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役に立つ魔法


どうもっ!! 皆さんっ!!


己の肉体っ! 鍛えてますかっ!?


ここだけの話ですがっ!


現在、私ヤマナカの睡眠時間は平均二時間でありますっ!


疲れが取れない...ですかっ?


いえっ!


私にはこのくらいの睡眠時間で十分ですっ!




~討伐部隊“勇者”ヤマナカ=マッスル隊員~






「シアターさ...あれ? キッチンが広くなってる? 」。


ハリガネは魔法陣を通って基地内に戻ってきた。


「はい~、キッチンには通路式の魔法陣が設置されてて人も通るので通気を良くするだけじゃなくて、ある程度のスペースを確保して人が通りやすいようにしておいた方が良いと朝にパルス様と話をしてまして~。それで、ヤマナカさんにキッチンの配置転換をしてもらってまして~。ありがとうございま~す、ヤマナカさ~ん」。


「何のこれしきっ! 大した事はありませんっ! 」。


ヤマナカはシアターにそう答えながら自身が作った石の台座をせっせと運んでいた。


「おお~! 進んでるな~! 」。


パルスがハリガネの後ろから姿を現し、満足そうな様子でキッチンを見渡していた。


「あ、パルス様おかえりなさ~い! もう、外の用事は済んだんですか~? 」。


「いや、ミツカさんは荒れた周囲を改良するために作業をするらしい。オイラは基地で待機する事になったよ。本当はミツカさんが工事してる様子を間近な所で見ていたかったんだけど、基地内を手薄にするのは良くないって事でね~。仕方がないからオイラは監視映像から外の風景を見る事にするよ~。何だかんだで工兵出身のミツカさんがどんな作業するのか気になるしね~」。


パルスはシアターにそう言って、壁に配置されている青白く光った大きな長方形ディスプレイを指差した。


そのディスプレイの中に映し出されている映像には、あらゆる角度から映っているミツカが地面に転がっている倒木を持ち上げて運んでいた。


捕虜であるノンスタンスのメンバー達はその姿を興味津々で眺めていた。


「あ~、やっぱり始めるんですね~」。


シアターはそう言いながら映像を覗き込んだ。


「ぬっ!? ミツカ勇士が危険を顧みずに作業をしているとはっ! 私も胡坐あぐらをかくわけにはいきませんっ! 私も...っ!! もっと頑張らなければ...っ!! ぬぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああッッッ!!! 」。


ヤマナカは雄叫びを上げながら自作した石工の家具を一層速いペースで運び始めた。


「てか、お前も基地でのんびりしてないで早く準備しろよな~」。


「...へっ? それは、どういう事でしょうか? 」。


「お前は隊長と一緒に基地周辺の見回りをする事になったんだよ~」。


「え...? そ、外に出るんですか...? 」。


パルスの言葉を聞いたシアターは表情を曇らせながらそう問いかけた。


「いや、今回は偵察じゃないんで遠くの方へは行きません。ミツカさんが基地周辺の改修工事している間、基地から少し離れた周辺の巡回をするだけですよ。もし、ミツカさんが作業している時に賊人とかが接近してきたら基地の居場所がバレる恐れがあって危険なので、僕等は商人に扮して基地の周辺を歩いて通りかかる人達を基地へ近寄らせないようにするというのが今回の任務になります」。


「あ、なるほど~」。


「まぁ、今回は基地の周辺を歩くだけですし何かあったら警笛も鳴らします。外にいるゴリラ隊員やミツカさんが出動してくれると思いますし、そこら辺は安心しても良いと思います」。


「はい、了解です」。


「じゃあ、早速準備しましょうか。あ、そうそう...」。


ハリガネは身に着けていた防具を外しつつ、基地の隅で収録をしているチャールズとフユカワの下へ歩み寄った。


「フユカワさん、ミツカさんはこれから基地前の改修作業をするんですけど、その作業中に僕等は商人に変装して基地周辺の巡回をする事になったんです。それで、フユカワさんにはこの間の監視ブロックを出してもらって、そのブロックで周辺の監視をしてほしいんです。基地の手前で作業するわけですから居場所がバレないためにも人が寄り付かないようにしたいんで、基地周辺は厳重に警戒したいんですよね」。


ハリガネがそう言うと、フユカワは納得した様子で何度もその場で頷いた。


「なるほど! 分かりました! 」。


「それじゃあ、お願いしま~す」。


ハリガネはそう言ってフユカワに背を向けた時...。


「あ、隊長さん! 」。


「...はい? 」。


フユカワの隣にいたチャールズがハリガネを呼び止めた。


「それがですね~! 周囲を巡回をするのに役に立つ魔法があるんですよ~! 」。


「役に立つ魔法...? 」。


ハリガネが眉をひそめてそう聞き返すと、チャールズは笑顔で大きく頷いた。



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