表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破離刃離☆勇者ハリガネⅣ~この世から捨てられた奴等が行き着く地、パルメザンチーズ山脈~  作者: 田宮 謙二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/62

魔法と鉱石


え?


酒は飲まないと言っておきながら、随所で飲んでたじゃねぇか...って?


それは仕方がないさ~。


俺が飲んでた時って、偵察の時でしょ?


リスクを乗り越えるためにはそうせざる得ない時もあるって事さ。


...でも、ゴクアクボンドのアジトで飲んだ赤ワインは美味かったな~。




~討伐部隊“勇者”ハリガネ=ポップ隊長~




「錬金術師...か。同じく魔力を操る魔術師の中でも更に突出した能力を秘めている人間で、ポンズ王国でも魔法使いから一目置かれている存在である事は聞いてましたな~」。


ゴリラ隊員がそう言うと、パルスは頷きながら話を続けた。


「ええ、錬金術師は魔力を使って物資を融合させたり分解させたり、物質によって魔法効果を加えたり変動させたりする能力を持ってるんっすよ~! それで、さっきも話したように鉱石は様々な性質を持った魔力を宿らせているんですが、その鉱石の魔力を効率良く引き出しながら様々な物資と合体させて特殊な物質を召喚させる事が可能なスペシャリストってのが錬金術師というわけなんですね~! 錬金術師は様々な業種でも活躍してますからね~! それに、王国内にある大手の魔法道具製造会社とか業者なんかは必ず専属の錬金術師を雇用してますし、魔術関連の行政機関も専門錬金術師を各部門に配置していますよ~! つまり、錬金術師は各分野で王国の発展に大きな貢献をもたらしてきたってわけですね~! 」。


「魔法を操る能力者の中でも錬金術師は特別な存在だと王国内では聞いてました。僕がまだ軍に配属していた戦中期でも、兵器やトラップの強化や開発とか施設や武器の分野で活躍してましたね。巨力な物質を魔力で召喚したり強化したりできる錬金術師は確かに魅力的ですね」。


ハリガネは神妙な面持ちのまま両腕を組んでそう言った。


「さすがに錬金術師を部隊に引き込むのは現実的じゃないですけど、物質強化やトラップ開発の素材になる鉱石は欲しいところですかね~。オイラはある程度鉱石に関する知識は持っているつもりっすけど、錬金術師みたいな完璧な錬金術は使いこなせないっすね〜! 」。


「鉱石か…。そうなると、やはり鉱山はパルメザンチーズ山脈の方面にあるという事になるのか…」。


パルスの話を聞いていたゴリラ隊員は険しい表情を浮かべながら静かな口調でそう言った。


「いや、確かに鉱石はパルメザンチーズ山脈に行けばありますけど、鉱山や鉱石の採集できる場所は賊団ヒラメキーナのテリトリー区域に存在しているはずです。昔はゴクアクボンドのテリトリーでも鉱石が発掘されていたらしいんですけど、長年採集し続けたせいか枯渇化してもうほとんど手に入らないと聞きましたね〜」。


ローはゴリラ隊員にそう答えながらハリガネのグラスに酒を注いでいた。


「だから、俺は飲まねーって。何、どさくさに紛れて…あっ! そういえば、お前この間ヒラメキーナのテリトリー内は鉱物資源が潤沢だって言ってたな? 」。


「はい、ヒラメキーナのテリトリー内には鉱山が複数存在しているんでたくさん鉱石が取れるんですよね~。おそらく、鉱石はヒラメキーナが陣取っているテリトリー内でないと取れないと思いますよ。エミールのテリトリー内では地理的に鉱石は取れませんからね~」。


「ふむ...やっぱり鉱石の発生源は、ヒラメキーナのテリトリー内になるっていう事か...」。


ローの言葉を聞いたハリガネは険しい表情を浮かべてそう呟いた。


「でも、救世主ハリガネ=ポップ勇士ならヒラメキーナも楽勝でっせ~! なんせ、あのゴクアクボンドも蹴散らしたんですから! ヒラメキーナも楽勝ですよ! 」。


満面の笑みを浮かべるローはハリガネにそう言いながら自身の両腕で力こぶを作った。


「いや、そもそも俺はゴクアクボンドのアジトへ行っただけで蹴散らしてないし...。てか、救世主はやめろって...。あ、それともう一つ聞きたい事があるんだけどさ~」。


「はいっ! 何なりとっ! 」。


「さっきアネックスがライダーがどうのこうのって言ってたけど、ライダーってのもノンスタンスのメンバーなのかい? 」。


ハリガネがそう問いかけると、ローは表情を曇らせて自身の頬を人差し指で掻きながら返答に躊躇していた。


「あ、いや...。自分は戦闘組じゃないしノンスタンスに加入して日が浅いんで、あまりライダーの事は分からなくて...」。


「そうか、じゃあ...彼等に聞き込みしますか」。


ハリガネがそう言いながら隊員達に目を配らせた。


「その方が良いかもな...」。


ゴリラ隊員は険しい表情を浮かべたまま、厳かな口調でそう答えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ