ゴクアクボンドとハリボテ=ポップ
フフフ...。
俺はまだ本編に登場してないけど、過去作は結構登場してるよ~ん!
出番はまだかな~?
~さすらいの遊び人、ジューン~
「一緒にかぁ~! 脅迫されてここまで案内させられた感じだったけどなぁ~! 」。
チョンケイは悪戯っぽく笑いながらそう返すとケンキョウは何度か頷いた。
「確かに、脅迫されてここまで案内するよう命令してたような感じではあったな。実際、その偵察も顔が真っ青になってたしな」。
「なるほど、このゴクアクボンドの城にハリボテ=ポップがやって来たとは興味深い事ですな。...それで、ハリボテ=ポップはこのゴクアクボンドさんに何を要求してきたのですかな? 」。
マカオがそう問いかけるとケンキョウは神妙な面持ちで両膝の上に両肘を立てて両指を組み、その組んだ両指の上に自身の顎を置いてゆっくりと口を開いた。
「...治療だ」。
「治療...? 」。
マカオがそう聞き返すとケンキョウは小さく頷いて話を続けた。
「ええ、初めて奴と出会ったのが城の出入口の門扉。偵察の襟を掴んでいた奴の顔は血に塗れ、大分負傷していたが恐ろしい程の威圧感を放っていた。そして、奴は左目に眼帯をしていた。しかし、もう一方の潰れていない右目から放たれる黒く眩い眼光と自分以外を見下すように嘲笑った口元からは、多くの人間や魔獣を闇に葬ってきたと容易に察する事ができた。そんな奴が俺達に要求してきた事は自分への治療、そして生息する魔獣や地形等といったパルメザンチーズ山脈に関する情報提供だった」。
ケンキョウがそう話すとセブンは険しい表情を浮かべ、両腕を組みながら考える仕草をした。
「確か、ハリボテ=ポップも王国軍を引き連れて“アルマンダイト”狩りを何度か敢行したらしいですね。ソルト国が“アルマンダイト”を討伐したのとほぼ同じ時期やないですか? 」。
「厳密にはソルト国の後だがな...。そして、ハリボテ=ポップは俺達に話を始めた。軍を引き連れてケチャップ国側の山脈区域で“アルマンダイト”の討伐を何度も試みたがあらゆる問題に直面し、結局討伐は失敗に終わったという事。そして、お前も言っていたソイ=ソース国に侵攻した際にはそこを拠点地にして“アルマンダイト”討伐を試みようとしたが、巻き返してきたソイ=ソース国軍に阻まれてそれも失敗に終わった事...」。
「確かに、当時のポンズ王国は山脈周囲をうろついていて、“アルマンダイト”によく喧嘩を売っていたとは聞いてましたな。そんなわけもあって、ハリボテ=ポップはこのゴクアクボンドに助けを求めたってわけですかいな? 」。
セブンが続けてそう問うと、ケンキョウは首を小さく横に振った。
「いや、奴は“アルマンダイト”の住処まで連れていくよう要求してきた」。
「な、何ですってっ!? 」。
ケンキョウの言葉に、セブンは目を丸くして驚愕した。




