表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破離刃離☆勇者ハリガネⅣ~この世から捨てられた奴等が行き着く地、パルメザンチーズ山脈~  作者: 田宮 謙二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/62

“アルマンダイト”の巣窟、クリームチーズ火山


アイツ等、遅いな...。


集団と接触したようだが...。


殺されてなければいいんだがな。




~討伐部隊“勇者”ゴリラ隊員~




「“アルマンダイト”の住処っ!? ハリボテ=ポップは山脈の中心部にあるクリームチーズ火山まで向かったっちゅうんですかっ!? 」。


セブンが困惑した様子でそう言うと、ケンキョウは何も言わずにただ頷いた。


「そんなっ! クリームチーズ火山へ行ったら奴等の餌になるだけやないですか! あんな“アルマンダイト”だらけのあの火山へ辿り着いたら、よう生きて帰れへんって! 」。


「俺もそう思っていた。奴が“アルマンダイト”に食われるのも時間の問題だろう、と。クリームチーズ火山なんてマグマや“アルマンダイト”みてぇな火竜族魔獣しかいねぇ。まぁ、いずれにせよ人間がそんな火山に入ったらもう終わりよ。しかし、奴はメンバーの何人かと火山へ向かった。そして、火山の区域に入っていくのを、そのメンバー達が見届けたのが奴の最後の姿だった。それ以降、奴の行方は分かっていない」。


「結局、火山の中へ入っていったんですかい。“アルマンダイト”狩りに失敗して王国からも追放されて、恐戦士は何もかも失って正気じゃなかったんちゃいますか? 」。


セブンが苦笑しながらそう言うと、ケンキョウは神妙な面持ちのまま天井に吊るされた“アルマンダイト”に視線を移した。


「奴は治療が済むと『この借りは必ず返す』、とだけ俺達に言い残して去っていった」。


「フラグやないですか。結局、火山から戻ってこなかったっておっしゃってましたけど」。


「確かに、奴は今日まで俺達の下へ戻ってこなかった。だが、死んだのかも分からない」。


「魔獣の胃の中にいるんちゃいますか? 」。


セブンはそう返すと楽観的な様子でクスクスと笑っていたが、ケンキョウは厳かな表情を崩さずに話を続けた。


「奴がいなくなって数日後の事だ。俺達のテリトリー内に、何者かによって殺された“アルマンダイト”の成獣一頭が地面に横たわっていたのをメンバー達が発見した」。


ケンキョウが静かな口調でそう言うと、セブンの顔から笑顔が消えた。


「その成獣の“アルマンダイト”を討伐したんが、ハリボテ=ポップっちゅうんですか? 」。


神妙な面持ちでセブンがそう問いかけると、ケンキョウはゆっくりと首を横に振った。


「それは分からない。一体、誰がその“アルマンダイト”を殺したのかも、何で俺達のテリトリーにそれが放置されていたのかも...。ただ、はっきりと言える事としては、その“アルマンダイト”は長剣と数十発の銃弾を受けた痕跡があった事。そして、討伐する事が困難な“アルマンダイト”の部位は希少であるにもかかわらず、部位を剝ぎ取った痕跡は全く確認できなかった」。


ケンキョウがそう話を終えると、しばらく室内に沈黙が流れた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ