表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破離刃離☆勇者ハリガネⅣ~この世から捨てられた奴等が行き着く地、パルメザンチーズ山脈~  作者: 田宮 謙二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/62

国民的修道女の失踪


...。


習慣というものは辛いものだな。


環境上、仕方が無いとはいえ禁煙を強いられるのがこんなに辛いとは...。



~討伐部隊“勇者”ゴリラ隊員~




パルスとシアター、そしてノンスタンスのメンバー数人が夕食を作っている最中、ハリガネや隊員達は依然として意見交換を続けていた。


「しかし、お前が賊団から狙われている事を考えると、これからは迂闊に外へ出るのが難しくなってくるな。しばらくは基地で周囲を静観してた方が良さそうだな。それに、チャールズやフユカワのおかげで魔法陣のスクリーンからソイ=ソース国をメインとしたニュースもここで手に入るようになったしな」。


ゴリラ隊員はそう言いながら監視スクリーンの隣に設置されたスクリーンに視線を向けた。


「まぁ、今回は緊急事態でしたから、しばらくは偵察よりも基地内で“アルマンダイト”討伐に向けての作戦や自作できるトラップや兵器の充実化を...ん? 」。


その時、ハリガネ達は怪訝な表情を浮かべながら、未だに背後から抱きついているアネックスの両腕を振り解いてそのスクリーンに近づいた。


「どうした? 」。


ゴリラ隊員も怪訝な表情を浮かべてスクリーンを凝視するハリガネにそう問いかけた。


「失踪したポンズ王国の国民的修道女、ポンダ=ライスフィールド未だ発見されず。歌手や女優として活躍...逃亡したノンスタンスが混乱の最中に拉致した可能性も」。


ハリガネはスクリーンをタッチしながらそのニュース記事の詳細を読んだ。


「あ~! それね~! 王国内がずっとパニックになってるみたいなんですよね~! ノンスタンスが王国へ侵攻した後に修道女のポンダ=ライスフィールドさんが行方不明になったんですよ~! ノンスタンスが騒ぎを起こした後だったんで、ポンダさんがノンスタンスに拉致されて今後の交渉手段に利用するつもりなんじゃないかという憶測も飛び交ってましてね~! まぁ、今のところ王国の方では何も手掛かりが掴められていないみたいですよ。彼女の所属している修道院はその対応に追われてて混乱状態みたいです」。


チャールズはハリガネにそのニュースに関しての詳細を淡々と説明した。


「...」。


ハリガネは神妙な面持ちで黙ったままスクリーンを眺めていた。


そのスクリーンの中にはコンサートライブらしき催しの檀上に立ち、茶髪ロングヘアーのポンダがマイクを片手に熱唱している姿が映し出されていた。


「おい、何だ? 何か気になる事でもあるのか? 」。


「...いや、何でもないです」。


ハリガネはスクリーンを一瞥しながらゴリラ隊員にそう答え、椅子に座り直した。


「~~っ! ハーたんはあんな女がタイプなの~?? ハリガネ=ポップコーンたんの浮気者~! 」。


アネックスはしかめっ面で頬を膨らませ、再びハリガネの首に背後から抱きついてきた。


「さりげなく付き合ってますアピールしてんじゃねぇよ、テメー。いい加減にしねぇとサブマシンガンで蜂の巣にした後に火炎瓶で簡易火葬すんぞ、コラ」。


「火葬の時も一緒だよ~! コーンポタージュたん! 」。


「...お前、ボキャブラリー尽きたろ? 」。


ハリガネはアネックスにいちいち言い返すのが馬鹿らしくなっている様子で、疲れた表情を浮かべながら黙り込んだ。


「おっと! ヤマナカ君~! 僕達もご飯前に作業再開しようか~! 」。


「そうですねっ! 再開しましょうっ! 」。


ミツカとヤマナカはそう言って椅子から立ち上がった。


「え? また外へ出るんですか? 」。


ハリガネが眉をひそめてそう問いかけると、ミツカは首を横に振った。


「ううん、施設の拡張をしててね~! 」。


「施設の拡張...? 」。


ハリガネは首を傾げてそう聞き返した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ