライダー...か」。


ハリガネの心情を察したゴリラ隊員はそう言って話を続けた。


「確かに、あのイエモンと対等にやり合えたという事はにわかに信じ難いな。だが、あまり執着するなよ。俺達の任務は...」。


「分かってます」。


ハリガネは静かな口調でゴリラ隊員の言葉を遮り話を続けた。


「現況がどうであろうとミッションは国王に命を受けた”アルマンダイト”討伐...。俺達は必ず”アルマンダイト”を討伐してポンズ王国へ帰還しましょう。反逆者という事実無根の汚名を着せられたまま、このまま人生終われないっすよ...」。


「...」。


その時、水面に映ったハリガネの瞳の奥に、赤黒い炎が燃え上がっている事にゴリラ隊員は気付いていた。





こんにちは、作者の田宮タミヤ 謙二ケンジです。


この度は『破離刃離☆勇者ハリガネⅣ~この世から捨てられた奴等が行き着く地、パルメザンチーズ山脈~』の御愛読ありがとうございました。


私事ですが、最近挿絵を自身で作成し始めました。


まだまだ未熟ですが、この作品に関する情熱を胸に投稿を続けながら作画も並行して作り続けていきたいと思います。


物語自体はまだまだ続きますので、新シリーズに是非御期待ください。


重ねてですが、勇者ハリガネシリーズの御愛読ありがとうございました。



田宮 謙二


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